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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

私の日記

作者: 蜜柑猫
掲載日:2026/08/07


























—————————————————————


世界の均衡が崩れてから⬛︎年と2日…。

私は、この忌々しい力を解明する為に研究を始めた。


今日から時々日記を付けようと思う。

此処に記録を記す。


まずは、生存者と拠点になる場所を探さなければ、

クソったれ。

頭と腰が痛い。

こんな力なんて…消え去ってしまえばいいのに。


           _西暦⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎年_1月4日

     

—————————————————————


















































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研究を決意してから早7日が過ぎた。

今だにこの時期は肌寒くて嫌いだ。

曇りが続いて本当うんざりする。


それと、生存者との接触に成功した。

35歳、血液型A型の白人男性だ。


名前はランスというらしい。

彼は炎を操る異能を使う。

焚き火をするのに便利そうだ。


少し体調が悪いと見受けられる。

そんな事より、どうやら私と彼は行き先が同じようで、彼と共に行動をする事になった。


彼は疲弊しているようだった。

全身に裂傷が見られる。

会えた記念に、彼に貴重なココアを奢ってやった。


人の笑顔を見たのは、久しぶりだった。


          _西暦⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎年_1月11日


—————————————————————


















































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研究を決意してから2ヶ月余りが過ぎた。

今日、私はランスと共に鹿を狩った。


彼はとても精密な捌き技を披露してくれて、まるで高級料理店のパフォーマンスでも見ている気分だった。


新鮮な肉なんて久しぶりだった。

彼は1番良い部位を私にくれた。


疲れていた時に養ってくれたあの時の礼と彼は言っていた。

そんな恩返しはしなくても良いのに。


あと最近、彼の咳が酷くなっている気がする。

鹿を解体している時も、息切れが酷かった。


病気かも知れないので、ゆっくり休んでと声を掛けても、彼は大丈夫だという。

それに、今は病気ごときで眠っていられないとも言われた。


今後は、もっと私が頑張って彼の負担を減らせるように努力しようと思う。


神よ。どうか彼に宿っている厄病を取り払いたまえ。


          _西暦⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎年_3月25日


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決意の日から3ヶ月と少しが過ぎた。

ランスは現在、酷い肺炎を患っている…。


予兆はあったはずだった、何故それに気づけなかったのか。

後悔してもしきれない。


彼が患っているのは…症状から見て、間質性肺炎の可能性が高いと思う。

ただ、確定させる手段はない。


このままだと、彼はいずれ何かしらの合併症で死んでしまう。早く、医療設備と薬剤を見つけなければいけない。


私は賭けに出る事にした。

抗生物質…。これを彼に投与すれば、その寿命を伸ばすことが出来るかもしれない。


早く、早く見つけ出さないと。


とりあえず、早急に仮拠点を設けた。

ランスは既に重症だ、これ以上は彼の命が危ない。

近くに生存者の拠点があると聞いた。


彼には引き止められたが、私は行こうと思う。

どんな危険が待ち構えていても、私はそれを厭わない。


最近私は夜でも目がよく冴える。

文明の利器に頼らなくても良いほどに。

しかし、それと引き換えに聴力を悪くしたらしい。

物事は等価交換だ。


そう簡単には上手くいかない。


あぁ、

慈しみ深い神よ、どうか病床にある彼を顧み、その苦しみを和らげ、健康を回復させてください。


          _西暦⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎年_4月20日


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決意の日から半年。

彼は死んだ。


結局、あの時から今日まで抗生物質は見つけられなかった。


彼の肺炎は日に日に悪化し、高熱と意識障害を繰り返した。

