わたし、俺、ふたりでひとり。
こんちわー花の男子高校生改め女子高校生です。
いや、高校生という定義がここにはあるのかーって感じだけど。
あのあとひとしきりパニックになって、とにかく自分の姿を確認したいと水辺を探しまくった。
その途中で崖の上から畑、村、とおーおーくにお城!?が見えました。ハイ全くもって、家の裏山などでは断じてございませぬ。
そんでもってちょうどいい感じに川の流れが膨らんで溜まってるとこがあって、自分の姿をようやく見ることが出来たんだけど…
うん。髪の毛が伸びてる。
背中のわかめは途中からそうだろなって分かってたけど、俺の髪の毛。
顔も俺の面影を残してるけど完全に女の人のそれ。
つーか裸なのやばくね?
ペチャパイだけど完全に女の子じゃん。
ペチャパイ?
あれっこれ夢の中の女の人じゃん!!
とさっきまでの俺ご紹介でした。
もしかして夢を見てるのかなあ?とも思ったけど、足の裏は痛いし夢みたいに場所がどんどん転換していくわけでもない。
すごく意識しっかりしてるし。
そこから考えられるのって転生?とかかやっぱり。
あの女の人の世界に飛んじゃった(時空なんとかとかあるじゃん!)かと思ったんだけど、時間が経つにつれて、夢の中のあの懐かしい感じは「俺自身」だったからなんだと思い始めた。
俺達はなぜか2つに分かたれた。
こっちの彼女ははやく動きたくてもどかしくて、でも彼女だけじゃ不十分で、俺とひとつに戻ることで動けるようになるから呼んだんだ。
そのせいで俺は死んだけど…ま、あっちは偽物の俺だからいいか。
ニセモノ…の俺…?
あれ、なんで今そう思ったんだろう。
まあいっか、俺の女の人っぽさは彼女のかけらが残されていたからだったんだなあ。うん、そのせいそのせい。
自分を強引に納得させることも時には必要なのです。
さて、とりあえず村に向かってみよう。さしあたっては服をどうにかしよう。