キララ「帰還したる二対」アキ「二人ともおかえり」
この章も後二話で終了となります。
Aki「ちょっと短めか?」
確かにね。だけど、だらだら続けても意味ないしね。
Aki「そうだな。じゃっ、行くか」
Aki・Tsubasa「至高なる楽しさを味わいたまえ」
午後5時30分。部屋の掃除をしおえ、買い物も終わり晩御飯の準備をしていた。しばらくの間、ミサンガをつけていたのだが濡れるのも嫌なので一旦外し自分の部屋においた。
今日の夕食のメイン料理は豚挽き肉や豆腐が安かったので麻婆豆腐にすることにした。
ミユキは辛味がやや苦手なようなので豆板醤の量は少なめにしている。
中華鍋に踊る挽き肉がいい色に焼き上がったところであわせ調味料を入れ弱火に。沸騰したのち豆腐を投入にし溶けてしまわないようにまぜすぎないようにする。
ラストに片栗粉を水でときとろみをつけ完成だ。
「ふう……」
カチャッと中華鍋に蓋をして覚めないようにする。といっても食べる直前には軽くあたためなおさなければならないだろう。
なんて、考えていたら家の鍵が外されドアが開かれる音がした。
「いまもどったぞ」
「ただいま〜」
言うまでもなくキララとミユキの声だった。
「おかえり、二人とも」
僕は台所からリビングに移動しソファーに座る。
キララとミユキは手も洗わずに僕の元にやってくる。二人とも少し疲れたような顔をしている。遊び疲れたのかな……?
「我が分身よ〜。夜の供物はなんじゃ〜?」
「麻婆豆腐だ」
「ふむ、そうか」キララは眠そうに目をこする。ミユキも同じようにして、同じく眠そうだ。
やれやれ……なにをそんなにはしゃいだのか。
「飯の時間なるまで少し眠っとけば」
「うん……」
ミユキはそう小さく答えるとそのままコテン、と俺の肩を枕にして眠りについた。キララもそれを追うように俺の肩を枕にしてすやすやと寝息をたてはじめる。
俺はまだ浅いであろう眠りを壊さないように二人の頭を肩からクッションにおきかえ近場にあった毛布をかけてやる。
ここまで、あっさり眠るとは……よほど遊び疲れたのだろうか……。
「あれっ?」
キララのポケットから色紙のようなものが一枚落ちた。このとしになって折り紙でもして遊んでいたのだろうか。なんとなくそれを拾い広げてみる。
「えっ……?―――くふっ、ははっ」
一瞬の疑問の後笑いが込み上げてくる。なんというか、キララはつめが甘い。俺はそれにかかれた文字を少し笑いながら読み上げる。
「『Happy Birthdayアキ』、か」
かわいらしい丸もじで明るい色でそれが書かれていた。だが、よくみればhappyのaがuとなっていた。恐らく間違えて書いてしまい後で捨てようと思いポケットにしのばせたまま忘れていたんだろう。少しプライドの高いキララの事だ。たぶん間違えたことをミユキとかに笑われるのを嫌ったのだろう。
「さて、と。俺は何も見なかったことにすっかな」
色紙をキララのポケットに入れて立ち上がり二人の頭を撫でてやった。
あっ、そうだ。俺に何も教えてないっつうことはサプライズのつもりだったんだろう。なら、少し演技してやらないとな。
俺はちいさくそう考えた。
先に言っておきますと次回はこの章最終話にして二千字越えです。普段は千字程度だから単純に倍ぐらいです。
Aki「てか、うちの小説って毎回字数はすくないよな」
それは、否定できん……そのかわり毎週更新は約束しますので。
Aki「それも、状況によっては変わるんだろ?」
……どうせ、僕の技術は未熟ですよ。
Aki「あっ、なんかへこんだ。じゃ、今回は俺一人で」
Aki「そなたとの契り、またここで会おう」




