キララ「黒の中に浮かぶ白」アキ「夜の空には」
携帯で小説執筆してることも結構あるわけですよ。
Miyuki「みたいやな」
そしたらね、変な単語がたくさん予測変換で覚えるんですよ。
Miyuki「あ〜、なるほど」
単語以外にも、例えば〜ですね、ってうとうと思ったら〜ですわねってなってたりしたり……。
Miyuki「それは……アカンやろさすがに」
うん。これは大人しくうちなおしてる。ただ、面倒だから多少語尾が普段の口調じゃなかっても目つぶってますね。ゆえに、メールでやりとりしたら口調変って言われることも。
Miyuki「小説あるあるやね」
やね。まあ、いいんだけどさ。諦めてるんだけどね。んじゃ。
Miyuki・Tsubasa「神秘への旅立ち、案内しよう」
ザクザクっと小石を踏む音がなる。先生は黙々と進むから自然とナナと青葉、時々俺の声が響く。辺りの光も消えていき風に乗った塩の香りが鼻腔をつつく。
「センセー、まだですか〜」
青葉が耐えきれなくなったかのように先生に問いかける。するとようやくそこで先生が立ち止まる。
「ここだ。危ないからあまり前に出ないようにな」
「あまりって……あっ」
「わ〜、すごーい」
「キレ〜」
少し近づいて見てみるとここは崖の近くで正面に海があり見上げれば満天の星が自己主張するように輝いている。都会では絶対に見られない光景にしばしばみとれる。
「どうだ?」
「いい景色です」
「なんか、幻想的というか……とにかく綺麗です」
「センセー、ロマンチスト〜」
三者三用の言葉を口にして答えまた景色に視線を戻す。海と空の境を失う場所をみるとまるで星が堕ちてきたかのような錯覚を覚える。
「にしても、よくこんな場所知ってましたね?」
ややいりくんだ道のりは地元の人間でなければ知っていなさそうなもので少々驚く。といっても、今はネット社会。探そうと思えば探せる。だが、逆に言えば探そうとして見つけ出したというわけだ。俺たちに見せる為だけにわざわざ探したのだろうか?
「ま、まあな。たまたまだ、たまたま」
「たまたま、知ってるもんすかね?」
「……知ってるもんだよ」
どこかぶっきらぼうに答える先生。その様子をうかがっていた青葉の目が妖しく光る。
「ですよね〜。たまたま、調べた場所にアタシたちをつれてきたんですよね〜」
青葉のセリフはたまたま調べた場所と、たまたま連れてきたと二つの意味にとれた。それを受けて微妙に狼狽を浮かべる先生。
「な、なにがいいたい?」
「ん〜。べっつに〜。アタシはセンセーの言いたいことをまとめただけですよ〜」
「皐月ちゃん、そこら辺に……ね?」
ナナが青葉をなだめる。
「オイ、どういうことだよ」
小声でナナに喋りかける。ナナは苦笑いを浮かべつつボソリと返す。
「知らない?先生―――日高先生と森坂先生のこと?」
「え―――あ、あぁ。そういう」
「ウン。そういう」
察しがついた俺にナナが頷く。うちの担任、日高先生と隣のクラスの担任である女性教師、森坂先生。いま、密かに生徒の中で二人の仲について噂が飛び交っている。まあ、その噂とは二人はいわゆるそういう仲なのでは、というものだった。
そして今回のこの綺麗な夜景。想像されるべきものがある。
「そういうこと、だよな?」
「多分ね」
「それに、日高センセーが高そうな指輪屋さんにでいりしてたって、噂もあったし―――」
「オイ、お前ら。聞こえてるぞ」
顔を少し赤く染めている先生。まあ、確定だわな。
「まあまあ、落ち着いてくださいよ。下見ついでにアタシたちをつれてきてくれたんですよね〜」
「…………ほ〜。青葉はそんなに留年したいのか。そうかそうか」
「ちょっ、センセー!?」
