第5話 初めての狩り
「てなわけでウルフを狩りに行くぞ!」
「えぇ!?」
師匠から説明はされたが、いきなり過ぎてビックリする。
剣術をまだ、そんなに深く習ってない俺にウルフの討伐なんて俺に出来るのだろうか?
「大丈夫だ、ウルフくらいなら今のライアンでも倒せるよ」
師匠は俺の表情から察したのか励ましてくれた。この人が言えば勝てると思ってしまう。
「分かりました、頑張ります」
「おう!」
そうだ。ウルフを討伐して、おじさんに認めてもらいたい。そして、師匠から、もっと剣術を教わりたい。
小刀を装備して、俺と師匠は森の中に入っていく。
森の中は静かで不気味だ。俺は師匠の後ろを着いていくと師匠が止まった。
「どうかしたんですか?」
「んっ」
師匠は指を指したので、その方向を見ると鹿が食い荒らされてた死体があった。
食い荒らされて、まだ新しい。近くに居る。そう思った次の瞬間、隣の草から隠れてた一匹のウルフが俺に噛みついてきた。
「うぁっ!!?」
ウルフに押し倒され、噛まれそうなのを何とか守ってる。
師匠の方を見るがただ、腕を組んで見てるだけだ、
「たっ……助けてください!」
「いいのか? 私が助けたら試験は失敗だぞ?」
そうだ、助けられたら試験に失敗して、師匠が剣術を教えてくれなくなる。
でも、このままじゃ、いつか押しきられて死ぬ。
「……死ぬ?」
俺はこれよりも辛い経験をたくさん味わったはずだろ!
こんなことで死なないのは俺が一番、理解してるはすだ。
「っぁぁぁ!!」
力でウルフに押し勝ち、今度は俺がウルフを押し倒した、ウルフは仰向けになり、こっちが有利だ。
ウルフの喉に小刀を突き刺した。数秒、痙攣をした後、動きが止まり死んだ。
「はぁ、はぁ、勝った」
俺は仰向けになって呼吸を整える。
「お疲れ」
師匠が俺に水筒を渡してくれた。
「ありがとうございます」
水を飲み回復した。
「すごいぞ、よくウルフを一人で討伐したな」
「いえ……もっと、強くなって今度は余裕を持って倒したいです」
ウルフは最低ランクのモンスターだ。それに対して、こんなに苦戦するようでは、まだまだ鍛練が足りない。
「あぁ、依頼は達成したんだ。ビシバシ鍛えてやるからな」
「はい!!」
その後、ウルフの死体を持ち帰り、おじさんに見せるとかなりビックリしていた。
その日の夕飯はウルフの肉で豪勢な食卓だった。俺は食べ終わった後、椅子に座ったまま眠ってしまった。
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「眠ったな」
「あぁ、依頼は達成したからいいよな?」
「もちろんじゃ」
………まさか、本当に勝つとは思わなかったわい。
「どんな手品を使ったんじゃ?」
「俺の教えがいいから」
教えがいいやつはぶっつけ本番でウルフと戦わせないと思うのじゃが………。まぁ、こいつが師匠になるなら話さなければならないことがある。
「そうか、なら、聞いてほしい話がある」
「何だ?」
「ライアンの過去についてじゃ」
「………本人の許可なしに聞くのは嫌だぞ?」
「師匠になるなら聞いてほしいことじゃ」
わしの真剣さが伝わったのか、頷いてくれたわい。