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永遠に巡る愛の果てへ 〜XANA、理想郷を求めて〜  作者: とと
第2部:リクとエリナ 〜新たな世界での出会い〜

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幕間:名もなき魔物

 あつい。

 きょうも あつい。

 からだのまわりのけが、なくなる。ごりごり、がりがり。いたい。

 それ、きらい。


 でも、いつもおわると、あまいのみもの、くれる。

 のむと、おいしい。ほかのどれとも、ちがう。

 でも、おいしすぎて、からだのなかが、もやもやする。

 すぐに、けがまた はえてくる。


 それ、へんなの。なんで、またけがでてくる?

 でも、のみたくなる。くやしい。


 ……そのあまいのみもの、もってくるのは、「いちごどろぼう」。

 なまえはしらない。にんげんがよんでた。

 ボクには、なまえがない。けど、「らふくま」って、いってたことがあった。

 それ、たぶん、にんげんがつけたなまえ。


* * *


 あるひ、もりに、にんげんがきた。

 さんにん。まわりをきょろきょろみる、しょうねん。

 ぴかぴかしたかみの、しょうじょ。

 それと、ちょっとおおきい、こわそうな にいちゃん。


 また、けを とりにきた?

 そうおもって、ボクは がおーってやった。

 でも、そのとき。


 ひかりが、みえた。しょうじょから。


 わからなかった。あたたかくて、どこか なつかしい。


 ボク、うごきをとめた。

 こわくなって、にげた。


 それから、ちょっとして。


 「……まろぼっとにきいてみよう」


 と、おもった。

 でも……「まろぼっと」って、だれだ?

 なんだそれ? なんで、しってる?


 あたまがいたい。もやもや、もやもやする。


* * *


 くらい、ところ。

 なにか くろい おもいが からだに しみこんできた。

 うごきたくなる。こわしたくなる。ころしたくなる。


 だれもいらない。みんなきらい。しずかに、しずかに、ぜんぶけしてやる――


 そのときだった。


 あの、ひかりが、また あらわれた。

 しょうじょだ。まえよりも、もっと つよく、あかるく。


 あぶない。

 やられる。

 しぬ。

 そのひかりが。


 ボクは、うごいた。


 ボクは、そのまえに たちはだかった。


 なぜかは、わからない。

 ただ、やっちゃいけない、っておもった。


 どん、と、おもいおもい いたみが からだにきた。

 でも、こわくなかった。


 しょうじょが、さけんでる。

 なみだをながしてる。


 そのなみだのなかにも、ひかりがあった。

 なつかしい。

 しってるきがする。

 でも、おもいだせない。


 ――ああ、まだ……

 このひかりと、ふれあいたいなぁ……




 「グルル……」


 (ふふ……、まるがりーた……ってなーに?……ピザの……名前……みた……い………)


 私は、目を とじた。


* * *


 だれも おぼえてなくていい。

 なまえなんて、いらない。

 でも、また であえるなら。


 こんどは、ちゃんと――――――

「読んでくださって本当にありがとうございます。

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