「いや〜。残念だ。せっかくギリギリ欠点回避してたのに平常点がゼロだとな〜」
「謝りますから!!ごめんなさい〜!!」
大きく頭を下げる青葉。その声は、海の中にへと消えていった。
とある居酒屋にて。
日もとっくに暮れサラリーマンたちが羽を伸ばすアフターファイブ。酒盛りなどをして盛り上がる居酒屋に二人の女性―――笹原と心晴がいた。
「たまにはいいもんだな。こういうのも」
「そうですね。というかそれ何杯目ですか?」
「まだ六杯目だ」
「まだって……十分すぎますよ、それ」
笹原のもつ生ビールに苦笑を漏らしながら自分のカシオレを一口呑む。酒があまり強くない心晴にとって、お酒はちょびちょび呑むであるに対して笹原はグビグビと呑む。そんな相反する性格だが彼女たちなりに楽しんで酒を飲み交わしていた。
「ところで、アキのことだが」
「ぐッ……!?ケホッ、ケホッ!!ケホッ……な、なんですか?」
なんの脈略もなく話に登場したアキに驚き咳こむ心晴。そんな様子を楽しげに眺めながら言葉を繋げる笹原。
「いや、なに。アイツ今日から修学旅行らしいなという話だよ」
「あ、あぁ―――そうみたいですね。ミユキちゃんよろしくって昨夜メール来ました」
「お前もか。私にもだ。さすがシスコンだな」
「この場合はシスコンとか関係ないと思いますが―――まあ、確かにアキくんはシスコンの気がありますね」
クスクスと笑う心晴。それにつられるように笹原も笑いビールを飲み干す。
「もしかしたら、最強の敵は白由利でも倉崎妹でもなく案外キララかも知れないな―――あっ、生ビール頼む」
「ま、またそんな話するぅ……」
弱ったように机に伏せる心晴。軽く酔っている彼女のメンタルは簡単に崩壊しそうになっていた。そんな様子をしばしば楽しげに眺めた笹原がやわらに話を開始する。
「実際のところそうだろうな。逆に黒石には不利かも知れないな。アイツにとって黒石は守るべき存在で異性として意識する存在じゃないのかもしれないな―――ん?あれは」
「えっ……あっ」
店員の姿を見て声をあげた笹原に顔を少しあげた心晴も声を漏らす。
「お待たせしました〜。生ビールで―――えっ……」
その店員はあきらかに笹原に視線を固定してゲッ、という感じの顔で固まる。
「先生にあってその顔とはずいぶんな挨拶だな―――倉崎」
「あ、はは。ようこそいらっしゃいました」
名前の呼ばれた店員―――恵は硬い笑みを張り付けて挨拶と共にビールを置く。
「倉崎、バイトか?」
「そうですね。今日は大学でるのが遅かったんでさっき入ったばかりなんですけどね。お二人は呑みに?」
「そうだ。それと、木原をいじりたおしてただけだ」
「ちょっ、笹原先生!?」
「あっ、アタシも参加していいですか〜?」
「恵ちゃんまで!?というか、恵ちゃん仕事中だよね!!」
心晴の鋭いツッコミが決まる。それにたいして笑う笹原と恵。心晴はまたしても机に付して「ドSコンビ〜」と呟きながら自らのグラスを空にした。
皐月ちゃん、なんか書いてて楽しいキャラだわ。
Miyuki「こういうキャラ意外とあんまおらんもんな」
元気ッ娘キャラな〜。確かに。あと、今回は準レギュラーの大人組も登場。
Miyuki「気になっててんけど準とそうじゃないのとの違いわ?」
レギュラーは各章必ず出るしセリフも最低限ある。準は出ないときもあるしでてもほとんど喋らないときもある。
Miyuki「ふ〜ん。そうなんや」
あっ、ちなみに皐月は準レギュになる予定は無いですが好評があればなるかも。それとアキたちの学校生活で絡むキャラとしてもこれから度々でるかもね。じゃっ、今回はこのへんで。
Miyuki・Tsubasa「親愛なる者たちへ、我らとまた会おう」




