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221話 絆

面倒臭いエーリッヒに朝飯を食わせてさっさと追い出した後、鍛冶仕事に取り掛かった。


「おう」

「あぁ、おっさんか」

「なんだ?二日酔いか?」

「いや、酒は残ってない」


エーリッヒの図太さにゲンナリしているだけだ。


「死んだみたいなツラしてる割に仕事は進んでんな」

「まぁ、鍛冶は好きだからな」

「鞘作るって話だけどよ」

「ん?やる気無くなったとか?」

「んな訳あるか。持って帰んの面倒だから、隣借りて良いか?」

「あー、そんなのは全然好きに使ってくれ」

「指定はあるか?」

「何の?」

「革が良いだの、木が良いだの、デザインがどうってのはあんのか?」

「無い無い。任せる」

「適当なヤツだな・・・」

「信用してんだよ。任せる」

「ふむ。まぁ、工具やらも借りるぞ」

「おう」


エーリッヒが鞘作りやら研ぎが出来れば給料の一部として飯を食わせて鍛冶場に住まわせても良いんだけどな・・・。


鞘作りはおっさんに任せて俺は俺で鍛冶に集中していると。


「おい」

「ん?」

「いくつか作れたが」

「おー、助かる」

「途中で投げてすまんが明日からしばらく出る事になっててな」

「出る・・・あぁ、他所の村に指導に行ってるってやつか」

「ジョーからでも聞いたか?」

「おう」

「まぁ、途中までですまんが勘弁してくれ」

「いやいや、全然助かった」

「帰ったら作った分は酒奢れ」

「任せとけ」

「んじゃあな」


と、去っていった。

普通に田んぼ仕事もあるだろうに。時間の合間を縫って手伝いに来てくれて本当に頭が上がらない。


しばらくしてまた来客があり手を止めた。


「どうですか?」

「良い感じです」

「では、改装工事は完了という事で宜しいですか?」

「はい」

「では、支払いや手続きの方はこちらで済ませておきますね」

「よろしくお願いします」


続いての来客はジョーさんで。工事の確認と掛かった費用。そして、エレノアの現状を報告に来てくれた。


「明日からエレノアには稲作指導の手伝いに行って貰います」

「あー、おっさんが行くのに同行するんですね」

「親父から聞いたんですか」

「はい。さっき来て明日からしばらく出るって」

「居ないと思ったらミトさんの所に来てたんですね」

「はい。それで、エレノアの懐事情はどうなんですか?」

「貯蓄は無かった様で、払いたくても払えないとゴネていたので農協から貸付させました」

「ふむ・・・」

「それで、以前と今回の賃料は一括で振り込んでます」

「あ、俺の口座にですか」

「はい。工事費用はこれで確定したのでこれからですね」

「結構いきましたよね・・・?」

「安心して下さい」

「あ、はい」

「慰謝料は別途請求するので」


そっちの心配はしてなかった。


「あ、それから」

「はい」

「エレノアは来てませんよね?」

「来てないですね」

「謝罪に来ても(ほだ)されないで下さいね?」

「は、はい・・・」


あんまり自身は無い。

泣き落としなんてされようものなら一瞬で負けそうだ。


それからもジョーさんとエレノアの話を少ししたが・・・どうも俺は思い違いをしていた様だった。


「あれ?そうなんですか?」

「そうですよ?エレノアは実力的には大した事ありません」


エーリッヒの弟子というか教え子だから身内びいきで実力を高く見積もっていた。


「エーリッヒさんはランクB中位でも通用するランクCなのに対して、エレノアは4人でランクC下位です」

「へぇ~」

「個々の実力で言えばランクD下位から上位程ですね」

「へぇ~、その割に評価高そうな気がしますけどね」

「顔です」

「顔・・・」

「今どき、こんな事を言うと問題発言に思われるかもしれませんが・・・」

「はい」

「女性冒険者は優遇されてますからね」

「あー、はい」


どうしても荒事が多くなってしまうからこそ女性が居た方が多少は和む。

なので冒険者ギルド自体が女性冒険者を勧誘しているし応援もしている。


「実際、女性冒険者にしか受けられない依頼もありますけどね」

「そうですね」


女性の護衛依頼なんかは男だけのパーティーだと敬遠される事が多いので女性パーティーや男女混成のパーティーの方が優遇される事が多い。

そして、依頼に対して条件が付加される事で依頼料も微増するので必然的にパーティーに女性が居る方が収入が増えやすかったりもする。


「思ってたよりもエレノアって微妙だったんですね・・・」


今回の一件でジョーさんはエレノアの事を色々と調べたらしく・・・冒険者ギルドに依頼を出して素行調査を行ったそうだ。更には農協の調査員にも依頼をしたらしく内部からと外部からの二重調査を行ったらしい。


「アンジェラさんは女性という事を加味すればCの下位でも良いかもしれません」

「へー」

「後方支援や司令塔の役目に限ればCの下位ですが」

「ふむ」

「エレノア以外でその能力が発揮されない様なのでやっぱりDの上位留まりが無難ですね」

「なるほど」



Dの上位なら冒険者として普通にやってはいけるだろうが・・・それが何時までかというのを考えると残り時間はあまり残されていない様にも感じる。


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