キララ「開かれる祭典」アキ「イベント開始」
これで一月最後の更新です。
Kirara「そうだの」
速いような遅いような……。学校も卒業まで指を折る程度ですね。
Kirara「気を抜かずにやれよ」
分かってます。それでは。
Kirara・Tsubasa「銀幕のあける舞台。さぁ、物語の始まりだ」
『夜の帳。今日も今日とて霊が騒がしい。だけど休んでいる暇などない。今日はわたくし達を見てくれている人達が集まってくれるのだ。わたくしたちが出るその前に一つ約束を。電波は霊たちを騒がしくするので電子機器は電源をオフに。動かれると霊と間違える可能性があるので現在お手洗いに行きたい方は今いってください。途中霊現象により気分が悪くなられた方はすぐにお近くの使用人にお声をかけてください。それでは大和怪伝、不思議の披露宴。開始です』
ナレーションであるこの大和怪伝の主人公の声が鳴り響き暗かった開場に光がさす。そして鳴り響く音楽と歓声の声。
『大和怪伝シリーズ。主人公、黒木鈴乃役花咲加奈ー!!』
先ほどのナレーションから男の人のナレーションに変わり今回のイベント出場者を紹介する。よりいっそう歓声が上がり後方にあてられたスポットライトの行方を追う。
「わたくしの前に現れたからには必ず滅する!!」
手を上げてみんなの視線を集めながら鈴乃のセリフを言う花咲さん。その花咲さんが表れたのはなんと俺たちが座る席の真横にある通路の真後ろ。そして通路を歩き檀上を目指す花咲さん。ファンたちの手に触れながら笑う。その中にはもちろんミユキに天音ちゃん、キララのものもあった。ちなみに席順もこのとおりでキララの隣に俺が座っているためキララまでしかぎりぎり手は届かないのだった。
「ミユキ、このこと知ってて?」
次の出演者の名前が呼び上げられ俺たちの座る席とは逆方向の通路をゆっくりと同じように歩いていく。
「うん。大体大和怪伝のイベントは出演者が後ろからでてくんねん。やから劇場の通路の場所と今までの傾向とか調べたらどこから出てくるかわかんねん」
すごい研究力だ。結局は賭けになるようだがそれでも今までの傾向を調べているのでかなり分のいい賭けなのだろう。
読み上げられていく出場者たち。二つの通路からは交互に出演者が表れる。
「すごいな」
俺はみんなの熱気に圧倒される。和風系のアニメであり主人公鈴乃が普段は着物を着ていることとからか一部の―――まあはっきり言えば和服フェチからの人気も高い。
「あっ」
先ほどから一言も発してなかった天音ちゃんが声を漏らした。みるとこのアニメでは珍しい男性キャラが登場していた。その男性キャラの声優さんが俺たちのいる方の通路からやってきた。
キラキラした目でその声優さんを眺めて手に触れる。その声優さんも幼い少女を見つけてかびっくりした表情を一瞬だけしていた。
そういえば天音ちゃんが買っていたクリアファイルやその他のグッズもこの男性のキャラクターだった。その男性が過ぎてから天音ちゃんに話しかける。
「あのキャラクターが好きなの?」
「う、うん」
少し恥ずかしそうに頬を染めながら天音ちゃんは頷く。その目は心から好きそうなドキドキした目でその声優さんを眺めていた。
学校終わったら執筆に専念したいと思いながらも色々やりたいこともある。
Kirara「なにじゃ?」
まあ、うん。遊びだけどさ。大学入る前に羽を伸ばそうかと。
Kirara「…………」
ちゃ、ちゃんと執筆もしますから!!きょ、今日はここまで!!
Kirara「仕方ないの……」
kirara・Tsubasa「encoreのその先へ。拍手が続く限り」




