キララ「創造の思いで箱」アキ「フォトフレーム」
なんか最近唐突にイライラすることが増えてきた。
Aki「大丈夫かよ」
いや、執筆中は以外と大丈夫なんだけど勉強しているときやPCがうまいこと動かないときにたまにイラっと。
Nana「カルシウンム足りてる?」
たぶん足りてない。まぁ、そんなときは小説読み返したりしてるけどね。それでは。
Aki・Tsubasa・Nana「神秘への旅立ち、案内しよう」
朝食を食べ終え、二日目の朝〜昼にかけての活動は自分で選択したものに別れての体験活動。
あるものは農業体験だったり、沖縄の伝統工芸を観察したり……。ちなみに、午前の部と午後の部でそれぞれ一つづつ体験するわけだ。
俺はそれを受け、軽く悩んで結局午前は思い出の品にもなる珊瑚や貝殻なんかで飾ったフォトフレームを作ることにした。ちなみに、偶然にもナナや青葉、加え監督に日高先生もいる。監督といってもフォトフレームにそんなに危険は無いので人員点呼ぐらいだ。
「タカッチはどんなの作ってるのー?」
「俺……?あ〜、とりあえず適当に散りばめてるかな。全く同じ形の貝殻があるわけでもないからいい形の貝殻探すだけでも大変そうだからな」
頭に描いてもそれが実現できるかわかんないからな。確かに目の前には大量の貝殻や珊瑚があるけど、一つ一つ、色も違えば形も違う。好みのものを探すだけでも大変そうだ。
「ところでさ、センセーの様子みた?」
「えっ?……あっ、はは」
先生は誰よりも真剣な目付きで貝殻を選別している。それに持参したであろう鉛筆でなんか薄くフレームに書いてるし。ガチだ。
「やっぱ、思いでの地となる場所で、ってことだよね」
「まあな。フォトフレームだったらオリジナリティー出しやすいしね」
工芸品は素人がやったら結構似たり寄ったりになってしまうしな。その点フォトフレームは似せようと思っても難しいだろう。
「で……お前もお前でどうした?」
珊瑚と格闘中のナナに呼び掛ける。
「……うまくくっつかないの!!それに想像通りにいかないし」
珊瑚を片手に呻くナナ。その珊瑚にはボンドのあとが多量についている。確かに、つきにくいやつはあるけど……そこまでしてつかないもんか?
「ナナって不器用だよね〜」
「うっ……。苦手なんだもん。そういう皐月ちゃんはどうなの?」
「アタシはこんな感じ〜。今はボンドが乾いて完全にくっつくの待ってる〜」
ハイッと自分のものをみせる青葉。黄緑色の貝殻を基調に珊瑚や小さめの貝殻を散りばめている。所々に大きく隙間があいてたり寂しい感じがするのがまだ途中段階ということを表していた。だが、その段階でもナナとは天と地の差が空いてることがよくわかる。ナナのものは本当に適当に散りばめられてるだけで少しごちゃごちゃした印象を受ける。
「こうして青葉のと眺めてみるとナナの才能の無さが分かるな」
「う、うぅ。アキこそどうなの?実は苦手……ってことも無いよね……」
「これは始めてやるが最低でもお前よりはうめぇよ」
パッと自分のフレームをみせる。みんながピンクや青のフレームの色を選んでいるなか俺はあえて黒を選んでいる。それにはキチンと理由がある、
「おぉ〜。スゴーイ。アタシのよりもうまい」
「そうか?よかった」
「だよね……うまいよね……。にしても、これって」
「多分考えてる通りだ。モチーフにしたのは昨日の星空。フォトフレームに黒かあるのと白色の小さな貝殻をみて思い付いた」
上の方には小さな貝殻を基本にして下は海を現す珊瑚や青い貝殻でうめた。色には少しこだわったが形にこだわりをもたなかったから結構簡単にできた。
「う〜ん。やっぱタカッチみたくコンセプトを持った方がよかったのかな〜」
「俺も簡単にこんな感じにしようと決めただけだからな。まあ、先生のはすごいが」
チラリと先生を盗み見る。貝殻を手にしては吟味し戻すか手元に残すかを決めているようだ。
「あれは……すごすぎ」
「センセーどんなの作ってるんだろ〜?案外ハートとかかな?」
「なんかイメージわかねぇな、それ」
「むしろ二人の名前いれて繋ぎにハートマーク入れてたり」
「え〜。さすがにそれはないと思うな」
「ああ、それは……ちょっと」
「わかんないよ〜。プライベートではむっちゃ甘いたがりだったり」
「クスッ」
「ハハッ」
それは面白すぎる。と、笑ったとたん。
「小鳥遊、白由利、青葉。お前ら学期末の成績楽しみにしとけ」
「「「聞こえ!!―――ごめんなさい!!」」」
三人の声が重なり先生にたいして頭をさげるのだった。
―――倉崎家、未來の部屋
「んー……暇だな」
ベッドの上でクッションを抱きゴロゴロと寝転がる未來。出されていた宿題も終えとくにすることもなくなっていた。といっても、未來の場合宿題をやったつもりが別のページをやっていたりプリントを一枚忘れていたり……そういうミスも多いのだが、今回は確認も終え本当に全部クリアしていた。
「―――イテッ。あっ、キャー」
無意味に転がっていると勢い余って棚にぶつかりそこにおいてあったフィギュアが顔に落ちてくる。
「うぅ……なんでこうなるかな……」
落ちたフィギュアを拾い上げもとの場所に直しつつ手を顔にあて呟く。フィギュアのあたった額は少し赤くなっていた。
「せれは未來がドジだからだよ」
「もう……うるさいなぁ。というか、ノックぐらいしてって言ってるでしょ。姉さん」
「したわよ。未來が叫んでるときに」
「……なら、返事してから入ってよ。それじゃあノックの意味ないでしょ」
「それは始めて言われたからわからなかったわ」
「もう!!普通わかるでしょ!!」
「ごめんごめん」
アハハッっと笑いながらいう恵に頬を膨らませてそっぽをむく未來。
「でも、暇ならアキ君にメールでもしたらいいのに」
未來の隣に座りいう恵。
「でも……アキさん修学旅行中だし」
「アキ君のことだから迷惑ともなんとも思わないと思うよ」
「だろうけどさぁ……私が気にするし」
呟くようにいう未來。アキとメールのやり取りをしている最中にアキの修学旅行について書かれていたので未來はアキのことを知っていた。
「そんなに消極的だと、修学旅行中にナナちゃんに取られちゃうよ〜」
「うっ……だ、大丈夫だもん。ほっといて」
「余裕ぶってるとおもわぬ伏兵にやられるもんだよ」
「伏兵?」
「そう、たとえばアタシとか?」
「なっ!?姉さん!?」
「じょ、う、だ、ん、よ。でも、そういうこともあるんだから、がんばりなよ」
ポンと肩に手を置いて去る恵。
「もう、姉さんのバカぁ……」
残された未來は再度ベッドをゴロゴロし始める。未來の暇な時間はアキのことを考える時間に変貌してしまった。
フォトフレームは僕も作りました。楽しかったですね。
Aki「実体験をもとに?」
そうです。実際に悪戦苦闘したところもありましたから。因みにこれはファームステイ先での出来事なので全員が体験したわけではありません。
Nana「ふ~ん」
君たちの体験は主に僕の活動をもとにかいてるからね。それでは来週。
Aki・Nana・Tsubasa「親愛なる者たちへ、我らとまた会おう」




