宣言。
海斗は珍しく宿題をやっていなかったらしく、俺のを大急ぎで書き写している。
俺はそれが実は嬉しかったりする。
いつも助けられてばっかで何も返せてないからなー、俺。
あ…小林の目が痛い。痛すぎる。このままだと穴あいちゃう。なんで一緒のクラスなんだよーい。あっ…の野郎、隣のやつにボソボソなんか言ってる。笑いおった!ゼッテーほもほも言ってるよあれ。はあ。
そしてさっき撫でられたところが熱い。いや物理的にね?なんか今日、熱あるかも…
海斗に視線を戻すと、「海斗」を見てる女子と目が合った。
あー。やっぱり、これ距離とったほうがいいかも。
海斗の高校生活、潰す訳にはいかない。
放課後、海斗といつもどおり途中まで一緒に帰る。
俺は言わずもがな、海斗も部活はやってない。
というかうちの高校、あんま人数も多くないから部活自体が少ない。
卒業したら都会に出てやるううう!
そんなこと考えてる場合じゃなかった。言わねーとな。
ちょうど横断歩道も赤なので立ち止まり、すっと顔を上げた。悲しきかな、俺は160あるかないかなんだ…。
「どうした?ルー」
しらずしらず顔に暗い表情が出てたみたいだ。海斗が心配そうな声を出す。
「海斗、もう一緒にいるのやめよう」
言った!!
「…はあ?」
あ、海斗が見たことない顔してる。
マズい、めっちゃ怒ってるよこれ。
「なんでだよ、なに急に」
だって。だってさあ。
ぶっちゃけさっきのセリフを言うのにも精一杯だったから、泣きそうになる。恥ずかしい。こういうとこが女女しい。女男。小林のいうとーり。
俺の顔をみて、ため息をついた海斗が頭を撫でようとするーーー
「別れ話か、ホモカップル」
元凶のクソの声がした。