キララ「悩みと会議者探し」アキ「相談相手」
準レギュラーもレギュラーも全員名前は出てきます。久しぶり!
Miyuki「そうなんや」
新しい章の始まりです。さぁ、この挨拶もこの章で最後。
Miyuki・Tsubasa「銀幕のあける舞台。さぁ、物語の始まりだ」
12月上旬。部屋で一人―――俺は完全に行き詰っていた。
「どうしよ」
手元にはデザインを書くように置いた紙を前に一人で腕を組んでいた。
下書きとなるキララの体格に合わせて書いた人物には何も服を着せられていない。この状態を奪回すべく数度服を書いてみたがよいデザインが全く思い浮かばない。キララの誕生日は12月24日。クリスマスイブ。俺には記憶はないがココねぇや母さんが言うには病室の窓からクリスマスツリーの頂上にかざられた星と丁度同じ高さだったらしい。
……って、回想に浸ってる場合じゃないな。
「ここはアドバイスを貰うとするか」
俺は携帯を出すと電話帳を開くが……誰にかけるべきか。
年齢的に言えばミユキ……はなんとなく頼りにならなそうなので未来ちゃん。一番近いところにいるという意味で言えばナナ。普段の様子とか中学生の様子を知ってそうな笹原先生、心晴ちゃん。
―――よしっ。
俺は操作して彼女のもとに連絡する。
『はい、もしもし』
「あっ、未来ちゃん?今大丈夫?」
結局悩んだ末年齢の近さを重視し未来ちゃんに電話を掛けることにした。
『アキさん……あー、えっと……』
だが、帰ってきたのは快諾の声ではなく少し悩んだ様子の声。
「あれ?もしかしたら忙しかった?ならいいんだけど……」
『いや、忙しいというか……って、姉さん!!』
急に声のトーンを上げたと思ったら急に返事がなくなる。
「あれ、もしもし?もしもし?」
『やっ、アキ君』
「恵さん……もしかして、未来ちゃんの携帯とったんですか?」
心晴ちゃんと笹原先生を思い浮かべながら聞く。
『違うよ。今、未来がクッキー作っててさ手が汚れてて私に携帯とらせて耳にあてさせてたわけ。それで、相手がアキくんだったみたいから変わりに出ようと思ってね』
「取ったことには変わらないんじゃ……?というか、クッキーづくりで手が?」
手でこねくり回すような行程は無いし、汚れるようなところないような?
『あ~、今仕上げにホイップのせてるんだけどホイップを絞る手に力を入れすぎたみたいで小爆発起こしてね。ドジ発動だよ』
「あー、そういうことですか」
俺は納得の声を上げる。後ろから『姉さんっ!?』という声が聞こえる。
『はいはい―――それで、どうしたの?』
恐らく未来ちゃんをあしらいながら返してるのであろう。まあ、いいか。
「ちょっと相談があったんですよ。でもそこまで急ぎでもないですし今度でも―――」
『あっ、じゃあウチきなよ』
「えっ?」
電話の後ろでも俺と同じように疑問の声を上げる未来ちゃんの声。
『うん、アキ君も大丈夫でしょ?ほらっ、未来のクッキーもあるし。未来も嫌がらないよ。ねー、未来?』
『えっ?あっ、うん……えっ?』
『ほらっ、未来もこういってるし』
恐らく急に未来ちゃんの耳元に携帯を戻した後すぐに自分に戻したのだろう。何となく情景が思い浮かぶ。
「まあ、お二人が迷惑じゃないなら」
『なら決まりっ。というか、もしかしたらアタシ……というか未来のほかにも相談持ちかけようとしてた?』
「はい。ナナとか心晴ちゃんとか」
『おっ、じゃあその二人も呼んでよ。そっちの方が一石……1,2,3……アタシも入れて一石四鳥だしね』
「わかりました。じゃあ、2人にも連絡していきます。道順とかは後でメールで送ってください」
『はいは~い。楽しみにしててね。流石の未来も砂糖と塩を間違えてないからね』
あははと笑って携帯を切る恵さん。その最後には「もう!!」と声を上げる未来ちゃんの声が聞こえた。
「思いがけず……だな」
俺は切れた携帯を見ながら小さく笑った。
久しぶりの倉崎姉妹。ドジッ娘可愛い。
Miyuki「あっそ」
最近はやっるツンデレ系の子ってドジッ娘要素も含んでること多いよね。料理失敗したり変なところでミスしたり。まあ、背伸びしようとして失敗って感じだけど。
Miyuki「そういやそやな」
それでは。
Miyuki・Tsubasa「encoreのその先へ。拍手が続く限り」




