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将軍様の《禁じられた》命題あそび  作者: ジェイのすけ
2/5

もう、将軍さまったらぁ。わがままなんだから。

「どうじゃな、一休どの。その様子だと降参かな?」


「もう、将軍様ったら、私は答えるなんて言ってないのに……」


「何か申したか?」


「い、いえ、こちらの独り言で」


「のほほほ、答えられぬのなら、予の勝ちじゃぞ」


「むむむむむ……」


「ほらほらどうした」


「あわてない、あわてない。こういう時こそ冷静に」


「ほらほら一休どの、降参かな?」


「い、いえ、大丈夫です。答えは出ました」


「な、なんと! そなた、今何と申した?」


「答えは出た、と申したのです」


「うぬぬぬぬ。……して、そなたの考えやいかに」


「はい。きっと将軍さまは、今から何百年後かの時代に登場する歌詠み(アーチスト)という人たちが綴る恋長唄ラブソングを鑑みて、こういった難題を世に知らしめたのだと思うのです」


「ほうほう、してその心は?」


「はい。その心はと申しますれば、愛を語るのに愛を知らず、恋を語るのに恋という文字を並び立てるのは、真に滑稽と……」


「ほうほう」


「その時代には、こんな方がおられるようです。友愛だとか世界平和だとか、真に小気味いい言葉のみを全面に並び立てて、その実は自己愛に満ちておられるという……」


「ほうほう」


「だから、将軍さまは、そんな何百年先のまつりごとを憂いてこんなことを仰られたのかと……」


「あっぱれじゃ、一休どの。さすがは予の見込んだ者なり!」


「あ、ありがとうございます。過分なお言葉、痛み入ります」


「での、一休どの。実はの、今の答えでは答えになっておらんのじゃが、そちは気づいておろうな」


「ギクッ、やっぱり言わなければなりませんか?」


「そうじゃ、今の答えでは枝葉末節、命題の外側を突いたに過ぎん」


「あぁあ、将軍さまったら、さすがですね。いよっ、天下の征夷大将軍、色男! クヌゥクヌゥ」


「のほほほほ。そなたに掛け値なしにそう言ってもらえると、予も鼻が高い」


「当たり前じゃありませんか。だって、何百年後か先まで憂いておられるなんて、さっすがは天下の将軍さま」


「で、そなたの答えを言うのじゃ」


「むむむ、やっぱり言わなきゃダメですか?」


「言うのじゃ」


「うんもう、しょうがないなあ……。一応これでもわたくし御仏に仕える身なのですよ」


「なにを申す。そなたはアニメではかなり性善的に活躍しておるようじゃが、史実では相当な毒を持っているではないか」


「もう、将軍さまったら。……では答えを言います」


「ほうほう、待っておったぞ」


「答えは……」


「答えは……?」


「はい、世の政治家に、健全な政治を文字も言葉も使用せず表現させる手段は」


「手段は?」


「お金にございます」


「なにいっ!」





俺、何書いてんだ?

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