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ロイドアンドメイド  作者: 雪水湧多
14/16

馬鹿でドジなメイドでも・・・

「・・・ありがとうございました・・・またのご利用をお待ちしています」

「お、おう・・・またね、めぐちゃん」

12番目のメイド、リジアの昇格があった日からめぐは落ち込みを隠せなかった。浮き沈みが激しいタイプだとめぐ自身と周りは理解してきたつもりであったが、今回く一週間と長く、マスターやもみじ、その他メイドたちも心配していた。見かねたマスターが休暇を与えたが反発し静止も聞かず出勤してしまったり、もみじがお出かけやお茶に誘っても迷う素振りなく断り自分の部屋に籠るか仕事をしていた。一応毎日出勤や休日出勤など労働基準法に触れるようなことはしなかったが、明らかな無理をしているめぐを止められる方法を周囲で探っていた。

「反抗期かな」

「違います・・・と言いたいところですが否定材料がありません。でも私に随伴したときでもあのような顔は見せませんでした。多少つらくても社員のためにと笑顔でしたよ」

「リア、それはむしろ黒いような・・・まぁそれはそれとして。めぐはここに来てまだ半年どころか3か月以内だ。ある程度性格は理解できたが他のメイドと比べると理解が浅いだろうね。もみじから見てどう思う?」

かしゃんと人数分のティーカップを置いたもみじさんはお盆を抱えて唸った。

「焦っているんじゃないかな」

「もみじもそう思うか、実は私もそう思っていたんだが一週間も続くだろうか。あのめぐが。失敗しても笑顔で大丈夫ですと返す、あのめぐが」

リアが目を細め訝しんだがおおむね同じ考えらしく、しばらくしたら考え込んだ。本人に聞いてもおそらく定型文で返されるだろう、他の理由を探るがそれらしいものはなく3人の議論は平行線たどっていた。マスターやリアが「やはり反抗期・・・」「マスターが井戸とかつまらないネタするから・・・」などとぶつかりそうになるもその都度もみじが「お互い様」となだめていた。

しかし議論とは関係なく状況は一変した、原因は1日後のカフェの閉店時に突然現れた。

カリーナの前に来た7番目。ロイド&メイド最大の異端児。

「来ちゃった。もう、それはそれは我慢できなくて。もう、限界なの早く、早くあの子をだしてマスター・・・」

「ヴァイオラ ・・・帰って来たのか。あの子って・・・」

「マスターお客様ですか?」

「うっはぁ~」

閉店準備をこなしていためぐにヴァイオラが近づき、めぐが後ずさりしても距離を詰め、逃がさないとめぐの腰に手をやる。

「いただきま~す、んっあ~ん」

「っ!!」

ヴァイオラはめぐの口にキスをした。口だけでは物足りないと舌を入れ歯や舌を貪る様は痴女だがヴァイオラの完璧に手入れされたボディや細部までこだわった化粧によりイメージ的には魔女を彷彿とさせた。そう、魔女が少女の若さを奪う構図に見る者には映ったのだ。

「んっ、ちゅ、あ~ん」

「んっ?!?!?!?んんっ!んんんっ!!」

傍から見ればただ一方的に思いをぶつけているだけの淫行なのだが、劣情を催しているわけではなく相手を知りたいという好奇心で、めぐのファーストキスを奪った。

強引に舌を入れひとしきり口内の感触を味わった後、唾液をまだ足りないと言わんばかりにヴァイオラが奪っていく。強引に奪われたこともありめぐは涙を流してしまうが構わず続け、気づけばめぐの足は抗えない快楽に打ち負け力なく震えていた。時間にして3分ぐらいだっただろう、周りは呆気にとられ止めようにも目の前の出来事を受け入れられずにいた。

ただ一人を除いて。

「あ、あうあ、ああっ・・・」

「こんなものかしら、うんマスター。この子いい子ね。ほんと怖いぐらいに」

「・・・ヴァイオラそこまでにしてもらおうか。いきなり来てうちの大事なメイドが使い物にならなくなる」

いつもの気さくな老紳士ではない雰囲気で、殺気をまとったその姿は鬼のように禍々しく周りのメイドたちが思わず後ずさりをしてしまった。いつものマスターとどちらが本当のマスターなのだろうか。もみじにしかわからない。

「マ、マスター?落ち着こう?ね?私は、ほら、いつも通りの挨拶をしただけで」

「いいか、次はないぞ」

「はう、じゃない。はい」

ヴァイオラを一瞥した後、マスターは各メイドに的確に指示を飛ばす。

「もみじもぐを医務室へ頼む。お客様がいないのが幸いだったな。リア、ヴァイオラを地下室に。たまき以外のメイドはもみじの手伝いを。ヴァイオラ、君には後で聞きたいことがある」


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