表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロイドアンドメイド  作者: 雪水湧多
10/16

初めての外仕事!

リアにカフェの仕事を丁寧に教えてもらう、めぐだったが肝心の仕事ぶりは順調と言えず落ち込むこともあった。その度もみじとマスターのカフェオレに慰められ、少しばかりの助言をもらって七転八倒しながらも仕事を覚えていた。主な仕事内容はめぐ持ち前の明るさを活かし、接客だった。忙しい時には厨房の方を手伝っており、新人ながらもよく働いていた。時折お客さんにコーヒーをかけてしまうなどの粗相が目立ったがおおむね問題はなかった。

「それでは行ってきます!」

「はい、いってらっしゃい。気をつけてね」

数日後。リアが派遣される日にめぐは同行することになった。派遣先はある会社の代理秘書。本来の秘書官は産休で長期間不在、会社も人で不足らしく猫の手を借りたい社長が目を付けたのが、ロイド&メイドの出張サービスだったとのこと。

「めぐ、今回の仕事内容は覚えているかな?」

「はい、シラギク社の秘書ですね。具体的にはえーと、あ!スケージュールの管理!あと・・・」

「スケジュール管理、文章作成、来客対応が頼まれた主な仕事内容ね。他にも細かなことを頼まれるかな。シラギク社の社長にはめぐの事が同伴することを許可を得ているからといって、この前みたいに注文を間違えたりしないように」

「はい・・・頑張りますぅ。そういえば、リアさん」

「どうしたの?なにか不満でも?」

「あの、メイド服のまま行くんですね・・・なんかすごい視線を感じますよ~」

「もみじ様がデザインしたメイド服ではいけない?メイド服ではなく単にめぐとの相性がよく、格段に綺麗に見えるからだよ。それに、お店の宣伝になるし」

「そんな、ことないですよ・・・」

「どうかしら、さっきからめぐを見る視線は男性が多いと思うわ」

確かにめぐを見る視線は男性が多い。しかしそれ以上にリアが女性の視線を総なめしていた。しかしリアが謙遜ではなくそのことを知ることはない。確かに人の気遣いはできるリアだが、視線には疎いようだった。めぐは完璧な人などいないことを悟るのだった。

「ここですね」

「ここがシラギク社。なんか、イメージと違ってなんかボロい?」

「そうは言っても、ココは老舗の呉服屋。もみじ様が何度かお世話になっていると聞いてるわ。あまり粗相のないようにね」

「はい!」

「返事だけは満点っ」

「はい・・・」


リアは慣れた態度で客間まで社長自ら案内され挨拶を済ませて細かい契約の内容を聞き注意点を告げた。一連の動作は流石ロイド&メイドのメイド長といったところだろう、礼の角度からつま先の方向まで何度やっても同じ角度。場合によっては角度を変えることもあるがそれでも、礼儀作法は美しく、誰が見ても不快にならない作法はめぐの心を動かすのにそう時間はいらなかった。

「ここのスケジュール少し無理がありますね、こっちの空いてる人を回しましょう。あと、めぐは次の会議の書記をお願いします。かなり短い時間で話し合うと思うので書き漏らしがないように」

「はい!」

「リアさん、この在庫なんですが・・・」

「はい、えーと。かなり余ってますね。別の取引先がないか探してみます。確実に取れるわけではないので在庫を減らすようなアイデアを考えてもらえませんか?」

「めぐさんちょっとこっちの書類整理手伝ってくれない?」

「はーい、新しいお茶っ葉を入れたら行きます!」

感化されためぐもお茶出しなどカフェでの応用のような仕事をリアから任されなんとかこなしているうちにあっと言う間に一週間が過ぎた。

「いやぁ、助かりますよリアさん。一週間だけでなく、どうです?このままうちの秘書になりませんか?」

会社の前で名残惜しそうに社長は二人に挨拶をした。この一週間でシラギク社の売り上げは先週に比べ2倍に膨れ上がった。それもリアが全社員のスケジュールと作業量を把握し適切な取引先をピックアップした結果だ。この短期間で会社全てを掌握したと言っても過言ではないほどの働きぶりだった。

「ありがたいお言葉ですが、私はあのカフェでメイド長を任されている身。申し訳ないですが、お断りさせていただきます。ご期待に沿えず申し訳ございません」

「はは、そうですな。では、報酬だけでなく何かお礼をしたいですな。カフェの主に」

「それでしたら、お店で一杯飲んでいただくだけで結構ですとマスターからお言葉を預かっています」

「ははっ、ここまで読まれてましたか。これはもう完敗ですな。めぐさんもありがとうございます。新人だからと心配していましたが杞憂でした」

「そんな私褒められるようなことなんてなにも」

「謙遜するな、めぐ。私も全てめぐがいる前提でことを進められた。ほんとうに助かったよ」

「ほんとですか!ありがとうございます!」

「ええ、本当ですとも。めぐさんの仕事ぶりもそうですが、その容姿に惚れる社員がちらほら見えるほどで。こんなものを預かっていますよ」

社長は小さな封筒と大きな袋ををめぐに手渡した。めぐは不思議そうに受け取ると、社長は「ぜひカフェに帰ってご覧になってください。社員一同の気持ちです」と笑顔だった。

「ありがとうございました、またのご利用をカフェのメイド一同お待ちしております」

「お待ちしております!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