表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/25

最終話

神界の空は、淡い金色に染まっていた。

無数の神々が、光の帳の中で忙しく働いている。世界の均衡を保つため、彼らは日々、膨大な調整を続けていた。


その静謐な空間に、ひときわ異質な影が現れる。

地上の服装――黒の礼服に身を包んだ男が、転送の光を纏って降り立った。


「お疲れ様、カイ」

「また地上帰りか」


神々はちらりと視線を向けるが、驚きはない。彼がこの役目を担って久しいからだ。


カイ・フォン・レオンハルト――地上では法務省の検察官を名乗っていたが、その正体は、世界修正を司る神。


彼は無言で礼服の裾を整え、奥の回廊へと歩みを進める。


上司神の間。

巨大な円卓の前で、白銀の衣を纏った上司神が彼を迎えた。


「戻ったか、カイ。今回の顛末を報告せよ」


カイは淡々と語り始める。


「対象世界における異常は、犯罪神の干渉によるものと判明しました。ゲームの世界や物語を実際の世界に投影し、断罪劇を発生させる――その目的は、感情エネルギーの収奪」


上司神の眉がわずかに動く。

「聖女候補の転生は、修正できなかったのか?」


「不可能でした。気付いた時には既に転生済み。加えて、犯罪神を特定するには、断罪劇の『エンドロール』まで進める必要があった」


「……なるほど」


カイは続ける。

「被害者であるセレナ・フォン・グランディールには、極力ミリアと関わらないよう意識調整を施しました。最終的に、裁判という形でエンディングを書き換え、名誉回復を実現。犯罪神は力を奪い、人として有限の命を全うするよう転生させました」


上司神は深く頷いた。

「よくやった。世界の均衡は保たれた」


その言葉に、カイはわずかに肩をすくめる。

「……やれやれ、毎度のことながら骨が折れる」


だが、休息は許されなかった。


「次の任務だ」

上司神の声が、静かに響く。

「別の世界で、また神が干渉している。修正せよ」


カイは短く息を吐き、礼服の袖を整えた。

「了解」


光が彼を包み込む。


次は、どんな世界だ――。


神界の空に、再び転移の光が走った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