灯された燭台
着替えた服はどこかウェインを彷彿とさせるような、少し露出が高いような…と不安になるような衣服であったが、ピッタリなのが幸いだった。
カツカツと足音を立てながら薄暗い廊下を歩いていくと1つの扉から光が漏れていた。
その中から話し声が聞こえるのでおそらくここにみんながいるのだろう。
中に入るのを躊躇しているといきなり扉が開きウェインが顔を覗かせた。
「なんだ、そんなところでぼーっと突っ立って。早く来い。」
「あ、はい!!」
ウェインに導かれるまま部屋に入るとシトリーは恭しく机のそばに立ち、クレイグは椅子にもたれかかり足をテーブルにあげ、退屈そうにあくびをしていた。
「おや、とても良くお似合いですわ」
シトリーは微笑みながらカチャカチャと紅茶の用意をしている
「お!!めっちゃ似合ってんじゃ〜ん!!!」
がちゃん!!!と椅子から飛び上がり、嬉しそうにクレイグが駆け寄ってくるとセイラの手を取り楽しそうにクルクルと回り出した。
ウェインはそれを興味なさげに一瞥した後自分の席に座った。
「セイラ様、クレイグ様、紅茶が入りましたよ。」
シトリーが二人を席に誘導するとクレイグはパッと手を離し大人しく自身の席についた。
それを追うようにセイラもシトリーによって引かれた椅子に大人しく座る。
しばらくみんな無言で紅茶を嗜んでいたが、カチャ、とウェインが紅茶をソーサーに置いた時、空気が変わった。
「では、戦争の話をしよう」