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開票作業

 だだっ広い、冷たい体育館。床に無機質に引かれた白いライン。僕たちは、あの過酷な試練を生き抜いた証である黒い水着・水泳帽姿のまま、泥と疲労にまみれた体で、まるで魂の抜けた人形のように、そこに立った。

 そして──まるで最後の審判を告げるかのように、

 『これより、開票作業を行います。』

 アナウンスが、冷たい空気を震わせた。

 『参加者は、必ず作業終了まで、その場で起立したまま、一切動かないでください。なお、ほんの少しでも動いた参加者は、無条件にリタイアとみなします。』

 体育館中に、まるで目に見えない電流が走ったように、ざわっとした緊張が広がった。

 えっ?

 動いたら、即リタイア?

 つまり、これから、どれだけの時間がかかろうとも、この冷たい床の上で、立ち続けなければならない。

 冗談じゃなかった。これは、まだ、終わってなどいなかったのだ。

 僕は、まるで最後の抵抗のように、疲労困憊した足元に、意識して力を込めた。

 膝は、まるで生まれたての小鹿のように、ガクガクと笑っていた。

 腰は、今にも抜け落ちてしまいそうだった。

 ここで、もし座ってしまったら、全てが終わる。

 あの、想像を絶する苦しみに耐え、泥水の中を必死に渡ってきた、その全ての努力が、まるで底なしの泥の中に、ゆっくりと沈んでいく。

 体育館の高い天井が、まるで嘲笑うかのように、白く、そして眩しかった。

 誰も、言葉を発する者はいなかった。

 ただ、疲労による汗の匂いと、張り詰めた、まるで針が落ちるような緊張だけが、重く淀んだ空気に漂っていた。


 ここが、最後だ。

 僕は、まるで朽ちかけたダムが決壊しないように、疲労困憊した足に、腕に、そして背中に、かろうじて残っている全ての力を、まるで最後の炎のように燃やし、ただ、まっすぐに、そこに立ち続けた。


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