224話 おっさん
俺の選択も全て見透かされた上でかなり俺に有利な契約内容を提示された訳だが。
「買取金額って具体的にはどんくらいになる予定なんだ?」
「大体、相場の倍くらい?」
「へ?」
「例えば、ショートソードなら平均的なショートソードの相場の倍くらいを最初は予定してるけど」
「なんでそんなに?」
「なんで?物が良いから」
「いや、他の武器に比べて物が良いのは認めるけど。そんな倍も取れる程にか?」
「お?自身満々じゃーん」
「え?」
「その辺の有象無象が打ったカス武器よりも自分が打った神武器の方が良いって」
「そこまでは言ってない」
まぁ、オーパスポーカスやフーバスタンクで見た剣よりも俺が打った剣の方が物が良いのは認める。
とはいえ、ゲームや漫画に出て来る様な世界のバランスを崩壊させてしまう程の物では無い。
そんなファンタジー性能な剣どころか国宝クラスでも無いし貴族が家宝にする程ですら無い。
現時点ではちょっと丈夫で、ちょっと切れ味が良くて、ちょっとバランスが良い剣って程度だ。
鍛冶を再開してから、またスキルも増えたり上がりまくったりしているからいずれは国宝クラスのも打てる様になるとは思う。まぁ、素材次第な所は多分にあるが。
「言ってなくても、差があるのは理解してるでしょ?」
「そりゃ、まぁなぁ」
「それに、まだまだ性能も上がってくでしょ?」
「だろうなぁ」
「だから、毎月性能をチェックして査定する感じ」
「なるほどな」
「その内、訳の分からないの作りそうだし・・・」
「何だよ?訳の分からないのって」
「炎を纏ってる剣とか電気を帯びた剣とか」
「あー、どっちも持ってるけどまだ当分打てる気はしないなぁ」
「はぁ?なんでそんなん持ってんねんっ!」
「見るか?」
「見るっ!」
「ほら、これ」
どっちもあるけど、先に言ってたって事で炎を纏った剣をアイテムボックスから取り出してみた。
「ホンマや。なんで燃えてんの?あ、もしかしてアレか?人を斬りまくって刀身に脂が染み込んで。ほんで、それが燃えてる感じ?」
「そんな幕末の暗殺剣士が持ってる刀みたいなんじゃねぇよ」
「あれ?通じた」
「俺も世代じゃなけど、お前の方が違うだろ」
「いや、私はほら?同人で」
「あぁ・・・って、それにしても古くないか?」
「いや、刀剣の擬人化したヤツにハマって。それから幕末とかにもハマったから」
「なるほど・・・」
って、腐の遍歴とかどうでもいいわっ。
「いや、ほんで。それの出処は?」
「魔王城の宝物庫」
「ホンマに?」
「ホンマ、ホンマ」
「似非関西弁やめぇや」
「しょうがないだろ。感染るんだよ」
ゴホン───。
「ふぅ・・・それってホントの話だったんだ?」
「ん?信じてなかったのか?」
「話半分に聞いてた」
以前、ナエジが領主を継ぐに当たって。王都まで叙爵しに行かなければいかなかった時。あの時に俺がこの世界に来てからの大半の話をした。
護衛やメイドさんが常に側に居るから聞かれない様に気を使いつつ、あれもこれもと包み隠さずに話した。
ナエジの場合は俺と違って転生でこの世界に生を受けた訳だが、転生特典の様なスキルは内政スキルで。しかも、アクティブじゃなくパッシブで効果を発動する様なスキルだ。
だから、転生しても俺TUEEEEEが出来た訳じゃない。しかも、父親が前領主の息子な訳だがクズであちこちに子供を作っては捨てるを繰り返していた真正のクズだったから養育費なんて物も貰えずに生活にも困窮していた訳だ。
そんなナエジに同情して本当に包み隠さずに話をした。同時に召喚されたハズレ高校生達の話とか・・・いや、俺にとってハズレってだけで召喚した側からしたら向こうが本命で俺がハズレではあるが・・・。
そんな話はどうでも良くて・・・苦労したのはお前だけじゃない、俺も散々な目に遭ってきた、だからこれから頑張っていこうZE☆
的な感じで面白おかしく脚色したり、あまりにもシモな話はしなかったり。気を使いつつ励ます意味を込めて色々と話た。
それを話半分に聞かれていたのか・・・。
「どう考えても作り話なのとかあったし」
「いやいや、転生とか召喚とかあるくらいだし、作り話みたいな本当の話なんていくらでもあるだろ」
「ううん。ミトさんって作り話してる時モロに顔に出てるから」
「!?」
「いや、でも・・・魔王倒した話は信じて・・・?」
「る」
「良かった・・・」
「なんて言うたらいいんかな?」
「ん?」
「関西だけかもしれへんけど」
「うん」
「おっさんが盛った話する時って皆おんなじドヤ顔しながら話しとるんよね」
「おっさんが・・・」
「そう。おっさんが」
ま、まぁ、まぁ、まぁ?おっさんはおっさんだし?実際に話は盛ってたし?
ドヤ顔しながらだったのか・・・うん、まぁ、おっさんかぁ・・・。




