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80話 僕イケメン

エーリッヒから報酬を早く決めろと()っつかれてしまった。


麺類!

ラーメン、うどん、蕎麦、パスタ。

うどんとパスタは小麦と塩と水だけで作れてしまうし、この世界にもある。

蕎麦は見かけないが蕎麦粉はあってガレットととかでは見かけるから麺状にしてしまえば蕎麦は作れる。

ラーメンもかん水を塗るなりすれば中華麺が出来るしそれっぽいのは出来る。


当然、日本と同じクオリティを求めれば無理だけど。無理な事を言い出せばキリが無い。

残業明けに軽く飲みに行って。家に帰る直前に近所のラーメン屋でラーメンと瓶ビールをやるのが好きだったけど。あれはあの環境と状況が同じにならないとあの味にはならない。

更に言えば、あのラーメン屋は大して美味くなかった。飲んだ帰りだからこその美味さだった・・・って脱線したな。


贅沢を言い出せばキリがない。

妥協を受け入れるならばそこそこの手間でそこそこの味というもので満足が出来る。


だから、現状にはかなり満足している。


「保留ってのは?」

「怖ぇよ・・・」

「なんでだよ」

「貯めて貯めて貯めてドーンってされたら払い切れねぇだろ」

「俺がそんな無茶言うやつに見えるか?」

「無茶するだろ、お前は。いや、無茶苦茶するだろ」

「なんで言い直したっ」

「分かった。無茶苦茶にするだろ」

「微妙に悪化してってねぇか?」

「宿をぶっ潰したり、商業ギルドを崩壊させたり。前科アリアリだからな」

「それを言われたら否定は出来ないな」

「否定出来るとでも思ってんのかよ」

「そんなヤバい事ばっかしてるか?俺」

「どうだろうな」


いや、自覚はある。

俺自信が荒らして回っている訳で無いが。俺の不用意さで厄介事を呼び寄せている。

そして、それを雑に対処しようとして大事になってしまっている。

死んだ人間を悪く言うのはアレだが・・・降って湧いた力に酔って過信して死んだあの高校生達。アイツらとやってる事は大差無いという自覚もある。

強いという自覚があって、やられたから武力を持ってやり返すという事に抵抗も薄い。

自ら問題を起こす気は無いが穏便に事を治める気があまり無い。その所為で周りに迷惑を掛けては後になって後悔している。

いつまで経っても学習しないガキだ。


「そういや、俺が逃げた後で宿と商業ギルドってどうなったんだ?」

「聞いて無いのか?」

「ザックリとしか」

「あー、ジョッコさんに聞いたんだろ。どうせ」

「だったかな?」

「あの人がちゃんと説明するとは思えないもんな」

「おっさんに聞いたならそうだろうな」

「宿は、そうだな・・・お前の告発であの女将が客を売ったって話が広まってな」

「うん」

「そしたら、前々からあの宿で物が頻繁に無くなってたって話が出て来てよ」

「ほう」

「あの女将が盗んでたって話だ」

「マジかよ。めちゃくちゃ自業自得じゃねぇか」

「だな」

「商業ギルドは?」

「まぁ、2回も襲撃したからな。流石に隠しきれなかったけど揉み消されそうな流れになったんだが」

「うん」

「いきなり上からの圧力が無くなったらしくてな」

「ふむ」

「そのまま逮捕。で、商業ギルドもクビになった」

「うん」

「で、倉庫が空っぽになったらしいが・・・犯人はお前だよな?」

「おう。片っ端から盗んでやった」

「そんな良い笑顔で言うこっちゃ無ぇけどな・・・」

「まぁ、アイツが裏で手引してたっぽいし報復だ」

「ギルマス、サブマス、職員も複数名ってかほとんどか。が、負債を背負わされて奴隷落ち。運の良かったやつでも降格して地方に飛ばされた」

「一掃されたのか」

「そりゃそうだろ」

「サブマスだけだと思ってた」

「職員以外にも警備員とか下働きのやつらもだからな?」

「そうか・・・」


関係の無い人を巻き込み過ぎだな・・・。


「これに懲りたらもうちょっと我慢ってモンを覚えるべきだな」

「だなぁ」

「特にこれからは根無し草で問題起こしても逃げれば良いって訳じゃ無いからな」

「それはマジで、そう」

「っても・・・」

「うん?」

「あの商業ギルドはかなり黒かったみたいでな」

「うん?」

「かなり違法な事をやってたって話だ」

「あー」

「違法な物を流通させてたり、賄賂に、買収に、恐喝、恫喝、なんでもやってたらしい」

「エグいな」

「だからってお前がやった事は正当化出来無いけどなー」

「お、おう・・・」

「巻き添え食ったやつは悲惨だけど、そんな感じで街はちょっと良くなって感謝してるやつも居る」

「ふむ」

「何が言いたいかって言うと」

「うん」

「そんだけの力があるんなら、もっと穏便に裏から陰湿にターゲットだけをボコボコにしろ。もっと頭を使ってな」

「その方がヤバそうじゃないか?」

「周りを巻き込まずにターゲットを絞れ。これならどうだ?」

「良い感じかも」



なるほど、陰湿にか。

裏から搦め手で執拗に逃げ場を無くして追い詰める。


いや、エーリッヒはそんな事言ってなかったか・・・。


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