死因は、おそらく敗血症だ。


私は彼の遺体を…丁重に弔った。


彼は死ぬ数日前、私に自身の娘について語ってくれた。

名前はアイリス。

生きていたら、もうそろそろ⬛︎歳になると。


私と会う前、彼は窃盗団に襲撃され、娘を攫われた。

奴等は娘の誕生日に上げた蒼いサファイアのネックレスに目を付けたらしい。


彼は奴らの軌跡を辿り、その拠点にへと乗り込んだ。

しかしその時には…娘は醜く殺害されていた。


あの時の傷は、乗り込んだ時に負ったものだと聞いた。

贈り物を取り返せなかったと、ランスは悔いていた。


私は、彼に最後の別れを告げる前に、彼が持っていたアイリスの写真と、自分が付けていた金属の指輪を彼の胸に添えた。


さようなら。ランス。


どうか…アイリスと共に、安らかに眠らん事を。


          _西暦⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎年_5月19日


—————————————————————


















































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ランスの死から半年と少し…。

この間に色々あった。


私のこのクソったれな力は、どうやら私自身を蝕み始めているらしい。


頭と腰に妙な突起物が現れた。

私にとって夜はもう、朝の延長線だ。

耳はほとんど聞こえない。

というか、私の耳が萎んでいるようだった。

そして鼻が効くようになった。


久しぶりに鏡を見た時は酷く驚いたが、もう慣れてしまった。


他にも、何人かの生存者と接触した。

食料や装備、そして外部の情報を取引した。


どうやら、この世界には既に複数の組織が出来上がっていて、争っているらしい。他にも、この忌々しい力が、異能力と呼ばれている事を知った。


生存者以外にも、何人かの人間と出会った。

彼らの中には、異形の姿をしている者や、周囲があり得ないほど破壊されている現場もあった。


前者も後者も、異能力によるものに違いない。

私はこれらのサンプルの一部を回収した。


今だに生きることに精一杯で、研究らしい研究はしてこなかったが、ようやく一歩踏み出したという感じだった。


今夜は…久しぶりによく眠れそうだ。


          _西暦⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎年_10月25日


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彼の死から、約1年と半年が経過した。

この間に私は、とある廃病院を仮拠点として定めた。


設備も備品もある程度は充実している。

その殆どは、まあ使い物にならないものだったが。


仮拠点を作ってから間もない時、3人グループの窃盗団に襲撃された。彼らは鉄パイプと粗末な槍、そしてピストルで武装をしていた。


私はその時にはもう既に失聴していた。

筈だった。しかし、窃盗団が窓を割り、此処に侵入する。そして院内を隅々まで歩いている音が聞こえた。


私は武器など何も持っていない。

とりあえず、その時は手元にあった注射器を手に取り、研究室の扉の裏に隠れた。

1人、近づいてくるのがわかった。

そいつが私に気づいていたのかは分からない。


奴が扉を開けた瞬間、喉を注射器で突き刺してやった。

悶えてる奴の金属バットを奪い取って、動かなくなるまで奴を殴った。


1人目。

ソイツの死体を漁った。

奴のポケットからは、深い青色の宝石が埋められている、草臥れたネックレスが入っていた。


手が震える。

それは、……恐怖によるものじゃない。


そして、ネックレスを回収しようとした次の瞬間、腹を銃弾が貫いた。

もう1人が駆けつけてきたのだ。

私は、そいつ目掛けてバットを投げ飛ばした。

そいつが怯んだ隙に、バットの奴の死体を担ぎ上げ、それを盾にして突っ込んだ。


何発が撃たれたが、私の体までは貫通しなかった。

そのまま発砲してくる奴を死体の下敷きにしてやった。


顔の形が分からなくなるまで、私はソイツを殴った。

最後に、そいつから奪った銃で脳天を貫いてやった。


ざまぁみろ。


私は院内を探し回った。血が滴っていく、出血多量による悪寒を感じたが、もうどうでも良かった。


集中治療室から音が聞こえた。

扉をゆっくりと開ける。


最後のやつは、鉄パイプで私に殴りかかってきた。

頭に鈍い音が響いた。

視界が揺れる。膝をついた。

もう一度、私の鈍い衝撃が側頭部を襲った。


倒れた私の頭を、奴は執拗に殴ったが、私は死ななかった。

何回目だろうか。

次に殴られた時に、奴の鉄パイプを片手で私の頭に押さえつけた。そのまま鉄パイプを引っ張って奴を転倒させ、私は立ち上がった。


そのまま地面に転がった奴の腹を思いっきり蹴った。

そして今度は私が奴を殴った。

気絶で済ませてやった。


手が血だらけで日記が書きにくい。

明日が楽しみだ。

ひとまず、休む事にする。


