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第十一話

法廷に静寂が戻る。

裁判長が一礼し、検察官席に視線を送る。


「検察官、起訴状の朗読を」


カイ・フォン・レオンハルトは、ゆっくりと立ち上がった。

その手には、魔法封印が施された起訴状。

封印を解くと、淡い光が走り、文書が空中に浮かび上がる。


彼は一歩前に出て、静かに読み始めた。


「起訴状。被告人、リュシアン・セレスト。王位継承第一位、第一王子。

以下の罪状により、王国法廷に起訴する。」


王権侵害:王家の権限を逸脱し、婚約破棄命令を独断で発令。王政の秩序を乱した行為。

暴行教唆:令嬢に対する物理的接触を、第三者に指示。直接的な暴力の発生を促した疑い。

公的場での秩序破壊:王立学園において、断罪劇を主導し、公共の秩序を著しく損なった。


「被告人、ミリア・フォン・エーデルシュタイン。聖女候補。

以下の罪状により、王国法廷に起訴する。」


禁術使用:魅了魔法を無意識に発動。対象の判断力を操作した疑い。

虚偽告発:事実に基づかない断罪の主張を行い、他者の名誉を毀損。

王家乗っ取り未遂:王子の判断を魔法的に操り、王家の意思決定に干渉した疑い。


「被告人、アレク・フォン・グラナート、ユリウス・フォン・ヴァルム、レオン・フォン・シュタイン、カミル・フォン・ノイエ。

以下の罪状により、王国法廷に起訴する。」


暴行罪:令嬢への物理的接触、威圧的行為を行った。

共謀罪:断罪劇に加担し、被告人リュシアンと共に秩序破壊を行った。

学園規律違反:王立学園の規則に反し、暴力的・扇動的行為を行った。




カイは一息つき、起訴状を閉じると、静かに言葉を添えた。


「以上、王国法に基づき、検察庁はこれらの罪状に対する審理を求めます。

法の名のもとに、真実の裁きを」


法廷は静まり返っていた。

記者たちの羽ペンが止まり、魔導録音石が淡く脈打つ。

誰もが、この裁判がただの儀式ではないことを理解していた。

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