竜級令嬢の旅支度
さて、ここからリリーとリリの二人で一人の物語が始まるのです。
盛大にリリーの誕生日が祝われてから数日が経った。竜の里は総出でリリーの旅支度を手伝っている。若い竜達からは食料として魔物肉や果物を大量に用意されリリーは片っ端から次元収納にぶち込んだ。
璃々はあまりにも納得いかなかったのだが竜の里の食事というのはヴィーナが作るものを除けば肉を焼いたものと近くの森で取れる果物のみなのだ。まぁドラゴンに食文化を期待するものではなかったということだ。
ヴィーナが用意するものはちゃんと調理された肉や野草のスープなどかなりマシな部類である。曰くヴィーナは多種族が竜の里を訪れた時に食事を用意する役目があるので最低限の調理技術はあるのだとか。
「これは私達が狩ってきたポイズンリザードので作った外套なの」
「ボーグったら皮が必要なのにブレスで倒そうとしちゃうんだから止めるの大変だったんだよ」
「おいっ!それは言うなって」
「ありがとう!3人とも!」
ボーグは鼻から炎を出しながら恥じらいだ。幼馴染達から用意された外套に腕を通した。次に向かうのはヴァーニャの家だ。
「お嬢様、私からの餞別にこちらを持って行ってください。」
リリーはカラフルな図と小さな文字が描かれた大きな4分割された紙を受け取る。
(すごいよ!リリーちゃん、これ精密な地図だよ!)
(地図?)
(うーんとねどこに向かったら何があるか分かる紙だよ。とっても重要なの)
「これは私が人間の書物を集めるときに自分の翼で飛び回って作った地図の写しです。よいですか?お嬢様、この地図は人間の里ではとても貴重で危険なものです。絶対に人前で出してはなりませんよ」
(すごい!こんな精密な地図が貰えるなんて至れり尽くせりじゃない!次元収納の中で読ませて貰うわ、あと近年の歴史書みたいなのがあればそれもいただけないかしら)
「リリちゃんも凄い喜んでる!あとリリちゃんが最近の歴史が書いてある本が欲しいんだって!」
「リリ様は地図と歴史の重要さをよくご理解されているようですね。ならこちらを差し上げましょう。一般的な本なのですがここ150年の歴史がしっかり記述されております。」
ヴァーニャから受け取った本は「ヘクサ大陸変遷歴」というリリーは顔を歪めてしまう辞書レベルの厚本だった。しかし璃々は大喜びなようである。
そして王竜の居所へ戻るとノワールとブランがリリーを待っていた。
「皆から旅支度を受け取ったようですね。私たちからはこれを受け取ってください。」
ブランはそう言って手渡されたものは真っ黒な柄に先に真珠のような玉が拵えられていた。
「これは我の鱗を魔法で圧縮した軸に、」
「私の抜け落ちた逆鱗を磨いたものを導核にした魔法杖です。」
「リリーお前は魔法が好きだった筈だ。故に人間が魔法を使うときに使うらしい杖を用意してみたのだ」
「なんかすごそう!ありがとう!」
この杖、振り回すだけで杖なのに聖剣級の性能があるのですが流石の璃々もそこまでは想定できなかった模様。
「名は黒白の竜杖としよう大事に使うがよい。」
「カッコイイ!お父様!お母様!ありがとう!」
この日の両王竜が一日中ニンマリしていたのは秘密の話だ。
さて、明日はリリーたちの旅立ちの日である。
オマケ:しょうもない事を考える璃々
私達二人で一人って事は某探偵のライダーさんでいうならリリちゃんが黒い方で私が緑の方か。でもどちらかというと私が黒だから、もしかして私が黒でリリーちゃんが白だったりする?さァ、お前の罪を数えろ!なんちゃってね。ま、どうでもいっか!
高評価・ブックマーク身に余る光栄ぇぇぇぇぇぇイ!!!
次話も是非ぃぃぃぃぃヨロシク!!




