キララ「悪意の波間」アキ「悪い奴もいるもんで」
この修学旅行編も九話目ですね。αβをばらして考えるなら十話めです。ですが、まだ、もうすこし続きます。
Aki「長いな」
だね。自分でもちょっと驚いてる。気がついたら長いことやってたな〜って感じ。
Aki「そう考えたら俺たち二ヶ月半ぐらい沖縄いるのか」
もはや、移住だな、これ。まあいいや。とりあえず、本編どうぞ。
Aki・Tsubasa「神秘への旅立ち、案内しよう」
あの後、無駄に体力を消費した後ナナに一発殴られてことが終決した。いまだにジンジンと痛む。
そして、体験活動開始。ビーチフラッグでは男女に分かれて勝ち抜き戦。俺は二回戦敗退、ナナは一回戦敗退、青葉は元の運動神経をいかして決勝三名まで残ってはいたが陸上部の子に惜しくも負けてしまっていた。といっても、優勝したところで特別景品があるわけでもないので完全なお遊びなのだが。
次のゴムボート体験。水上オートバイに引っ張られたオートバイはあちらこちらに引っ張られちょっとした絶叫マシン並みのボリュームがあった。青葉はキャーキャーと楽しそうにはしゃいでいたが、みんなでオールを持って漕ぐ、みたいなことを想像していたナナは顔面蒼白となり終了時には半ば意識が半分とんでいた。そこからしばらくはナナの介抱に時間をかけて気がついたら青かった空は赤い夕焼けに変わっていた。
そして最後のシュノーケリング体験。簡単な説明を受けて準備の時間。
「えっと……もうちょっときつめがいいかな」
俺はシュノーケルのついたゴーグルを微調整しつつライフジャケットや曇り止めを塗ったりを行う。
「…………皐月ちゃん、お願いできる?」
「いや、それぐらいできなよ」
何やらナナが青葉に頼んでいる。手元にはライフジャケット。うまく着れないんだな。
因みにこのシュノーケリングは五名一グループとなり一名のインストラクターに先導されるわけだが……。
さて、俺はまたナナ達と組んだらへんに妬まれるから別の男子グループにでも―――。
「…………」
OK。手遅れだ。ものすごい嫉妬じみた瞳が俺射抜いてるし。すごすごと元の場所に戻る。
「あれ?どうしたの、アキ?」
一瞬離れたのにまたすぐ戻ってきた俺に疑問の声を上げるナナ。ライフジャケットはどうやら青葉に着せてもらったらしくきちんと着れていた。
「いや、なんかアイツらんところ行きづらかったから」
「えっ……?あ、あぁ」
「ナナもタカッチもこれから大変だね〜。自業自得だけど」
「酷っ!!いや、助けてくれよ青葉」
「アタシ関係ないしね」
目をそらされる。はぁ……これはまた弁解が大変そうだ。
「まっ、今は楽しみなよ。そして、こうなることは皐月様が予想しておいたからすでにメンバーは集めておいたよ」
「おお。まじか!?」
「うん、昨日のうちにアタシのルームメイトに話つけておいた」
「へ〜、ルームメイトに……えっ?」
「だから同じ部屋に泊まってるメンバーにってことだよ」
「うん……それ女ってことになるよな?」
「そうだね。あーそっかー、タカッチへの嫉妬のまなざしが強くなるのかー。ごめんー、考えてなかったわー」
「分かってただろ!!」
ものすごい棒読み……。うぅ、逃げ場は、逃げは無いのか!!
―――結果。魚は綺麗でかわいかったです。ですが、魚だけでなく俺すらも見世物となってしまいましたが。
―――白由利家
「ただいまー、帰ったよー」
空がオレンジ色に染まろうとしているときにカギをあける音とともに夏喜が帰宅した。陸人は車を駐車場に止めに向かっていた。
「戻ったか」
「おかえりなさいませ」
リビングでテレビを見ていたキララとミユキがそれに答える。あの喧嘩、もといゲームの結果は結局つかず何度やっても引き分けか漁夫の利でNPCが持っていったりされていた。
「ふぅ……」
大きく息を吐く夏喜。その顔には少し疲労が混じっていた。そして、その時に料理のいい匂いがしていることに気が付く。
「……ん?」
「あっ……えと―――お疲れになって帰ってくると思考しましたので勝手に台所使わせていただいて料理を作らせていただきましたわ。事後報告となって申し訳ありません」
「おー、ミユキちゃんがしてくれたんだ。ありがとー」
「はうっ」
ミユキを後ろから抱きしめ礼を述べる夏喜。そのことに少しだけ嫌がったそぶりを見せる。もちろんそれは嫌悪からのではなく恥ずかしさから来たものだが。
「う〜んと……和食か〜―――うん、美味し」
味噌汁を軽く救って小皿にいれすする。和食といえば出汁から始まり出汁で終わるなんてことも言われたりするのだが、そのカツオ出汁がよくきいた美味しい味噌汁だった。
「話には聞いてたけどミユキちゃんは料理がうまいわね〜。ナナにも見習ってほしいわね」
苦笑気味に笑いながらミユキにいう。そのミユキの表情はどこか嬉しげで、それでいて何かを考えるようなさびしそうな顔をしていた。
―――そうか、ミユキちゃんのお母さんは。
夏喜が心の中で呟く。普段はそんな様子を見せないがやはり、ふとした時に母親の愛情というものをほしくなってしまうのか、ミユキはまさに夏喜を自分の母親と重ね合わせていた。物心もつかぬうちに他界してしまった母だが、それでも写真などで母親の顔はよく知っていた。
「ミユキ、ありがとね」
「えっ?」
唐突な呼び捨てに驚きの声を上げるミユキ。その見上げた先にあった顔はとても優しげなものだった。
「キララも、お留守番ありがとね」
「……ふむ、気にする出ない。我は少し部屋に戻っておる」
夏喜の意図を察したキララが部屋を出ていく。それを見送りながら夏喜は先程よりも強くギュッとミユキを抱きしめる。
「ミユキ、頑張ったね」
その言葉は料理についてなのか、それ以外についてなのか、その言葉からは憶測できなかったがミユキはその言葉に流されるように穏やかな表情を浮かべる。
「うん―――ありがと」
「料理も作ってくれて、うれしいな」
「別に―――別に気にせんで」
それは、ミユキの父親の秀とアキ以外に初めて使った、ミユキ本来の素のしゃべり方だった。
後半のほっこりかん。ずっと、Miyukiについては考えていた話です。てか、夏喜さん、まじいい人。
Aki「お前、一人で悶えてたもんな」
なんか、自分で書いて自分で満足しちゃったパターンです。
Aki「この作者……」
もう完結させたいぐらい。
Aki「オイ!!」
冗談です。例えば続きますからね〜。では、また来週。
Aki・Tsubasa「親愛なる者たちへ、我らとまた会おう」




