第6話 交易所
街の中心部にある巨大なドーム。
その周辺に行列ができている。人々は魔獣の肉や毛皮、あるいは発掘してきた遺物を手にしており、列の先には、ドームの中と外との交易所があった。街の人々は、持ってきた品物を穀物や野菜、動物の肉や卵と交換していく。中には、シューが持っている鉾のような武器を受け取っている者もいた。その様子を興味深そうに見ているアリに、ビドゲルが説明する。
「帝都でも同じような仕組みになっていますが、規模も違いますから、ドームの内外があることを知らずに過ごしている者も多いでしょう」
シューたちの番が来て、持ってきた品物と交換したい物を告げる。中の人々は防護服のようなものを着け、持ち込まれた品物を確認し、消毒して仕舞いこんでいく。シューがアリに耳打ちする。
「あいつらは俺たちを人とは思っていない。だから、あんな服を着て対応するのさ。絶対に魔獣の肉には口をつけない。食べてしまえば、俺たちと同じ化け物になると思っている」
「まあ、それも仕方ないでしょう」
と、同じく小声でビドゲルが言う。
「ドームで生産されている食べ物は外では作れないし、動物だって外では生きられない。生態系が違うのです。世界が違う。実際、彼らと私達は、ほとんど別種の生き物です。
私のことは言わずもがなですが、シューの戦い振りを見たでしょう? あれだけの動き、中の人々にはできない。第三世代と言われる世代の中には、シューのような異常な力を持って生まれる者が増えています。
主食が魔獣の肉であることと無関係ではないでしょうね。この世界で生き抜くために、私達は進化しつつある。彼らはそれを認めず、ドームの中に引き籠っている。昔はシェルターと言ったそうですがね。元々、同じ人間でしたが、長い時を経て、種として分かれつつあるのです」




