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213話 フキの花茎

ジョーさんがエレノアに釘を刺しておくとは言っていたが誰も俺に嘆願に来ない。


「あぁ、それはミトさんがエレノアの顔を見たら何をするか分からない。それ程に怒っていると伝えたので」

「あれ?俺が悪者になってます?」

「なってますね。私が仲介に入った良い人みたいになってます。はっはっは」


と、屈託なく笑っているが・・・サイコ味を感じる・・・。


「そうでもしないと泣き落としに来ますよ?」

「うーん・・・負ける未来しか浮かばないですね」


いや、でも・・・借金背負わせて冒険者を引退させて・・・その後はどうなるんだ?借金奴隷?流石にそこまではやりたくない。あまりにも後味が悪すぎる。


「でも、どうするんですか?全然、金無いらしいですよ?」

「ちょっと考えがありまして」

「ふむ」

「最近、ウチのバカ親父を見なくありませんか?」

「あー、そういえば」

「以前から少しずつ進めてはいたのですが」

「はい」

「近隣の村で田んぼを増やしてるんです」

「おー」

「そこで若者への稲作の指導を親父にやらせてるんです」

「なるほど」

「それでですね・・・」


エレノアの4人が借金を払えるとは最初から思っていないらしく。格安で農作業の手伝いをさせる予定だそうだ。


体力はあるだろうから格安の労働力としてはアリなのかもしれない。

そう思ったがどうやらまだ続きがあるらしく・・・。


その村の農家は別の農家という訳ではなく。ジョーさんの所の従業員という扱いになるらしく。そこの手伝いに行かせるそうだ。


「エレノアもそろそろ良い年ですからね」

「・・・・・・」


それはライン越えだ。


「冒険者の引退を考えたのは1度や2度では無いと思います」

「なるほど・・・」

「借金を抱えた上に大して稼げない冒険者を続けるのはどう考えても無理ですよね?」

「でしょうねぇ」

「そこに安定収入の農家の男と接する時間が増える」

「ふむ?」

「農家っていうのは嫁の来手(きて)が中々無いですからね」

「そうなんですね」

「不人気ですね。朝は早く重労働。食うには困らなくてもオシャレの1つも出来無いですからね」

「あー、なるほど?」

「エレノアは4人共、(とう)が立っていても器量良しですからね」

「それは、そうですね」

「借金まみれでも嫁に欲しがる男は居るでしょう」

「な、なるほど」

「そうなれば確実に借金は回収出来ますし、返し終えるまでは辞めない労働力を得れるなぁ。と」


腹黒いっ。

というか、先を見据え過ぎてて怖いっ。


改めてこの人だけは敵に回さないと誓った。


というか、この計画の1番恐ろしい所は・・・誰も不幸にはなっていない所だ。

一時的には恨まれるかもしれないが時が経てばそこにある幸せに納得しそうだし。俺とジョーさんは完全に得をする。

計画通りに進めばの話ではあるが。


「って感じの計画らしい」

「恐ろしいな」

「だよな?」


新鍛冶場に道具を運び込み。旧鍛冶場は作業場として模様替えをしたりしていると預かったままだった仕事道具をエーリッヒが取りに来たのでジョーさんの計画を話した所だ。


「っても、俺に話して良いのか?」

「ん?」

「俺からエレノアに漏れたら逃げるかもしれんだろ」

「あー、まぁ、そうなったらそうなった時で」

「良いのかよ」

「そういや、やっと仕事再開するんだな」

「まだ挨拶回りはしないとだがな」

「どうなんだ?生活費大丈夫か?」

「キツいっつったら養ってくれんのか?」

「俺が?お前を?養う?勘弁してくれ」

「まぁ、お前のおかげで儲けさせて貰ったからな。しばらくは何とかやってけそうだ」

「そうか。まぁ、ヤバそうだったらいつでも言え。雇ってやる」

「扱き使われそうだな」

「おう、低賃金で馬車馬の如く扱き使ってやる」

「生きるか死ぬかの瀬戸際まで頼れねぇな・・・」

「まぁ、仕事くらいならいくらでも作ってやるから遠慮はすんなよ」


いくらでもエーリッヒに任せたい仕事はある。

俺が打った剣をフーバスタンクまで輸送して貰ったり、買付けを頼んだり。

小間使いみたいな扱いではあるが1人くらいそういう存在が欲しいのは本当だ。


ただ、雇用関係になると今の友人関係が壊れてしまう可能性もあるので難しい所ではあるが。


エーリッヒも帰ったので、新しい炉に火を入れて鍛冶の準備を進めていく。

新しい鍛冶場の設計でリクエストしたのは窓の位置を高くする事。

そして、窓の位置を向かい合わせる事で風の通り道を作り空気の循環を活性化させた。

高い位置にしたのは床に落ちた灰等のゴミが舞い上がらない様にする為。


温かい空気は上に、冷たい空気は下にいく性質がある。なので、鍛冶場上部の空気が冷えればゆっくりと循環されて全体が冷やされる仕組みになっている・・・はずだ。


そして、鍛冶場の中を通る風が干渉しない位置に炉を配置した。


まず、納品に失敗したナエジの兄弟用のショートソードを打っていく。



どこぞのバカに勝手に使用されて歪みが出てしまったショートソードを調整しても良いがケチが付いた物を渡すのが少し躊躇われたのと新たに打った物の方が良い物になる確信があったので新たに打つ事にした。



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