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206話 Hey joe

やっと、やっと帰って来た。慣れ親しんだ街、オーパスポーカスに。


「エーリッヒはどうする?」

「まずは宿取らないとだから適当なトコで降ろしてくれ」

「おっけー」

「お前は?」

「まずはおっさんとかジョーさんに挨拶に行く」


そして、マーシーさんのご飯を食べさせて貰いたい。


「この辺で良いか?」

「おう。んじゃ、またな」

「おう」


エーリッヒを降ろしおっさんの家に向かう。


「お?」

「!?」


すると、その途中でこちらに向かって歩いて来るおっさんと遭遇した。


「おー、ただいま」

「おい!俺の酒返せっ!」

「第一声がそれかよ・・・」

「折角作ったセラーが空のまんまなんだぞっ!!」

「いや、失踪して2年振りに帰って来たやつにそれは無いだろ」

「知らん!俺の酒を返せ!!」

「あの酒は渡す」

「当たり前だっ!」

「まぁ、そんな態度を取るって事は土産の酒は要らないって事だな?」

「無事に帰って来てくれて心の底から嬉しい」

「ぶっ飛ばすぞ」

「まぁ、冗談はさておき」

「だよな?」

「まずはセラーに行って酒樽を設置してくれ」

「おっさんの存在自体が冗談だわっ」


帰って来るなりゲンナリした・・・のと同時におっさんが何も変わっていなくて安心している部分もあって少し悔しい。


「あ、ミトさんおかえりなさい」

「ジョーさん。ただいまです」

「まずはウチにどうぞ」

「はい」

「おい、まずはセラーだ」

「おっさんは黙ってろよ・・・」


御者台は2人が限界なのでおっさんを後ろに乗せてジョーさんと2人御者台に並んで座った。


「おい、そっちじゃねぇ」

「うっせぇなぁ」

「あんな風に言ってますがミトさんが居なくなって1番心配してたのは親父なんですよ」

「それは・・・酒じゃなくて俺を心配してですか・・・?」

「・・・・・・」

「心配してなかった!」

「冗談ですよ冗談」

「ジョーさんでもそんな冗談言うんですね・・・」


まぁ、酒8俺2くらいの比率だろうな。正味。

というか、後ろがうるさいのでまず先にセラーへと向かった。


「って、俺ん家の側かよ」

「最初は別のトコで掘り始めたんだが田んぼの拡張の可能性とかもあってな」

「で、こっちに?」

「そう。田んぼの近くだと浸水の可能性もあるからな」


半地下の防空壕といった雰囲気もあるが、中に入ると樽を固定する台が所狭しと並んでいる。


「ほれ、さっさと設置してけ」


やっと帰って来たのに何で早速扱き使われてるんだ・・・。


「へいへい」


ガコン───。


「おい、もっと丁寧に出せ」

「そこまで正確には無理だ」

「チッ・・・おい、ジョー。ミトが出した樽を俺達で受け止めるぞ」

「はぁ?無理だろこんなの」

「多少で良い。衝撃を少しでも緩和出来りゃ良い」

「はぁ~・・・」


この酒狂いのおっさんよりも俺の方が非常識なのか?

エーリッヒに言われたのを根に持っているし納得もしていない。


「いきますよー」

「来い!」

「はい・・・」


次から次へと樽を出していく。

2人がしっかりと受け止めて衝撃が一切無く台座に着地させられた時もあればタイミングが合わずに何もしない方が良かった時もあったりでトータルで考えたら何もしない方が良かったんじゃないかとも思うが事故も無く無事に樽の設置は終わった。


「セラー完成祝いに乾杯したいな」


出た。

酒飲み特有の何かに付けて酒を飲む機会を作ろうとする謎行為。

そんな機会あっても無くても飲むくせに・・・。


「何してんだ?」

「ん?」

「察しが悪いな。さっさと人数分エールを出せ」

「俺かよっ」

「他に居ないだろ」


反論するのも逆に面倒なので言われるがままエールを3杯取り出した。


「すみません・・・」

「いやいや、悪いのは全部。ねぇ?」

「はい・・・」

「よぉし。いくぞー?かんぱーーーい!」

「「かんぱーい・・・」」


エールを飲み干し。これでおっさんも満足してくれただろうからそろそろ・・・。


「んじゃ、もう良いか?」

「あー、お前らは帰って良いぞ」

「え?」

「俺はもうちょいこの光景を眺めていたい」


さいですか・・・。


「じゃあ、ジョーさん行きましょうか」

「すみません・・・」


再び馬車に乗り込み、気を取り直してジョーさんの家へと向かった。


「厩舎の方にお願いします」

「はい」


厩舎に行くと以前の相棒と目が合った。

目を見開き、信じられないとでも言わんばかりの表情を見せ・・・ているような気がする。


自分を置いてどこかに行き。帰ったと思ったら別の馬に馬車を引かせて帰って来る。

そんな浮気者でも見る様な目をしているような気がしないでもない。


馬装を外し、軽く洗ってやってから馬房へと入れる。


「おー、よしよし」


ジョーさんが元相棒を撫でると甘えまくっている。

あれ?



もしかしてヤキモチを妬いたのは俺にじゃなくジョーさんに?

まぁ・・・普段、世話をしているのはジョーさんで俺に至っては2年も放置しているんだから忘れられても当然か・・・。


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