          _西暦⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎年_12月11日


—————————————————————


















































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窃盗団の襲撃から1日目。

私は鉄パイプのクソ野郎を集中治療室の治療台の上に固定してやった。


まだ頭も腹も痛たい。腹の出血は完全には止まっていない。

私自身をなんとかしないといけない。


まず最初に、腹の中に埋まってる弾丸を摘出した。

メスで腹を開いて、消毒したピンで引き抜いて、それで腹を縫合したら終わりだ。

簡単だろう?


しかし、こんな事に5時間も時間をかけてしまった。

出血多量で眩暈がする。

鉄パイプのクソ野郎を腹いせに殴り飛ばしてやった。

なんか喚いていたが、そんなことは気にしない。


飯を食った。まだ多少は非常食が残っている。


死体も掃除しなきゃな。

虫が寄ってきてしまう。


全てを片付けるのに4時間も掛かってしまった。しかも、クソ野郎共はまともな物資を持っていなかったらしい。


鉄パイプのクソ野郎は、ハンスという名前だった。

ハンスは自分達の事を頑なに話さなかった。

だから爪を剥がしてやった。

8枚くらい剥がした後に、奴はのうのうと語り出した。


最悪な事に、私が1番最初に殺した野郎は、食料を生成する異能力を持っていたらしい。


ソイツを生かしておけば良かったと今更ながらに後悔した。

だがもう良い。

奴は無能力者だが、もう被検体は入手した。


今夜は機材を調整しようと思う。


          _西暦⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎年_12月12日


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窃盗団の襲撃から1週間が経った。

とりあえず、色々やってわかったことがあった。


まず、放浪していた最中に回収したサンプル。

それをハンスに食わせてみた。

雑だが、シンプルだ。


しかし、1度目以降ハンスは食うのを拒否してきた。

なんともまあ図々しい奴だ。

肉なんて貴重品を食わせてやっているのに。


実験を継続する為に、私は奴に水とドグマチールという薬剤を与え続けた。ドグマチールは、まあ、簡単にいうと死ぬほど腹を空かせる薬だ。

しかし3日間これを継続したにも関わらず、奴は頑なに食事を拒否した。


しょうがないので、私は奴の口を器具で固定し、喉に大きめの管を通して肉を流す事にした。


今回の検証は、異能力者の細胞を食わせれば異能力が発現するのかのものだったが、当然、そんなことで異能力が発現するわけがなかった。


異能力者を食しても能力は獲得できない。

これはいい経験になる。


まあ、そもそもサンプルの量が少なかったせいもあり、小指くらいの肉片しか投与できなかったのが異能力を発現しなかった原因がしれない。


貴重な実験材料はあまり無駄にできない。本来なら。


だが丁度いいところに、私の手元には鉄バットの野郎の死体があった。

人間の死体なんて解体したことはなかったが、案外すんなりいくものだと、私は感動した。


とりあえず、腕一本分の肉片と、砕いた骨を与えてみた。

これを4日間続けた。

結果が楽しみで仕方なかった。


ハンスは途中から抵抗するのをやめ、死んだような目つきをしていた。

私は、ネックレスを握った拳でそいつの顔を殴ってやった。


許さない。


4日目、集中治療室に行くと奴は自害していた。

舌を噛み切っている。

そこから感染症が入り込んだショックで死んでいた。


やってしまった。

奴が自害することを想定してなかった。

しかし、やられてしまったものはしょうがない。


今後は、新たに生きている被検体を捕獲する事を目標にしようと思う。


         _西暦⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎年_12月19日


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襲撃から2ヶ月。


鏡を見た。おぞましい。


《黒く塗り潰されている。》


         _西暦⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎年_4月30日


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《引き裂かれている。》


         _西暦⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎年_6月6日


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研究開始から…多分2年目くらい?

