竜級令嬢の初めての街
2章最終話です。
リリーはすっかり回復し再び移動を再開した。そうして樹海に入って5日目の朝である。周りに木が見当たらなくなり目の前には穂を付けた黄金の小麦畑が広がっていた。そう季節はもう秋、小麦が実る時期なのだ。
(リリーちゃんシルヴァちゃん!地図を見るにこの小麦畑の向こうが街だよ!)
リリーが目を凝らしてみると南西の方角に石積みの外壁が見える。
「向こうに綺麗に石が並んでるとこがある!あそこかな?」
「お姉さまみたいな人間っぽい匂いが沢山するのです!多分あっちなのです!」
二人は小麦畑の合間に設けられた小道を通って街へどんどん近づいていく。
(いい?普通の人間に見えるようにここからは思いっきり駆けたりしちゃだめだよ。勿論ブレスは禁止ね)
「「はーい」なのです」
遂に街の城門へ辿り着いた。城門では行列こそ出来ていないが全身鎧で剣を携えた門番が身元を確認してお金を徴収している。
(ヤバッ二人とも絶対お金なんて持ってないじゃん)
璃々の心配をつゆ知らず二人は門番に話しかける。
「ようこそビランツ市へお嬢ちゃん達身分証は持ってるかな?」
「うーん何それ?」
「持ってないかぁ田舎の村から出てきたのかな?申し訳ないが規則だから身分証が無い人からは多めにお金を徴収しなきゃいけないんだ。一人銅貨3枚払えるかい?」
「お金?あー本で読んだことがあるよ!物を買ったりするのに必要な奴!」
「シルヴァは全く分からないのです!」
(これ二人とも門前払いされるんじゃ)
「持ってないのかぁ。よっぽど田舎から出て来たんだね。なら仕方ない。この板に手を当ててくれるかい?」
二人が石板に手を当てると石板から木版が吐き出される。
「これは仮の入市票だよ、絶対に失くさないでね。これがあると今日から三日間だけ市に滞在できる。三日経ってお金を用意出来なかったら強制的に出てもらうからね、可愛いお嬢ちゃん達には申し訳ないけど三日のうちに頑張ってお金を稼ぐんだ、何もアテがないなら冒険者ギルドに行くといいよ冒険者になればギルドの宿も無料で使わせてもらえるしね」
(お金が無くても三日だけ入れてくれるなんて優しい街!あ、リリーちゃん冒険者ギルドがどこにあるか聞いといて!)
「おじさん、冒険者ギルドってどこにあるの?」
「あー街の中に入って真っ直ぐ行くと通りの右手に看板が出ているよ」
「ありがとうおじさん!」
「ありがとうなのです!」
「はーい二人とも頑張るんだよ」
そうして無事市内に入れた二人は冒険者ギルドへ向かうのだった。
(あ、リリーちゃん突然出したら驚かれるだろうから魔法使いってわかるように杖を出して持っといてね!)
そして二人は冒険者ギルドの扉を叩くのだった。
高評価・ブックマーク身に余る光栄ぇぇぇぇぇぇイ!!!
次話も是非ぃぃぃぃぃヨロシク!!




