キララ「同の部屋」アキ「あり得ないよな、うん」
あーつーいーよー。
Miyuki「絶賛夏バテ中やな」
ですね~。ツイッターで気を付けてくださいね~とか言っといたくせに僕がなってしまいました。
Kirara「なさけないの」
うっ……言い返せない。ま、まぁ受験でのストレス太りがなくなると思えば……。
Kiyuki「そうだの」
て、ていうことで夏バテにはお気をつけを!!
Kirara・Miyuki・Tsubasa「神秘への旅立ち、案内しよう」
ひめゆりの塔見学後はその他戦争関連の平和学習を行いホテルに向かうことになった。俺のように興味がある奴にとってはいい内容だったがなかには文句をたらすやつもいた。まあ、色々遊びたいってのが本音だろうから仕方ない。俺はそのことに関してはそういう奴らに注意を促すつもりもなければこういう日程にした先生に文句をいうつもりはない。ただ、一つ……。
「これはおかしいでしょ」
「そうですよ」
俺はナナとフローリングの床に隣り合わせで座り向かいの人物にいう。
「小鳥遊、白由利、スマン。こちらがわのミスだ」
「いや、頭下げられても」
俺はポリポリと頬をかく。俺たちの目の前にいるのは俺たちの担任の先生なのだがなぜこうなったかを説明すると……学校側のミスだ。ホテルの部屋を男子、女子両方とも一つづつ少なくとっていたらしい。その結果慌てて編成しなおしたのだがどうしても一組男女ペアの部屋がでてくるらしく、そのお鉢が俺とナナに回ってきたのだ。
「てか、なんで俺たちに?聞いたところ立候補するペアがいくつかあったらしいじゃないですか」
「あ〜、確かにそうなんだが……中山と篠崎いるだろ?アイツらも立候補したんだが……」
「なら、二人にまかせ―――あっ」
ナナがなにかに気がついたように声をあげる。
「そうだ、聞いたところ二人付き合ってるらしいからな。まあ、その……短絡的にいうと不純異性交遊があるといけないからそういうペアには頼めないんだ」
「そういうわけですか」
まあ、だろうな……。教師としてはその可能性がある以上、そういうペアには任せられないわけか……。それに引き換え俺たちはカップルのような恋愛感情も無しで、それでいて嫌悪とかもない……。ちょうどいいわけだ。
「ただ、白由利の親御さんとは連絡が許可をもらったんだが……小鳥遊の親御さんとは連絡とれてないんだ」
「ああ、別に気にしなくていいんじゃないですか。あの人のことだからどうせいいと言いますし、もし、それでも学校側が許可を貰わなきゃ気がすまないのなら俺がメールでもなんでもしますよ」
「そうか……そうしてもらえると助かる」
「じゃっ、メール送りますね」
パッパッと、メール作成画面を開きメールを送信する。
「そうだ。先生。私の親からの許可ってお母さんからですか?」
「そうだな。女の人の声だったし。すぐに小鳥遊とならいいと言ってもらえた。ただ……」
「ただ?」
「なんか、電話の後ろの方でお前の名前―――ナナ〜って、いってる男の声が聞こえたんだ……ちょっと、気になってな」
「あっ、それお父さんです、はい」
「は、はは」
ナナは呆れた声をだし俺は苦笑いを浮かべ夏喜さんの後ろで喚く陸人さんを想像する。意図も容易く想像できた。そんな俺たちの様子に少し首をかしげる先生。そういや三者懇談のときも夏喜さんが来てたから陸人さんと先生会ってないんだったな。なお、陸人さんはむっちゃ行きたがってたらしい。ちなみに俺は三者面談も出来ないので免除……だと思ってたが母さんが保護者代役をたてやがった。学校側もそれオーケーするのかよ。ちなみにその代役というのが夏喜さん。ほんと、夏喜さんには頭が上がらない。
「あっ……」
んなこと考えてたら携帯が震える。ディスプレイには母さんの名が。
「返事きました。えっと………………要約するとオーケーらしいです」
なんか長々かかれていたので必要な部分だけ抜き取る。てか、オイ。ヤるときはゴムつけてねって……ヤらねぇから。てか、もってねぇよんなもん。そんでそれをさせないために俺たちを指名したんだよ、先生は。
「そうか、よかったよ……ほんと、二人には迷惑をかけてしまったな」
「いえ、気にしないでください」
「私も、別に気にしてませんよ」
「そうか……ありがたい。そうだ……礼っていったらアレだが、二人にはちょっといい思いさせてやるよ」
「なんすか?」
「それはお楽しみだ」
先生はそういって笑うと部屋を出ていった。俺とナナは顔を見合せなんなんだろうかと首をかしげた。
書店―――BーKSにて
「あ〜、はい。そうですか。分かりました。大丈夫ですよ。は〜い、じゃあナナよろしくお願いします」
夏喜はナナの担任からの電話を切る。そしてなかなか面白いことになりそうだなと頬を緩めていた。
(だけど、これは私だけの秘密かな?)
夏喜は後ろを振り向きナナ〜、ナナ〜と繰返し呟いている陸人を見る。こんな姿、初来店のお客さんが来たらひくだろうなと苦笑いを夏喜はこぼした。因みに現在書店には常連が三名いてそれぞれがまた、ナナちゃんか〜といわんばかりの目で陸人をみていた。
「おっ……」
そんなお客さんたちの様子をみている入り口の方に一人の少女をみかける。夏喜はそこに近づいていきドアを開ける。
「あっ……」
「おかえり」
夏喜はその少女―――ミユキに笑いかける。事前のアキからの情報で人見知りなところがあると聞いていた夏喜はミユキが入ったとき第一声に何て言おうか迷っていたのかなと推測する。だから、その言葉を促すためにもう一度いう。
「おかえり、ミユキちゃん」
「た、ただいま戻りましたわ」
「あっはっは、そっか」
やっと、元気に返してくれたミユキの頭を撫でながら夏喜は笑う。
―――まるで、もう一人の娘みたいだ。
夏喜はそう心のなかで呟くのだった。
なんか夏喜さんが地味に目立ってきてる。
Nana「ほんとだね」
なんかいいお母さんですよねこの人。夏喜さん書いてたら気に入ってきた。
Aki「俺の母さんにもある程度常識分けてくれ」
じゃあ陸人の……。
Aki「いいっすわ……」
あっそう?遠慮しなくても。
Aki「もう、いい。閉めるぞ」
は~い。
Aki・Nana・Tsubasa「親愛なる者たちへ、我らとまた会おう」




