キララ「ロンリーメモリアル」アキ「二人いる部屋で一人」
今回はネタ少なめかも。
Miyuki「そうなん?」
というより、はっきり言おう。今回は伏線回だ。
Miyuki「ぶっちゃけたな」
うん。でも、大切な回なんでよんでください。
Miyuki・Tsubasa「神秘への旅立ち、案内しよう」
用意した夕食も、キララは殆ど食べてくれて、再び眠りについたのを見計らい皿洗い、ちょっとした洗濯などの家事を済ませた後、またキララの部屋で胡座をかき様子を見守る。
額にはミユキが気をきかして買ってくれた冷却シートが張られていたのでたまに身じろぎして寝返りをうとうがタオルが落ちるという事態は無くなった。
何度か読み直した本をまた読み終えた俺はパタンと閉じてスヤスヤ眠るキララを見る。
もしかしたら、昨晩から体調が悪く眠れなかったのかもしれない。だとしたら、もっと早くきづいてやるべきだった。
「………………」
そのまま視線を動かすと、あの下手くそな人形が目につく。
普段は気にしないが、こうして改めて見ると気恥ずかしさというものが現れてそれを手にとる。
「父さん。俺……」
小さく呟く。
人形に俺の指が食い込んで顔が変形する。
その変形した姿を無言で見ていたら綿が少し出ていることに気づき、一旦自分の部屋に行き裁縫道具をとりだしてまた戻る。
チクチクと布を縫い合わせていき人形をつなぎあわせる。
「できたっと……」
糸を切る。縫い合わせた場所が分からないようになっていて腕の上達を微かに感じる。
今思えば、服や人形を長らく作っていなかったことを思い出す。キララとミユキの誕生日に作ってやろうか?
ちょっと時間はかかるかもしれないがキララは地獄魔法少女の、ミユキは大和怪伝のキャラの人形なんかを作ってやれば喜びそうだ。
素人作であるのは変わらないし、製品化されているフィギュアの方が喜ぶかも知れないが……まあ、こちらの方が安上がりになるのは確かだ。家計にも優しい。
―――そう、素人作だし……。
「馬鹿馬鹿しい」
妙にセンチメンタルになってしまった。いつもは騒がしいのに今日に限っては静かで、それでいて色々と考えたり動いたりする体力も残っているのがそうさしているのかもしれない。もしかすれば、キララと少し過去の話をしたのも原因かもしれないな。
「ん?」
携帯のバイブレーションがおきて俺は携帯を確認するとメールが入っていた。
そこではじめて気づくがそのメール以外にも、俺が眠っているときにも来ていたことをしる。そのうち一件は俺が目を覚ましたのとほぼ同じタイミングだった。これの着信をしらすバイブレーションが俺を起こしたのだろう。
着信者の名前は順に心晴ちゃん、未来ちゃん、恵さん、そしてナナ。
最後のナナのものはミユキのことについても触れられていたが、その部分以外なら全員共通してキララの容体を気遣うものだった。
未来ちゃんと恵さんはナナ経由で知ったらしい。偶然今日未来ちゃんがナナにメールを送ってそれで、ということだ。
「悪いことしたかもな」ナナはともかく他のメンバーについてはすぐに返信を返さなかったことで余計な心配をかけたかもしれない。
メールに気づいていなくて返信が遅れたことを最初に詫びるメールを作成することにいそしんだ。
父親の存在が強く出たのは今回が初めてでしたね。
Miyuki「言われたらそやな」
前からちょいちょいはあったんだけどね。
Miyuki「きちんと回収できんの?」
伏線は……絶対回収してみますよ。うん。それでは、次回。
Miyuki・Tsubasa「親愛なる者たちへ、我らとまた会おう」




