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22話 飲み会

夕食を済ませ、晩酌をして。そして、酔ったままベッドに入り気付いたら朝。


寝ぼけ眼をこすりながらトイレに行ったり歯を磨いたりして宿の朝食にありついた頃には目も覚めて昨日貰った酒の価値と扱いについて頭を悩ませる事となった。


するとドアを叩く音が。


「はい」


と、ドアを開けると昨日書状を持って来た男が立っていた。


「おはようございます」

「おはようございます」

「伯爵家より連絡係を仰せつかりました。何か御用の際は私に仰って頂ければ連絡を付けさせて頂きます」

「なるほど・・・あ、早速ですけど」

「はい」


伯爵様に会うには重いか・・・執事さんで。


「セバスチャンさん。執事の人に話を聞きたいんですけど」

「お急ぎでしょうか?」

「いや、そこまでじゃないからそちらの都合の良いタイミングで大丈夫です」

「畏まりました」


この人は宿の従業員でデレクというらしい。

これからはをデレクを介して伯爵家と連絡を取る事になり。

それに伴って宿を変える事が出来無くなってしまった・・・。


まぁ、宿に不満も無いから変える必要は無いんだけど・・・変えられないとなると何か変えなければならない理由を何故か探したくなってしまう。


等とどうでも良い事を考えながら昼近くになってきたので露店を巡って食べ歩きする為に宿を出た。


「おっちゃん。これ1本」

「あいよ。1本で足りるか?3本以上なら割引してやるぞ」

「いや、1本で良いよ」


この辺りは飲食店が多く、露店が立ち並んでいるエリアだ。

比較的安価な店が多く、地元の人の生活に根付いた店が多い。


とりあえずで買ってみたのは焼き鳥。どう見てもねぎまだ。


この辺りから良い匂いが漂っているのは知っていたが人も多いしどの店が当たりなのかも1から探るのが億劫だったので来たのは初めてだ。


このねぎまは・・・まぁ、普通だ。

日本クオリティで考えたら()だけど異世界という事を考えれば中の上といった所か。


その後も露店で歩きながら食べられる物をちょこちょこと買食いして歩いたがいつもの居酒屋のクオリティには及ばない。

味が悪い、素材の質が悪い、腕が悪い、というよりも何かちょっと違う。そんなふわっとした理由でピンときていなかった。

屋台と店舗の差という訳でも無いっぽいから判断が難しい。


焼き鳥や串カツが多い。

色々な食材を焼いているか揚げているの違いでどの店も大差が無い。

この辺りで食べ歩きしてる人達はそんな串料理と酒を両手に持ちながら食べ歩きを楽しんでいる。


そして、食べ終わった串はその場に投げ捨てられている。

酒の入った木製のコップはどこの店も共通で店員に渡すと商品が割り引かれるという良いシステムだった。

なので地面に散乱しているのは串のみ。


これだけ人が居て酒を飲んでいるにも関わらず路上に座っている人が居ない。

それこそ酔い潰れて寝てるやつが居てもおかしくないのに。


理由は直ぐに分かった。

酔って座り込んだやつが居ると思ったら、警備隊が飛んできて抱えて去っていった。


その様子に驚いていると。


「この辺りは地べたに座るの禁止なんだよ」

「そうなんですね」

「座りたかったら店に入れってルールだ」

「なるほど」

「で、兄ちゃんは何食う?」

「え?」

「どれもオススメだぜ?」

「あー、んじゃ、エールを」


昼ご飯として軽くだけ食べるつもりだったが露店が多すぎて腹いっぱいまで食ってしまった。

更には酒まで・・・。


まぁ、これも調査費用だし?人の金で食うのが1番美味いんだから。

と、開き直れたら良いんだけど・・・金銭が発生しているからそこには責任も発生してしまう訳で・・・。


満腹になった幸福感と責任感からくる閉塞感を同時に感じながら宿に戻るとデレクが駆け寄ってきた。


「おかえりなさいませ。ミト様」

「あ、うん、ただいま」

「手紙をお預かりしております」

「セバスチャンさん?」

「はい」

「うん、ありがと」

「いえ、それでは失礼致します」


部屋に戻ってセバスチャンさんからの手紙を見ると。先日とは違い封蝋はされていないし紙自体も普通だ。

内容は明日の夜だったら空いてるからいつもの居酒屋でどうですか?といった内容だった。


腰を据えて話し込みたい程の内容じゃないんだけどな・・・。

貰った酒が高級過ぎて怖いから出来れば返品したい。せめて金額を教えてくれって程度の内容だし。



翌日、指定された時間より少し前に居酒屋に入ると既にセバスチャンさんが中で待っていた。


「あれ?遅れましたか?」

「いえ、時間にはまだ余裕がござます」


公式な面会ではなくプライベートな場での食事会という事で・・・早速、お互い席に着いて乾杯を交わした。



セバスチャンさんはたった1杯で出来上がり。

そこから店が閉まるまでの数時間ずっと愚痴を聞かされるハメとなった。


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