キララ「過ぎ去りし時の祭り」アキ「過去にやった誕生日回」
さあ、久しぶりの過去編ですが、できればこれをご覧になる前にNanaが初登場したときの話しを見ていただきたいたいです。
Miyuki「なんでなん?」
んん〜……それは、この話し見てもらったらわかるよ。ネタバレになる可能性もあるからちょっと言えないかな。
Miyuki「ふ〜ん」
それでは、御覧下さい。
Miyuki・Tsubasa「至高なる楽しさを味わいたまえ」
六月十八日、中学おわりの昼下がり。校庭には部活動に花を咲かす生徒もいたが部活に入っていないアキとナナは二人揃って下校をしていた。
「では、早く帰宅するのよ」
「はいはい……ってか、ナナも俺んち来るんだよな」
「当たり前でしょうよ。わたくしの旧友の誕生際にわたくしがあらわれないわけがないのよ」
「そりゃ、どうも」
アキはナナとのちょっとずれた会話をして曖昧な笑いを浮かべる。
ナナの言動は今に始まったことでは無いしもう馴れたといえば馴れたのだが、やはり早く元のナナに戻ってほしいと心の底から願っていた。
ともかく、今日はアキの家でささやかながら誕生日パーティーのようなものを開くのだ。アキは最初もうこの年になって、と拒否しようとしたが妹のキララやナナ、母親である秋羅の強い要望で実現にいたった。それに、パーティーといってもおやつがケーキとなって最初におめでとう、と言われるだけだとアキは思っているので無理に嫌がる必要性も無いと考えたのだ。
特筆すべき会話もなく(アキとナナにとってであり、第三者からみたら異様な会話である)アキ宅にたどり着く。なれた手つきで鍵を開け家にあがる。
「鍵しめといてな」
「承知しておるよ」
いつも通りなやり取りをして靴を脱ぎアキがリビンクに通じる戸をあけた。
「ただい―――」
「「ハッピーバースデー。アキ(お兄ちゃん)」」
「えっ?」
パンパンという破裂音とキララ、秋羅な声が重なってアキの鼓膜を揺らした。
「ふふっ、何を呆けた顔をしておるのよ」
ナナに言われアキは状況を理解し苦笑いを浮かべた。
部屋は装飾がなされテーブルの上にはアキがこの前食べてみたいな、と呟いたことのあった店の、イチゴやミカン、キウイといったフルーツがふんだんに使われたケーキが中央に鎮座していた。
「ははっ、なんつうか……とりあえずありがとと言っておくよ」
アキの困ったような、それでいて嬉しそうなその表情に満足したのかキララたちも笑みを浮かべテーブルに向かい席についた。
「やっぱ、ここのケーキは人気なだけあってうまかったな」
アキは最後の一口を喉にしまいこんでそう感想を述べた。最初こそ驚かされたものの、あれからはティータイムのような感覚でケーキを切り分け食していた。
「そうよね〜。でも、私はアキの作ったケーキも好きだわ〜」
「素人作品だろ。てか、やろうと思えば誰でも作れるだろうし」
「いいや、趣味が料理とかであんな女々しい事する男子はアキぐらいよ」
「誉めんのか貶すのかどっちかにしろ、そこの母親」
ガクッと頭をたれて突っ込むアキ。これもいつも通りの日常で、なんとなく力がぬけてしまう。
「あっ、そうそう。お兄ちゃん。これ。あたしとナナ姉から!!」
「えっ、お、おぉ」
急に可愛くラッピングされた袋をわたされ勢いのまま受けとるアキ。
「じゃ、あけてみるな―――ミサンガ?」
そこから、現れた二つのそれの名をアキはいう。
「ああ、わたくし達でその願いの楔を作ったのだ」
「ははっ、願いの楔、か」
アキは少し乾いた笑い声をあげてミサンガを二つとも右手にとおした。
「二人ともありがとな」
俺は二人にわらいかける。
「うんっ、大事にしてね!!」
「常に持つがよい」
二人ともアキに笑顔をかえした。いつのまに作ったのか少し気になるところではあったが、気にすることもないだろうとアキは思った。
「はい、三人ともチーズ」
秋羅はどこからか持ち出したカメラでパシャリと写真をおさめた。
「ちょっ、チーズて……ポーズもなにもとるまえに押してるじゃんか」
アキはそんな母親に突っ込む。そして。
「まあ、いっか。ありがと」
諦めたように一度笑いアキは三人に改めて礼をのべるのだった。アキの左手は腕に通してあるミサンガに触れていた。
Nana「…………死にたい」
Nana。人間誰しもが黒歴史はあるもんだよ。
Nana「ねぇ、酷くない!?いまさらこんな伏線っていうのかな、回収しなくてもいいじゃん。てか、なにが軽い中二病よ。ガッツリなってるじゃない!?てか、このツッコミも私の初登場時の回見てないと絶対わかんないよね!?」
よく、喋るな〜。
Nana「う、うぅ……」
Miyuki「……ウチは過去編でれなくてよかったかもしれへんな」
お〜い、そろそれ閉めるぞ〜って、Nanaはむりそうだな。んじゃ、二人で。
Miyuki・Tsubasa「そなたとの契り、またここで会おう」




