目覚めたらジャングル
少し肌寒い気温で目覚め、周りを見渡して鈍い頭を動かしたが、到底理解出来ない状況で寝ていた。
自身の身なりは短パン一枚でそれ以外は無し、更に回りはジャングルであった。
驚愕し、改めて自分の格好を見ると腰のベルト部分にポーチが付いておりそれは四次元ポケットのように武器や道具を収納できると自分は自覚していた。
「何故に!?」
思わず叫んでしまったが、知らぬ知識が自分中に在るのは気持ち良いものでは無く、
しかも自分の常識が通じない知識は厨二病だったら目覚めたとか言って無理くり理解しそうだが、
自分はそんな病気には掛かっておらず混乱の一途だった。
『何で裸?』
『何でジャングル?』
『なんなんだこの知識は?』
疑問だけが頭を巡り、現状の打開策を中々出そうとしなかった。
悶々とした時間がしばらく流れ、3分ほど時間が流れた頃だろうか取りあえずポーチを開けることに行き着いた。
そして、腰のポーチに手を伸ばし『ステータス展開』と知らないが知っている矛盾した知識で中身を調べた。
『おいおい、何なんだこの武器は!?』
ポーチステータスには、自分がインターネットのゲームで使っていた武器や防具が記載されており、
一部武器に必要な弾や薬といったものもカンストする位に入っていた。
取りあえず、本当に武器が有るのか興味本位でゲーム中によく使っていた武器を展開する為、武器の指定と召還を行った。
「展開、指定バハール銃」
そう言い、自分はポーチの中に手を突っ込み多分バハールの銃身を掴むと引き出した。
引き出された銃はゲームの中と変わらない大きさをしており自分が両腕で抱えなければならない程の大きさで、
且つ鉄の重厚さと装飾を纏いながらも出てきた。
「弾薬指定、通常弾」
更に、自分がそう言うとバハールに銃弾が装填された音がして、直感的にもう撃てる状態だと解った。
後は引き金を引けばたぶん、この銃はゲーム中でも無双とかチートと呼ばれた効果を砲身から出すだろう。
手が震えた。
好奇心で心臓が高鳴り、久しく忘れていた童心が蘇りそうだった。
そんな中で自分は、バハールに手を当てて取りあえず目に付いた樹木に対して引き金を引いた。
暴風雨と称される弾丸の雨が樹木に着弾し、自分程の太さがある木はどんどんと弾痕を残していった。
それでも自分は撃つのを止めずにいると、樹木は耐え切れなくなったのか折れてしまった。
たぶん、この銃は自分が映画とかドラマで見たマシンガンよりも強い威力をしている。
「やべぇ!チートキターーーーーーー!」
驚愕し、興奮しているとたぶん樹木が折れた衝撃で逃げ出した虫が飛んできて体に当たった。
カブトムシに近い虫だろうか、虫は体当たりすると方向を変えてどこかに飛んでいった。
そう言えば、裸だった。
自分はそう気が付くと、再度ポーチのステータス展開を行った。
・・
・・・
・・・・
服が無いです。
厳密に言うと有るんですが、着られないです。
だって、女性服しかないから・・・。