マジック
誰が、一体どれだけの回数、あの地獄のような川を渡ったのか、まるで公開処刑のように、一目でわかる。
確かに、不正は許されない、公正な方法だった。
誰にも言い訳できない、誰にも誤魔化せない、ただ、冷酷な記録だけが、全てを物語っていた。
でも僕たちは、その、まるで永遠にも感じられる時間の間も、ずっと、まるで生きた屍のように、起立したままだった。
目の前で、隣の子の、まるで重い罪状のように積み上げられた紙が数えられ、まるで遺品のように袋に入れられ、そして、その子の、泥に汚れた水着に、無情にも枚数が書き込まれていく。
みんな、ただ、そこに立ち尽くしていた。
倒れたら、即リタイア。
座ったら、全てが終わる。
早く、この悪夢のような時間が、終わってくれ。
心の奥底で、何度も何度も、まるで悲痛な叫びのように、そう願った。
でも、まるで時間が止まってしまったかのように、作業は遅々として進まなかった。
まだ、終わらない。まだ、終わらないのだ。
僕は、まるで最後の抵抗のように、震える足を必死に踏ん張りながら、重い瞼をそっと閉じた。
あと少しだけ。
あと、ほんの、少しだけでいいから。
そう、まるで壊れかけたおもちゃを宥めるように、自分自身に何度も言い聞かせながら。
運営者が、まるで所有物に焼き印を押すように、参加者の黒い水着・水泳帽に、冷たいマジックペンで、無機質な数字を書き込んでいく。
胸・背中の、まるで傷跡のように残る番号の上に、ぐっと冷たいペン先を押し当て、まるで呪文のように、黒々とした数字を描く。
その、ほんの一瞬の出来事。
この限界のなか、マジックで記入される。それだけの衝撃で倒れて次々にリタイアを言い渡されていく
僕たちは、まるで地面に打ち込まれた杭のように、その場に固定されたまま、まるで石像のように、微動だにすることができなかった。
でも──




