第3話 忍術を学ぶ
10歳になった。俺たちはもう子供扱いされる事はない。これからの2年間で忍びとして生きていけるかどうかが決まる。12歳になったら忍びとしての初めての試験があるのだ。それに落第したら、今までの記憶は全て消され、この世界の何処かに捨てられる事になる。何処に捨てられるかは解らないし、捨てられたモノがどうなったかなんて話は聞かない。聞かないと言うより言えないのかも知れない。つまりは・・・・・・なのだろう。
忍術の修行は主に二人の先生が教えてくれる。
その二人とは、入学したときにいたおっさんとおばさんだ。
このおっさんはスケベじじいなんだけど、忍術のスペシャリストでこの忍び社会の頭領なのだ。スケベだが。常に【くノ一】のケツを追いかけては殴り飛ばされ、おっぱい大好き~って叫びながら【くノ一】に迫り、蹴り飛ばされていた。
ああいう大人にはならないでおこう。
授業でも大体女の話をしている。いつも口にするのは
「くノ一の理想的容姿は背がちっちゃくっておっぱいがボーンが好ましい。君達もそんなくノ一を目指すのだ!」
これには同僚の女子もドン引きしてる。特に瑠衣なんてそうだ。この子は背が凄くちっちゃくて、いつもエロじじいにちょっかいをかけられている。
実は俺も瑠衣の事が好きだからホントに気が気じゃなくなってしまう。
瑠衣も多分俺の事が好きなんだと思う。
じじいにちょっかいをかけられて、凄く嫌な顔をしている。で、チラッと俺の方へ困ったような顔をして見てくるんだ。
何も出来ない。何もしてあげられない。そんな自分に凄く腹が立つ。早く強くなって瑠衣を守ってあげたい。そう強く思った。
俺たちはよく夜中に部屋を抜け出して二人で星を見る。こんな時間があるから俺はどんな修行にも耐えられた。いつまでもこんな風にいられたらなと思う。
忍術の修行も過酷なモノだった。忍術とは体内にある【忍気】といわれるものを練り上げる。大体へその下辺りにその気が集まるのだ。それを一気に練り上げて体外に放出する。
忍気には色が付いていて
火遁は赤
水遁は青
土遁は黄
風遁は緑
の忍気を練らなければいけない。
俺は4色全てを練り上げられるが、他の同僚は精々2色だった。
瑠衣は赤。火遁しか練り上げられなかった。それでも威力はかなりなモノだったので、回りのみんなは瑠衣の凄さに一目置いていた。
忍気というのは人それぞれで練り上げられる量(忍気量)が異なっていた。しかし、それは訓練によって増量する事が可能だった。その方法とは、忍気を全て出し尽くす事だった。でも、忍気を全て出してしまうと必ずみんな気絶してしまうのだ。なので毎日毎日みんなヘトヘトになっていた。
この2年間はこんな事や戦闘訓練ばかりの日々であっという間に月日が流れた。
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