プロローグ
──青春ラブコメ。
これは、誰もが一度は憧れたことがあるのではないだろうか?一目惚れからはじまる甘々な恋や、部活や幼なじみなどがきっかけの恋など、種類や形はさまざまだ。
それらの中で私が憧れを持つのは、ラノベ主人公の青春ラブコメ…つまり、波乱万丈のある青春ラブコメだっ!(ドヤ顔)
ここで一つ言わせてもらおう。私は少女漫画のような、砂糖のように甘々でイチャイチャな恋などに一切興味はない。もう一度言おう。こんな恋に興味など一切ない。(大事なことは2回言う)
あんな妄想物語のどこがいいのだろう。壁ドンや顎クイをされてトキめくなんて、どこまで平和人なんだ?こんなのすべて偽りに決まってる。本物の恋なんかじゃないぞ。(※あくまで個人の意見です。)
こほん、少し熱くなってしまったが、こんなふうに私はラノベの青春ラブコメに憧れているわけだ。そして、ことしの4月から晴れて高校生となる。もちろん条件は揃っている。誰でも入れるような偏差値の低い高校──こういう所だからこそ荒れやすいのだ──だし、幼なじみや中学の友達など誰一人いない──ゼロからの友達作りも大切なイベントである。決して友達がいないわけじゃないからな──し、私は流行りの服よりゲームやラノベ、アニメが大好き──これでこそラノベ主人公──である。うん、我ながら本当に完璧だと思う。
あぁ!なんて素晴らしいんだ!来週から私の憧れが叶うなんて!楽しみすぎるっ!!!
ワクワクを抑えきれないまま時間は過ぎ去り、ついに前日となった。