第43話 エピローグ
ああ、夢か……。
カザは暗がりで目を覚ました。薄汚いアパートの一室だ。長い夢を見ていたような気がする。床で寝てしまっていたのか、身体の節々が痛い。
今日は確か、新しいテーマパークの開園初日か。パレードが名物だというが、人ごみの中、わざわざ見に行く連中の気が知れない。
二度寝しようとしてベッドに横になった。
目を瞑って、うとうとしかけた時、訓練でしか聞いたことのない緊急呼び出しボタンが鳴り始めた。誰かが、乱暴に身体を揺さぶってくる。
「ちょっと、早く起きなって」
不満げな声に目を開けると、ネスティが立っていた。生意気そうな顔と声は一緒だが背が低く、元々小柄な方とはいえ、まんま子供だった。
「うお、びっくりさせるなよ。あーあ、ちっちゃくなっちまったな。究極魔法の副作用か」
「今日は、テーマパークに連れて行ってくれるんでしょ。早く起きなさいよ」
「えー、大人のネスティも面倒くさいけど、子供でも面倒くさいな」
「はぁ? 誰が面倒くさいだって?」
と頭を叩かれて目を覚ました。かなり本気でどつかれたらしく、ずきずきと頭が痛む。今度こそ、本当に目が覚めた。
「やっと起きたわね。寝ぼけてんの?」
呆れたようにネスティが言う。
「今日は結婚式でしょ。さっさと支度しなさいよ」
「えーと、誰の結婚式だっけ」
「呆れた。寝ぼけてるなんて問題じゃないわね」
「えーと、俺とお前の結婚式とか?」
言った瞬間、顔を真っ赤にしながら、んなわけあるか!と殴られた。




