第八話
法廷に入ると、荘厳な空気が支配する。
裁判長の声が響く。
「これより、第一王子リュシアン・セレスト殿下に対する公判を開廷する」
被告席には、リュシアン。
金糸の礼服に身を包み、しかしその表情は不遜。
背後には王宮の弁護士団が控えている。
カイは静かに立ち上がり、冒頭陳述を始める。
「本件は、第一王子リュシアン・セレスト殿下による王権の濫用、具体的には越権による
婚約破棄命令、令嬢への暴行教唆、そして公的場での秩序破壊に関するものです。
また、同事件に関与した令息たち――アレク・フォン・グラナート、ユリウス・フォン・ヴァルム、
レオン・フォン・シュタイン、カミル・フォン・ノイエ――には暴行罪、共謀罪、学園規律違反
の疑いがかかっております。
さらに、聖女候補ミリア・フォン・エーデルシュタインには禁術使用(魅了魔法の無意識発動)、
虚偽告発、そして王家乗っ取り未遂の疑いがございます。」
場内がざわめく。
王族、貴族、聖女候補――それぞれが罪を問われる異例の裁判。
カイの声は静かだが、その言葉は鋭く、法廷の空気を一変させた。
「本日は、証人の召喚、証拠の提示、そして被告人の供述を通じて、真実を明らかにする所存です。」