私はあの日から色々試してみた!


とりあえず?此処一年でこの廃病院に2人被検体が来たから全員拘束!


やっとやっと!

遂に異能力持ちが居たんだよついにやっと!


そいつは水を生成する異能力を持ってて、少し拘束するのに手こずっちゃったけど、仲間を人質にしたら直ぐに素直になってくれて嬉しかった!


えーと、

異能力持ちはガーフィールって言うらしい?

もう1人はサシャっていう名前で、残念ながら異能力は持ってなかってけど、いい実験台が手に入った!


とりあえずガーフィールの皮膚を削って、DNAを水溶液に取り出してみた!

後ついでに血液のサンプルも回収したよ!


でも残念な事に、此処の廃病院には遠心分離機もマイクロピペットもないんだよねぇ、だからこれからは当分被検体の組織的なサンプル集めに集中しようと思う!


そうだ!

最近久しぶりに鏡を見たらすっごい様変わりしてて驚いたんだよねー


だってなんか狐の耳みたいなの頭から生えてるし?

私の耳どっかいっちゃったし?

尻尾が尾骨から生えてきちゃったりしてさぁ。


しかも瞳も猫みたいに細くなっちゃってびっくりしたよ本当。これが私の異能力って考えると少し残念。


再生能力とかだったら私自身もサンプルにできるのにさ、はぁー、ほんとないわー。


         _西暦⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎年_8月22日


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あーえっと?もう記録はいいやー。

とりあえず今回はね?前回捕獲したガーフィールっていう被検体を逃してみたんだよ!


気になるでしょ?

なんでこうしたかって書くとね?

その方が沢山の被検体に会えると思ったから!


なんか2人の話聞いてると沢山異能力を持った知り合いがいるらしいんだよねー!


だから片方だけ逃がす事に決めたんだ!

だって両方逃したら戻ってこないかも知れないし?


あー楽しみだなぁ、


サシャの方は貴重な被検体だし私の部屋で冷凍保存する事にしたんだ!

最近食料も無くなってきたし、2人分は養えないからねー


食費は浮くし被検体は増えてくれるなんてまさに一石二鳥って感じ!


これで今回の記録は終わり!

また今度気が向いたら書く!


         _西暦⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎年_何とか月何とか日


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はぁ、

結局この前逃した被検体は帰ってこなかったよ

もうそろそろ3ヶ月くらい経つんだけどなぁ、


悲しい

そのまま逃げられちゃったのかな?

それとも死んじゃったのかな?


うーん、もし死んだとしたら、ちゃんと新しい皮膚が生えてから逃してあげたし感染症じゃない筈なんだけどなぁ、


まあもうどうでもいや!

私はもうこの拠点を捨てる事にした!

何故かって?

だって設備は揃ってないし、

電気も来なくなっちゃったし、


それにとうとう食料が尽きちゃった

缶詰も解体した冷凍肉ももう残ってない


思ったよりも嫌いじゃなかったんだけどねーお肉


だから私は此処を放棄する事に決めたんだ!


なんか、ガーフィールによると此処からそう遠くない場所に放棄された研究施設があるらしいんだよね!


私はそこに行こうと思う!

あー早く研究の続きがしたいなっ!


あと、サシャ?だっけ?

電気が来なくなった時に解凍されちゃったからそのまま病院から逃してあげた!


もう充分サンプルも集まったからね!


協力してくれたお礼に最後に残ってたインスタントココアの袋と、彼女が此処にきた時に持っていた装備を渡してあげた!


あーあと

なんか荷物整理してたときに綺麗なネックレス見つけたんだよねー


私こんなの持ってなかったと思うんだけど…


まあとりあえず!


すごく綺麗だし可愛いし私の身につける事にしたんだ!


でもなんか大きさが合わなくてさ〜

首にかけられなかったから糸を追加して付けやすくした!


今日の私もきれい!

最高!


         _西暦⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎年_何とか月何とか日


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