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33話 EMM

ちびっこギャング達を通報してからいくつかの村を経由した。

その途中で馬を1頭売却した。流石に2頭は世話が大変だった・・・。


そして、御者の目処は今も立っていない。今になって思えば、あのジジババかちびっこギャングの誰か1人を雇えば良かったと後悔している。

飯が食えて手に職も付くんだから喜んで来ただろう。

それも全て後の祭りだが。


そんな訳で一人旅は続く。


一人旅の良い所は何も隠さなくて良いという所だ。

アイテムボックスもフル活用出来るから。準備する必要も無くご飯は常に熱々の物を取り出すだけ。

テントも組み立て不要で取り出して固定するだけで良い。

ただ、道中が暇過ぎる事と独り言が癖付いてしまう事がデメリットでもある。


ヒッチハイカーでも居れば3食昼寝付きで乗せてあげたい所だ。


でも、そんなのがそう簡単に居るはずも無く。寂しい一人旅が続いている。


「お前が話し相手になってくれればなぁ」


言葉を理解しているのかブルルルと鼻を鳴らす。


「いや、馬車を引いてくれてるだけでも感謝しないとか」


また鼻を鳴らしている。あれ?マジで言葉を理解してるとか?


「お前が俺の言葉分かったとしても、俺がお前の言葉分からんからなぁ」


また鼻を鳴らしている。ん?さっきよりも音が低いか?不機嫌な感じ?


「今日の飼い葉は普段より良いやつにしてやろうか?」


また鳴らした。さっきよりも音が高くてリズミカルだ。上機嫌?


「今日のマッサージはナシでも良いか?」


今度はさっきよりもかなり低い。しかも、ずっと小さくブルブル言ってる。愚痴ってる感じか?


「嘘、嘘。ちゃんとマッサージしてやるから」


今度は一際大きく嘶(いなないた。



暇を持て余して、冗談で会話出来てる風な遊びをしていたけど本当に俺の言葉を理解しているんじゃないかとも思えてくる。


すると、探索スキルに厄介事が引っかかった。


「どうするか・・・」


前方で馬車が盗賊に襲われている。


一旦、馬を止めて休憩してから進めば厄介事は回避出来る。

そうすれば何の問題の無く旅を続けられる。


馬車の形状的に行商でも無く乗合馬車でも無い。

恐らくは貴族だ。

但し、下級貴族の可能性が高い。護衛騎士も付けずに御者と従者のたった3人だから。

もしくは金が全然無い貧乏貴族かのどちらかだ。


「見殺しにするのも気分が良くない。かと言って、わざわざ厄介事に首を突っ込むのも・・・」


よし。

このまま進んで間に合えば助ける。


「え?ちょ、おいっ」


何故か馬の進むスピードが上がった。


「お前っ、なんで速くなってん、だっ、よぉっ!」


と、手綱を引くが一向にスピードが落ちない。


そして、間に合ってしまった。


「何だお前?」

「違うっ!馬が言う事聞かないんだよっ」


そして、ボロボロになった馬車を取り囲む盗賊達の目の前でピタっと止まりやがった。

大きくヒヒーンと(いなな)き満足そうにブルルルと鼻を鳴らしている。


「わーったよ・・・」


見た所、盗賊の数は20程。

1匹づつ倒してたら逃げられそうだし、一気に片を付ける事にした。


「EMM」


魔力を飛ばすだけの魔法マジック・ミサイル。これを改良した俺オリジナルの魔法だ。

精霊に補助させて跳弾しまくりの追尾しまくりというザコ相手には超便利な魔法だ。

名前はエレメント・マジック・ミサイルでEMM。


欠点としては跳弾する毎に威力が弱くなっていくという事と精霊任せだから当たる順番を選べないという事だ。

なので、敵が20匹も居ると当たらないやつも出てくる。逆に1人で複数回当たる不運なやつも居る。


取りこぼしたやつの為にもう1発。


「EMM」


込めた魔力が無くなるまで跳弾を繰り返してくれる訳だが。最初の方の威力が高い時に立て続けに当たる不運なやつ。後半の威力が落ちてから単発で終わるラッキーなやつ。

そんなのが混在する事になる対策として雷の精霊に補助させた。

感電も追加効果であるから痺れて動けなくなる。こっちは精霊による効果だから跳弾の最後の方でも効果は落ちない。


「あー、面倒くせぇ」


1人づつ手足をロープで縛っていく。20人ともなるとかなりの重労働だ。


コンコン───。


「もう大丈夫ですよー」


馬車のドアをノックして中に篭っている貴族と従者に知らせる。

ちなみに、御者は俺が着いた時には既に絶命していた。


馬車の中からこちらの様子を伺っているが出て来る気配はない。

ぶっちゃけ出て来ない方が俺的には助かる。


ノックした後も引き続き盗賊達の手足を縛っていく。


「よしっ・・・っと」


やっと縛り終えた。


「全員拘束したんで俺は行きますねー」



そう言い残し、俺は御者台に飛び乗って自分の馬車を再び走らせ出した。


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