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繰り返しの途中で
いったい何回目の渡河なのか、自分でももうわからなくなっていた。
ただ、川を渡って、橋を渡って、紙に番号を書いて、箱に入れる。
それを、何度も、何度も、何度も。
まるで、それだけが世界のすべてであるかのように。
気づけば、太陽はすこし傾いていた。けれど、それが朝なのか夕方なのか、判断するすべはなかった。
ただひとつ、確かなのは——
水着が、また少し重くなっていること。
肩に布が貼りついて、胸にも背中にも、水を含んだ布の重さが、じわじわと沈み込んでくる。
肌にぴったりと密着したままの水着が、動くたびにずれず、けれども、ずっと僕にくっついている。
腕を振るたびに、少しだけ引っ張られる。
それでも僕は、無言のまま次の川へ向かって歩いた。
また同じように、泳いで、渡って、書いて、戻る。
それだけ。
何度目でもいい。
たぶん、まだ、いける。




