201話 トルティーヤ
200話を飛ばして投稿してしまいました。
現在は修正済みです┏◯
朝っぱらから酒盛り中・・・いや、酔う程は飲んでいないし、テイスティングをしているだけだからエーリッヒから白い目で見られるのは些か納得がいかない。
「で、俺に用か?」
「いや、居るなら一緒に飲むかと思っただけだ」
「まぁ、居てくれて丁度良かった」
「??」
「依頼受けんのに装備も全部お前に預けたままだったからな」
「あー」
という訳で、エーリッヒの仕事道具をアイテムボックスから取り出した。
「これと、これと、これで良い。後はまた仕舞っといてくれ」
「おっけ」
「んじゃ、行ってくる」
「怪我しない程度に頑張ってこいよー」
「お前も潰れない程度にな」
エーリッヒの言葉に多少の棘を感じるのは気の所為じゃないだろうな。
自分は働いてるのに眼の前で遊ばれてたらイラっとはする。
でも・・・正直、思うのはもっと要領良く稼げば良いのに。とは思ってしまう。
小遣いをやるつもりは無いけど貸す分には問題無い。
全然、無利子での貸付をしても良い。
それに、俺を使うのも問題無い。アイテムボックスなりフルに活用してくれても良い。実際、エーリッヒの荷物は全部預かってるし。
だから、俺から借りた金で買付を行ってアイテムボックスに預けて他所の村なり街で売り捌く。
時間経過も無いから生鮮食品でも買い叩かれる事無く高く売れる時だけを狙って売り捌く事が出来る。
何故そんなアイディアがあるかというと・・・召喚された先から移動する時に使える金が無くて冒険者ギルドで依頼を受けたりして糊口を凌いだりしていた時期が一瞬あった。
その後、商業ギルドで金貨を換金出来てからは金に困る事は無くなったが・・・困らなくなってからそうすれば良かったと気付いた。
恐らく、エーリッヒも後になってから気付くんだと思う。
テイスティングだけとはいえ15杯も飲んだらそれなりに酔ってきた。
となると干し肉だけでは物足りなくなってくる。
なので、昼ご飯がてら外に食べに行く事にした。
酔い覚ましも兼ねて。
適当に入った店でオススメを頼んでみると、クレープみたいな生地で肉とか野菜とかを包んで食べるメキシカンな料理っぽいのが出てきた。
クレープ生地の上に何かの肉があって、その上にトマトやタマネギやレタス等が乗っている。
生地は柔らかく折りたたんでから口に運ぶ。
これ完全にタコスだ。
生地も小麦粉じゃない、トウモロコシの匂いがしている。
生野菜のフレッシュさとクタクタになるまで煮込まれた豚肉の濃い味が口の中で混ざって美味しい。
と、思っていたらめちゃくちゃ辛い場所に当たった・・・。
でも、それも美味しい。
「エール下さい」
これには絶対ビールが合う。
そう思って悩む事無く注文したが、これで酔い覚ましに歩いた意味が無くなった。
でも、絶対に合うんだから頼まないという選択肢は無い。
調子に乗ってエールを何杯か空けてほろ酔いのまま気分良く散歩をしていると冒険者ギルドが見えてきた。
依頼を受けてたいらギルドには居ないはずだが何となくエーリッヒが居ないかと覗いてみた。
友達のバイト先に何となく顔を出してみる感覚だったのかもしれない。
「「「ありがとうございましたっ」」」
「おう」
何やらガキンチョ3人に頭を下げられているエーリッヒが居た。
「これからはもうちょっと周りにも気を配っ・・・」
目が合った。
「て・・・だな・・・。まぁ、頑張れや・・・」
「「「はいっ!!!」」」
そして、エーリッヒは俺をスルーして冒険者ギルドから出ていこうと扉に手を掛けた。
「何やってんだ?」
「うっせぇ」
「何やってたか聞いただけだろ」
「うるせぇ、うるせぇ」
「面倒見の良いこって」
「・・・・・・」
「女買う金にも困ってるのにガキンチョの面倒なんて見てる余裕あんのか?」
「しゃーねぇだろ。目の前でバカしてたんだからよぉ」
「まぁ、帰って飲むか」
宿に帰ってから面倒見の良いエーリッヒに俺のアイテムボックスを使って儲ける方法を教えてから貸付もして良いと伝えた。
「飲んでる場合じゃねぇ」
「え?」
「買付に行くぞ」
「勘弁してくれ。明日なら付き合う」
翌日、酒蔵に向かい樽単位でバーボンを大量に買い俺の用事は終了。
そこからはエーリッヒの買付に同行した。
「まだか?」
「まだだ」
もっと決め打ちするのかと思ったがあれもこれもと色々な種類の物を買い漁っている。
果物や野菜といった生鮮食品に酒やタバコなんかも買っていた。
「何買うんだよ?」
「塩。それと、胡椒」
「それで終わりか?」
「それで終わりで良い」
「んじゃ、さっさと終わらせて飲みに行こうぜ」
久しぶりに一所でゆっくりして英気を養った。
急ぐ旅では無いがなるべく早くは帰りたい。
まだまだ先は長い。オーパスポーカスまでまだ数ヶ月は掛かるのだから。




