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ロイドアンドメイド  作者: 雪水湧多
9/16

ロイド邸への疑惑

『はい、今日もやってまいりましょう!ウォースタン国家放送の娯楽番組、カルティノ。今日は飛び入りゲストがやってきています。なんとワタクシの本業であるロイド&メイドの新入りメイドです。どうぞ。 どど、どうも、め、めぐです。 はは、緊張しているみたいです。ロイド&メイドでは保護した女の子を社会復帰させる活動をしています。そして一人前のメイドになり、私のように人手不足などで困っている人に派遣してもらうにはある程度経験を踏む必要があるんですね。その経験のために新人ちゃんは一人前のメイドに随伴することがあります。今回はそれで来てもらいました。そうだね、せっかくだし少しここ最近の出来事とかどう? 出来事・・・?ですか、あーえっと、さっきカフェのマスターさんに褒められました。 そっか、よかったね~って私もその場に居たんだけどね。さてそんな可愛い可愛いメイドさんが給仕するメイドカフェ、ロイド&メイドにぜひいらしてください。みんな~めぐちゃんに会いに来てね~すっごく可愛いよ~。それに私が給仕するときには店内ラジオが聞けるかもしれませんね。さて、さっそくコーナーを始めましょうか。 はい、これ読んでみて。 えっとこれ、ですか。えっと、うぉーすたんの休日・・・』


「なぁ、キョウカさんや。最近働きだした子を知ってるかい?ほら、あのセミロングの犬みたいな子」

「犬か・・・それで探偵、犬と事件が関係あるのか?」

「あら手厳しい。僕はただ花の影もない君にどうかと思ってね。いや、花はあるけど眺めているだけ、かな」

二人はよくこのロイド&メイドで事件について話し合っている。片や探偵、片や謎の男。一部のメイドで不思議に思われている二人である。

「すみませーん、めぐちゃーん紅茶もらえる~?」

「はーい、今行きます」「この前のラジオ聞いたよ、緊張していても可愛いね~」「あ、ありがとうございます」「そういえば最近~」

当たり障りのない会話をして探りを入る探偵。キョウカは眉一つ動かさず聞き流す。お互いに信用しているのか、そもそも初めから興味がないのか人により受け方は変わる二人だ。

「たまき、コーヒーのお代わりを」

「承知いたしました。キョウカさま」

「え、えっと、お二人はどのような関係でしょうか?」

めぐはちょっと変わっているとはいえキョウカは一般客に過ぎないのに、カフェのメイドの中であまり見かけないメイドと一緒にいるのを見て不思議に思った。いや、厳密には少し違う。餅を焼いていた。

「あー、僕とキョウカくんの」

「えっとごめんなさい、たまきさんとキョウカさんの関係です」

「・・・ただの友人だ」「そうです友人です」

「本当でござるかキョウカどの~」

「うざいぞ、めぐ僕はいいから他のお客のところに行ったらどうだ?」

「は、はい」

「あっちょっと、めぐちゃん、聞きたいことが」

しょげて二人のテーブルを去るめぐを探偵は止めた。

「何でしょうか?」

「君はここがカフェになる前に起きた殺人事件について知っているかな?」

探偵は口をゆがませて笑う。メイドを掌で転がせたことが楽しいというちょっと変わった性格。おかげで友達は少なめ。色々面食らっためぐに探偵は続ける。

「数十年前に起きた一家殺人事件さ一応解決はしている。でも謎が多すぎるんだ、僕はこの事件の追っていてね、どうかな何か知らない?」

「そ、そんなことがあったんですね。知りませんでした」

めぐは心底意外だったと目を丸くした。特に興味なんてなかったが、探偵の一言でめぐの考えは一変した。

「そうかい、なら他のメイドさんたちはどうかな。ちょっと聞いてきてくれないかな。お礼はするから。そうだ、なんでメイドさんたちはみんな記憶喪失なのかな?僕はそこも引っかかっているんだ。もしかしたら事件と関係あるかもしれないからね」

「えっ・・・?みんな・・・?」


 日記はここでいったんの区切りを迎えていた。この先はどうやら別のことについてつづられているようだった。ここまで読み進めてわかったことはいくつかあり、過去に調べていた時以上に情報を手に入れた。


1。ここでは身寄りのない子をメイドにしていた。

2。そのメイドをカフェで働かせていた

3.メイドを派遣することもあった

4。めぐは愛すべき馬鹿な新人メイド

5。身寄りのない子全て記憶喪失など、このロイド邸には裏がある


まとめたことをメモ帳に書き記し、日記を読み進めた。

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