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最終話 ため息

謎の光に包まれ一瞬意識が途切れた感覚があった。

が、目を開くとそこには・・・。


「お待ちしていました」


神々しい、正に女神と呼ぶべき存在がそこに居た。


「ジョン。貴方にはこの世に生を受けた瞬間から使命がありました」

「だ、誰・・・?」

「そうでしたね。貴方は近しい者にはジョッコと名乗っておりましたね」

「え?おっさん?」

「おっさ?あっ!誰っ!?」

「誰はこっちのセリフだけど・・・」

「えっ、なんでっ!?」


女神っぽい姿形をしているがテンパって取り乱している姿を見ると人間と変わらないなぁなんて感想を抱いたりした。

なんて言うか・・・こういう状況にも慣れてきた。神の間みたいな所に呼び出されたのは初めてだけどこれこそが定番の異世界召喚なのだと思う。

世界を救って下さい。だの、この世界で自由に生きて下さい。だの、チートスキルの1つでも貰って放り出される展開が待っているのだろう。


ゴ、ゴホン───。


「ふぅ・・・」

「落ち着きましたか?」

「は?焦ってなんかないしっ」


面倒臭そうな女神様だ・・・。


「それで、俺はどうしたら良いですか?」


そこからは合間合間に愚痴やら文句を挟まれまくったので割愛して要約すると・・・おっさんは選ばれた人間だったらしい。そして、この生で農業や生きていく上で必要な事を色々と学び次の世界で農業を広める存在になる予定だったそうだ。

あの光の輪はおっさんをここに呼び寄せる為のモノだったらしいがまかり間違って俺が呼び寄せられてしまったらしく・・・女神様はさっきから何度も頭を抱えては(うずくま)ったりしている。


「だったら今からでもおっさんと交代は?」

「もう無理ー」


無理らしい。


「俺をさっきの世界に戻す事は?」

「無~理~」


無理かー・・・。


「アンタ、農業の心得は?」

「無い」

「だろーねー・・・ハハハ・・・」

「さっきまで居た世界に戻るのは無理として。その前に居た世界に戻る事は出来無いんですか?」

「え?なにそれ?」


最初は日本に居た事。召喚されてあの世界に来て、更には同じ世界からまた召喚されて・・・今に至るって話をすると女神様は何かを調べ出したかと思うと、しばらくすると放心状態になっていた。


「アンタ凄いね」

「え?」

「全部、たまたま巻き込まれてんじゃん」

「マジ?」

「そー、どれも完全な不運」

「マジかよ・・・」

「不運ついでに次の世界で農業を広めて食糧事情を改善してくれない?」

「断ったら?」

「消滅?」

「しょ、消滅っ!?」

「そ、消えて無くなって貰う」

「強制じゃん・・・」

「そうとも言う」

「だったら、農業関係のスキルとか付与してくれないと・・・」

「無~理~」

「なんでだよっ」

「それが出来たらジョンを1から育ててないって」

「そ、それもそうか・・・」

「もー、アンタが邪魔するから・・・」

「へいへい、それはすいやせんでした」

「それに、アンタくらい強かったらスキルなんてもう要らないでしょ」

「いや、農業はやった事無い」

「がんばれ!」

「いやいやいや」


この女神様、どんどん雑というか投げやりになってきてる。


「さっきまで居た世界よりも文明レベルは遅れてるから苦労はすると思うけど頑張れ」

「え、いや、待って」

「ん?」

「いや、ほら?せめて何かくれよ」

「だーかーらー、無理なんだって」

「なんでだよっ」

「ジョンを若返らせりステータス爆上げしたりしたからもう何も残ってないんだよね。ごめんね」

「え?取り残されたおっさんが若返って強くなってんの?」

「そー」

「それじゃあ、せめて」

「うん?」

「おっさん達に言伝を頼む」

「あー、それも無理」

「なんでだよっ」

「もうあの世界に干渉出来無い。次に出来るのは200年後くらいかな?」

「何もしてくれないし、何もくれないけど農業を広めて来いってか?」

「そうなるね」

「俺にメリットは?」

「無い」

「だろうなっ」

「と、言いたい所だけど」

「えっ?」

「農業を広めて世界が安定したら神様見習いになれる」

「か、神様見習いっ?」

「そう。凄いでしょ?」

「ちなみに、農業を広めて世界を安定させるってどのくらい掛かりますか?」

「んー、ジョンだったら500年くらいかな?」

「死ぬわっ」

「ん?アンタは不老と不死があるから下手な事でもしない限り死なないでしょ」

「え?マジ?」


予想はしてたけど、やっぱりそういうスキルが生えてたか・・・。


「ってか、おっさんで500年なら俺だと1000年は掛かるだろ・・・」

「もっとじゃない?」

「マジかよ・・・」

「1000年か2000年かは分からないけど、たったそれだけで私と同じ立場になれるのよ?凄い事でしょ?」

「同じ立場・・・?って、お前、見習いかよっ」

「誰に向かってお前とか言ってんのよっ」

「見習い女神様だよ」

「あー、もうウザイ!さっさと行け!!」


見習い女神がそう言い、俺に向かって手を翳すとまた謎の光に包まれた。



2度ある事は3度ある。ナエジがそう言ってたがしっかりフラグになっていたみたいだな。


「はぁ~~~~~~~~~・・・」


何時になったら落ち着いたスローライフを送れる事になるのやら・・・何度目になるか分からないセカンドライフを送るべく俺は深いため息と共に新たな世界へと旅立った。


これにて完結となります。

ここまでお読み頂きありがとうございました。


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