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45話 暗に

寝る直前に閃いてしまった所為でテンションが上がってしまい・・・寝付きが悪く、またしても寝不足だった。


「あと5分・・・」


なんて言ってたら予定が総崩れになってしまうので。


「よっ・・・っと」


日々の美味しいご飯の為!と、自分を奮い立たせて起き上がった。


宿での朝食を済ませると早速街へ繰り出して皿を求めて彷徨った。

セイロ探しも兼ねていたのであっちこっち色々と回った。


この世界の食器は基本的に木製が多く陶器製の皿なんてのは早々見かけない。

ナイフやフォークは金属製が主流ではあるがスプーンは木製や動物の角や骨を加工した物が多かったりする。


そう。

皿と言えば磁器や陶器に慣れているので木製の皿には未だに違和感がある。

金属の皿もたまに見かけるがこれも違和感が凄い。


コップもほとんどが木製。

ガラス製の物も稀にあるが高級品だ。


そんな訳で磁器か陶器の皿を探しているが庶民が行くような店には置いてないのかもしれない。


「陶器の皿を探しているんですけど。取り扱ってる店があれば紹介して貰えませんか?」


と、商業ギルドへやってきた。


「あ、磁器でも大丈夫です」


ちなみに陶器と磁器の違いは分かっていない。


「当ギルドでも取り扱っておりますが」

「あ、ホントですか?」

「それなりの額になりますが・・・」

「こう見えてそこそこ持ってるんで大丈夫です」


と、答えても信用して貰えず訝しむような表情が一切崩れない。

崩さないのは笑顔とか居住まいとかにして欲しいものだが。


「とりあえず見せて貰う事って出来ますか?」

「上の者に相談して来ますので少々お待ち頂けますか?」

「はい」


そんな高額なの?それとも、俺が不審者過ぎて信用出来ないだけ?

どっちでも辛いけど。


しばらくするとギルドマスターかサブマスターじゃないか?と思うくらいに貫禄のあるおっさんがやってきた。


「お待たせ致しました」

「はい」

「陶器・磁器製の食器をご覧になられたいとの事ですが」

「はい」

「預託金をお支払い頂ければ」

「ヨタクキン?」

「保険とでも申しましょうか・・・事故で破損した場合の保証ですね」


俺が不審者で暴れたりするとでも思われてたようだ。そして、引くくらい高額っぽい。

どっちでも辛いと思ったけどどっちもだった。


「あー、払いますよ。何も無ければ返って来るんですよね?」

「はい、それは勿論」


預託金は金貨1枚だった。


大体どの国でも銭貨・銅貨・銀貨・金貨・白金貨とあり。

日本円の感覚で言うと銭貨が100円、銅貨が1000円、銀貨が1万円、金貨が10万円、白金貨が100万円くらいの価値だ。

100円以下は破損した銭貨。通称、割れ銭で支払われたりする。


当然、白金貨なんてのは一般には流通していないし、金貨も滅多に見る機会は無い。

銀貨でさえ持っている所を見られようものならスリのターゲット確定だから一般市民は銭貨と銅貨しか使わない。


それで預託金に金貨を要求する辺り、暗に帰れと言っているのと同義に思えた。


「んじゃ、これ」

「え?」


もしかして俺はギルドってやつと相性が悪いのか?

買う気はないが見るだけ見てやろう。


「預託金」

「は、はい。では、こちらへ」


応接室に通され、職員が数人掛かりで1枚1枚丁寧に運んできた。

安いのでも銀貨5枚ほど。高い物は白金貨が必要になる物まであった。


そして、陶器は思っていたのと違って表面がザラザラしていた。

土器・陶器・炻器(せっき)・磁器とあって後者程ツルツルしている。

炻器なんてのは初めて聞いた程度にそっちの分野には疎い。


「うーん、ピンと来るのは無かったですね」


預託金を返して貰い、求人も取り下げた。

勉強はさせて貰ったが、もう商業ギルドと関わる事も無いだろう。


なので木製の皿で我慢しよう。

木製にも良い事はある。安くてバリエーションが多い。

浅い物から深い物。サイズも大小様々で、形状は円形も楕円も正方形も長方形も。と、色々あって面白い。

まぁ、全部は使わないと思うし使いやすいサイズに形状は限られてくるだろうし気に入った2-3種類ばかり使いそうな気もする。

というか、これまでがそうだったから皿のストックが無かった訳だ。


という訳で、大量の皿を購入してからおっさんの家に向かった。


「こんにちわー」


と、反応が無い。

なので、田んぼの方に向かってみると刈り入れ作業をしていた。


「こんにちわー」

「あ、差し入れさんだ」

「おい、こら」

「今日も差し入れありますよ」

「やったー」

「社長ですか?」


社長・・・息子かな?


「はい」

「倉庫の方に居るはずです」

「分かりました。ありがとうございます」


倉庫の中を覗くと積み上げられた米の配置を変えているようだった。


「こんにちわ」

「あ、どうも。あー、今たしか買い物に出てたはずなんで」

「なるほど。さっき家の方に行ったら反応無かったんで」

「あれ?親父に事務作業させてたはずなんですけど・・・」


サボって遊びに行ったか・・・?



おっさん・・・懲りないというか叱られたらしばらくは大人しくしとけよ・・・。


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