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8話 同伴

「頼んだぞ?」

「えっ?」


街コンに向かう荷馬車で婆さんに何故かいきなり頼み込まれた。


「なにをですか?」

「嫁じゃよ、嫁」

「あぁ・・・でも、そういうのは縁ですからねぇ」

「最低でも1人。出来れば2-3人・・・いや、多い分にはいくらでも構わんっ」


むちゃくちゃ言ってる・・・。


「トールはまだ若・・・くはないか・・・」

「いーや!まだまだ若いですよっ!」

「見てくれも悪・・・良くはないか・・・」

「いやいやいや、腹も出てないですし?程よく筋肉も付いてて細マッチョ!顔だって悪くない!!」

「おっさんでモヤシの顔は普通。1人でも嫁に来てくれれば御の字かのう・・・」

「おまっ・・・根こそぎ連れ帰ってやろうかっ!?」

「言うたの?頼んだぞ?」

「え?いや、あの・・・やっぱり・・・」

「男に二言はないからのう?」

「うっ・・・」

「まぁ、良い。1人で我慢してやるとするかのう」


1人なら頑張れば・・・って、無理だろっ。


「というか・・・一緒に来てるって事は婆さんも街コンに参加するとか?」

「バカが。買い付けじゃよ、か・い・つ・け」

「あー・・・薬とかの?」


そう。この婆さんは村唯一の薬師であの村の生命線であったりもする。

この婆さんが居なくなったら・・・俺のポーションでどうかなるか。

いや、そうなるとただでさえ多忙なのに寝る暇さえ無くなってしまうかもしれない。

婆さんには長生きして貰わねば・・・。


「そんな事より」

「ん?」

「作戦はあるのか?」

「作戦?」

「どうやって落とすかじゃよ」

「いや、だから、そこは縁というか相性とかもあると思うんですよね」

「確かにのう」

「でしょ?」

「身体の相性は大事じゃからの」


そうかもしれんけどもっ。村のジジババが元気過ぎる件・・・。


そんなこんなでプレッシャーを掛けられながら寒村に辿り着いた。

ウチの村と比べたら村の周りを囲っているのも木の柵ではなくレンガを積み上げた石壁でだいぶ洗練されているようには感じる。

まぁ、だいぶ朽ちていて防御力は皆無。イノシシの突進で簡単に崩れそうな石壁ではあるが。


村に入ると所在なさげにウロウロしている若い男がチラホラと目に入る。


「トールよ」

「ん?」

「頼んだぞ?」

「え?あぁ・・・善処します・・・」

「それじゃあの」

「えっ?」

「ん?」

「婆さん・・・」

「なんじゃ?保護者同伴でないとナンパも出来んか?」

「んなわけっ」

「私が欲しい薬はこんなクソ田舎には無いでの。目的地はまだまだ先じゃ」

「あぁ・・・なるほど・・・」

「じゃから、後は頼んだぞ!」

「なるべく善処出来れば良いなーって思っている所存でございます・・・」

「1人も連れ帰れんかったらこれからはタマナシって呼ぶからの」


ドン───。


「ちょっ・・・」

「ふひひひひ」


と、背中を押され荷馬車の荷台から無理やり降ろされた。


街コンのルールも詳しくは聞かされていない。

それこそ、ここの村長さんとかに申請したりしないといけないとか何かしらあると思う。


「あのー・・・」

「えっ、あっ、はいっ!」

「街コンに参加される方でしすよね?」

「は、はい!エレン28才!長男持ち家ありです!」

「あ、はい・・・トールです・・・」

「す、す、す、すいませんっ・・・き、緊張しすぎて・・・」

「みたいですねぇ」

「すいませんっ」

「ちょっと聞きたい事あるんですけど」

「は、はい!ウチは農家ですがっ、冬場は猟師もやりますので年中収入がありますですっ!」

「あ、うん、落ち着いて・・・」

「す、すいません・・・」

「まぁ、これでも飲んで」

「え?あ、すいません」


と、アイテムボックスからワイン用に絞った後の搾りカスから作った安物ワインをコップに注ぎ。そこに更にブドウジュースを注ぎ。

ほぼジュースなワインを渡してやった。


「プッハーーーー」

「お?いい飲みっぷりだねぇ」

「ふぅ~~~。落ち着きました」


アル中じゃなかろうな・・・?


「聞きたい事あるけど大丈夫?」

「は、はい。どうしました?」

「街コンに参加したいんだけど。申請とか参加資格みたいのってあったりする?」

「自由参加なんで何も要らないはずですよ」

「そうなんだ?」

「はい」

「じゃあ、参加人数とかも分からない感じ?」

「そうですね」

「男女の比率も?」

「はい」

「女性もちゃんと居るよね・・・?」

「た、たぶん・・・」


確定じゃないのかよ。


「ルールとかってある?」

「黄色い布を掲げた建物が対象なんですけど」

「うん?」

「そこだと飲み食いが出来るみたいですね」

「あー、なるほど。そこに女の子を連れ込め。と」

「は、はい」

「で、飲み食いして金を落としまくれ。と」

「ですね・・・それで・・・」

「うん?」

「その建物だと2階が宿になってるらしいので・・・」

「あー、そのまま連れ込める。と」

「は、はい」



何気にシステムがちゃんとしてる。

もしかしてだいぶ前から定期的に開催されてるのか?


1日1話というのは嘘だ!気が向いたら投稿する!

1日1話は最低でも投稿するってルールにします(´・ω・`)

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