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中二病ってなんですか!?  作者: 椿ツバサ
過去の行い、今の過ち~交差する二つの時~
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キララ「光への道へ」アキ「第一作戦」

年内最後の更新です。

Miyuki「なんでシリアス編で年またぐかな」

すいません。後1,2話っていうのであるなら年内更新するんですけどね。

Nana「つまりはまだまだ続くっていうこと?」

そうだね。

Kirara「まあ、よかろう」

なぜこの章をここに入れたのか。ただ、ここに入れるしかなかったともいえます。時系列的に。

Miyuki「そうなん?」

うん、そうだよ。それでは。

Aki・Nana・Kirara・Miyuki「銀幕のあける舞台。さぁ、物語の始まりだ」

先生コンビと軽く世間話をしたあと、俺は家に戻った。喫茶店に向かっている途中、ナナが家に来ているというメールをキララからもらっていた。

「ただいま」

俺は室内に呼び掛ける。帰路についている間にプランを練り直していたが、まだ結論に至ってなかった。

俺の声に反応するものがいないのでゲームでもしているのかなと考える。そして、その予想は半分的中していた。ゲームをしていたのはキララとミユキ。ナナはそんな二人をソファーに座ってぼんやり眺めていた。

「あっ、アキお帰り」

「おう」

こちらに気づいたナナが声をかける。そのナナの瞳の下に隈が薄く小さくはってあった。

「なに?」

俺が顔を見ていたのが気になったのか訝しげに声をあげる。

「ああ、いや……。昨日眠れなかったのか?なんか隈出来てるから」

「えっ?あっ、うっ、うん。少しね」

「そっか」

昨日が命日……もしかしたらそれを気にしていたのかもしれない。一回忌のときに比べればマシだがやはり、来るものがあるのだろう。

「アキはどこいってったの?」

「あー……、心晴ちゃんと笹原先生と、少し話してた」

その言葉に大きく反応したのはキララだった。ピクリと肩を揺らし注視していたゲーム画面から俺に目を移す。

「なに話してたの!?」

「えっ、あっ、いや……まあ、なんだ。色々と、キララのこともな。別にキララの悪行は聞いてない」

世間話の中にはキララたちのことも含まれていた。嘘ではない。

「なら、よいが……のぉ!?」

「そりゃ、ゲーム中によそ見したらやられるよな」

ミユキは得意気な顔でキララを見ている。少しゲーム画面を覗いてやると三本勝負の三本め、つまりは勝敗が決まる位置の勝負だった。

「貴様にはスポーツマンシップというものがないのか!?」

「普段の行いが悪いから招いた結果ではないかしら?わたくしには理解できませんが」

「ふんっ。所詮貴様はズルをしなければ勝てない雑魚ということかの」

「自らのミスと怠慢を棚にあげるような人に言われたくありませんわね」

どんどんヒートアップしていく二人。あと、遅いがスポーツマンシップって、スポーツじゃねえだろ。

「たくっ。そこら辺にしとけよ」

俺は二人を牽制する。時間を確認すると昼食作りにほどよい時間。

「ナナ、なにが―――」

いいかと聞こうとして口を閉じる。俺と一緒にキララたちを見ていたと思っていたのにいつのまにかナナは眠りに落ちていた。

そこら辺にあったブランケットを手にしてかけてやる。今さらだが俺とはいえ男のいる家で無防備なやつだ。それだけ、俺を信用してくれているという事なんだろう。

そう思うと、ナナに現実を突きつけるというのはあんまりにも酷で、それでいて俺しかできないのかと思い、少し胸がいたんだ。






昼食は家に冷や飯と、卵があったのでそれにソーセージ等を入れてオムライスにした。十二時を少し過ぎに、ナナを起こして四人で昼食につく。キララとミユキはいまだに張り合ってはいるが、やはりというかミユキが優勢に立ち回っている。口のうまさは天下一品だな。そんな二人を横目に俺はそっと、眠気眼でオムライスをすくうナナに話しかける。

「今日、昼から空いてるか?」

「えっ?うっ、うん……」

「なら、ちょっと一緒にでかけないか?」

「どこに?」

「近くまで。別に場所としては大したところじゃないよ。ただ、一緒に来てくれないか?」

「別にいいけど。私だけ?」

「うん。いやか?」

「嫌じゃないけど」

「ならいい」

俺はオムライスをすくい口に含む。ケチャップライスの味が口内にしみわたる。ナナは不思議そうな顔で俺を見ているが、俺がどこにいるか言う気がないのを悟ってかそれ以上は追及せずに再びオムライスを頬張る作業に戻った。

とりあえず第一難関は突破か。まぁ、難関というほどでもない。恐らくこんな感じで話しかければナナなら押し切れると踏んでいた。

さて。ここからは不確定要素が大きくなる。ナナがおとなしく目的の場まで来てくれたらいいのだが、妙に聡いところもあるナナのことだ。そううまくいかないかもしれない。その時はその時だ。すでに手は打ってある。

俺は残り一口となったオムライスを流し込み皿を先に台所に持っていく。そして誰かに見られない内にすばやくメールを送信する。対策はこれで大丈夫。うまくいってくれ。

俺は心の中で呟きまだオムライスをすくっているナナを眺めた。

今年最後のちゅうなんいかがでしたか?

Aki「また中途半端なところで」

Nana「そうだよね~」

……すいませんでした。

Kirara「しかたいのお」

Miyaki「来年頑張りや」

はい。それでは、年内最後はこの挨拶で。

Aki・Nana・Kirara・Miyuki「have a nice day 貴方の一日一日が最高のものになりますように」

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