キララ「違える道」アキ「修学旅行二日目です」
八月ですね〜。
Nana「そうですね。暑さは増していきますね」
ほんとに。プラスセミの声と……。もう、嫌です。
Miyuki「どんだけ嫌なんよ」
僕も分かんない。みなさんは夏好きですか?まあ、そういうことで。本編。
Nana・Miyuki・Tsubasa「神秘への旅立ち、案内しよう」
―――ピピピッ、ピピピッ。
「ん……んん……」
目覚まし時計の音と、窓からの光で目を覚ます。まだ半分眠っている頭を覚醒するためそのままノロノロと洗面だいに移動し冷水を被る。
「……ぷはッ。ふぅ……」
冷たい水が体の熱を引かせる。そのまま鏡をみて少しついた寝癖を治す。ワックスとかはつけない。まあ、基本外にいるときは帽子被るし気を使う必要性がないというところか。
さて、昨日は消灯時間間際に帰還。そのまま消灯時間ギリギリまで青葉と話して、そのまま就寝、というわけもなくナナが電話で青葉とつなぎその青葉がいるグループと小声で喋ったり遊んだりと……まあ、夜遅くまで起きてたわけだ。それゆえ体はまだもう少し睡眠を欲していたがその願いを拒否する。
ナナも起こさなければ……。なんて考えながらベッドに近づくと。
―――ドサッ。
「いったぁい」
「あっ……」
ベッドから転がり落ちて呻くナナ。そういや忘れていた……コイツの寝相の悪さ。
ナナの家では布団だし、俺の家ではダブルベッド使ってるから落ちるのマレだが……まあ、普通のベッドならこうなるわな。
「おはよ。眠そうだな」
「…………おはよ」
床に転がったままの体勢で返すナナ。目の下には隈ができている。
「大丈夫か?」
「五回」
「は?」
「五回……落ちた」
「…………お前すげぇよ、ある意味」
俺は苦笑いを浮かべる。よくそんなに落ちれたものだ。たぶんそのたびに起きては小さく呻いてを繰り返していたんだろうな。俺も疲れていたのか気がつかなかったが……。
「とりあえず、顔洗ってこい」
「うん……ついでに着替えてくる」
「そうか?じゃあ、俺も着替えるわ。ナナは洗面所で着替えて」
「うん」
ノロノロと鞄から着替えを取りだし洗面所に行くナナ。俺はそれを見送ってから素早く着替え簡単にベッドメイキングを行う。なんか、これから朝食を作らなくていいのが少し妙な気分だ。癖になっているというか、なんていうか。
「アキ、入って大丈夫だよね?」
「あ、あぁ。大丈夫だ」
俺が返事するとナナが入ってくる。顔を洗ったあとはあるがまだ眠そうだなな。と、考えてるときに部屋がノックされる。
「はい?」
「俺だ―――入って大丈夫か?」
「ああ、先生。大丈夫ですよ」
俺は部屋の扉をあけ先生を中に招く。ナナはベッドから落ちたときにうったのか腰に手をやり痛そうにしている。
「そろそろ朝飯だから用意終わったら食堂くる……ように……って」
「どうしました?」
顔色を青白く変化させる先生。その視線はナナに固定されている。
「お……お前ら……。ま、まさか……!!」
「「はい?」」
わなわな震える先生に疑問の声をあげる俺たち。
……先生が怒り、顔色を悪くすること。ナナに固定された視線。寝不足を意味する隈。痛そうに押さえる腰……。
「「わっ!!ち、違いますよ!?」」
先生の意図を同時に察する。そりゃ、腰押さえて眠そうにしてたら!!しかも俺とナナといえ男女だし!!
「……終った……」
「「だから違いますって!!」」
絶望に支配される顔にたいして必死に理由をはなす。納得してもらったときには、もう朝食の時間が目の前に迫っていた。
―――白由利家
「―――というわけで、悪いけどお留守番お願いね」
「かまわぬよ」
「気にすることないです」
土曜日の午前中、玄関先で両手を合わせて頼む夏喜にキララとミユキが頷く。扉の後ろでは家の前に車を止めている陸人。少し落ち着いてはいるがまだソワソワしていて落ち着きがなく、たまに娘の名を呼んでいた。
「全く……あの人は……」
そんな陸人の様子を見てため息をつく夏喜。キララも陸人に対してはどう言えばいいのか分からないのかただ見ているだけでとどまった。
「まあ、いいわ。お昼は用意してあるからね。じゃっ、いってきます」
「うむ、気を付けての」
「気を付けてくださいませ」
夏喜は手を軽くふってからドアを閉め鍵をかけた。
すると、自然と二人が残るわけだが……。
「ふむ、ではどうするかの……」
「勉強なさったら?課題でているんでしょ?」
「くっ……貴様に言われんでもやるわい」
「嘘でしょ?わかっていますわ」
「なにを根拠に嘘という?」
「普段の貴女の態度でわかりますわ。そんなこともわからないなんて馬鹿って可愛そうですわね」
「貴様……!!」
「なんですの……!!」
玄関先でバトルを始める二人。いつもならここでアキが止めるのだが、止める人もなく……。
「決着をつけてやる」
「望むところですわ」
互いに借りている部屋にいきそしてスッと手にする。ゲームを。
「「勝負!!」」
電源をおしゲームを開始する二人。取っ組み合いの喧嘩とは程遠いものだった。
Aki「なあ、最近増えてないか、下ネタ?」
別にいいじゃん、これくらい。
Aki「まあ、セーフゾーンだろうけどさ」
そうそう。気にしてたらダメダメ。それでは、また来週。
Aki・Tsubasa「親愛なる者たちへ、我らとまた会おう」




