表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/14

そして旅に出るその2



 人の気配すらなかった街並みに人の形をした影がどんどん表示されていく、その人影に色が付きゲーム内のキャラクターとなっていった。

 肌に伝わる空気と、のしかかる重力、周囲の人々の様々な匂いと微かな鼻腔を擽る香ばしい屋台の香り、騒めき立つ人々の声。

 騒がしくも何処か心地よく懐かしい空気を感じつつ、ゲーム内の空気を味わう様に呼吸する。


「はぁぁ、……懐かしい」


 見慣れたファンタジーゲームの世界、そして新鮮な風景と人々、新しいゲームを始めたという感覚に少し顔がほころぶ。


(この人数はゲーム開始直後の様な人数、本当に人気MMOなんだな)


 見渡す限りのプレイヤーに感動さえ覚える、これだけの人数が一度に視界に映る光景などあまりない。

 しかし場のファンタジー的な雰囲気が、過去の嫌な事を思い出し心に雲が覆い影を作っていく。


(…嫌だが、……やっぱり良いもんだ)


 周囲を見渡し誰も自分を見ていないと分かると安堵し一歩踏み出す。

 向かう先は街の外、モンスターが徘徊する場所でありレベルを上げるための狩場である。


(一先ず狩りして、街の散策は後ででいいか)


 ゲームを始めたらまずはレベル上げ、そんな染みついた風習に体を動かされる。


(メニューはっと?)


 メニューを開けと念じると、目の前にメニュー項目が表示された。

 メニュー欄にはステータス、スキル、アイテム、コンフィグなどの項目がある。その中から一つずつ確認していきこのゲームの仕様を覚えていく。


(アイテムは…初期装備となんかの袋。

 スキルは、…アーツ? なんだこれ?)


 アーツとは必殺技の様なものだ、スキルとは剣技や光魔法といったジャンルに該当するもので、スキルの中にアーツというものがある。

 例をあげるならば、剣技スキルの中にパワースラッシュというアーツがある。


(んで、スキルを2つセットできると)


 アーツを使う場合は専用のスキルスロットにスキルをセットする。ジョブに設定した物を含めれば三つのスキルが使用可能だ。


(スキルは大体分かった、コンフィグも他と似たようなものか、痛覚の設定もあるし、ウインドーのレイアウトも変更可能で、…まあこんなものか)


 ヘルプ項目と睨めっこしながらメニューを確認していき、次にステータス画面を表示する。

 項目は力を示すSTRや生命力を表すVITなどの基礎的な項目や、ヒットポイントマジックポイントスタミナポイントがあるが、どれも件並みに一桁の数値となっていた。


(後は袋の中でも見とくか)


 一度アイテム欄は確認している、初期に配られる初心者用の武器防具HP回復用ポーション、そして街の地図が一枚入っていた。

 他のゲームなどにある初期配布アイテムと同じで、そのアイテムを使い最序盤の間有利に進める事が可能である。

 ミナモはアイテム欄から武器や防具のアイコンをタッチする、すると装備するかの有無を問われ、装備する事を選択する。

 装備を選択すると、身に纏っていた初期装備である何の変哲もないワンピースが、こげ茶色の革ガードルが付いたワンピースへと変化する。

 武器に関してもずしりと重く、体の二倍はある戦斧が背におぶさる様に取り付けられた。


(う~ん、なるほどな、確かに重い)


 背中から伝わる重さに耐性が少し崩れるが、重心を変え、足に力を入れて問題無く歩行は可能であった。

 ミナモは軽く走り出し、重さに慣れたところで人混みを避けてゲーム内の肉体に少しづつ慣れていく。

 そして街の外に向かう為にメニュー欄からマップを選択して表示する。


(簡素な地図だ)


 2Dマップが表示され、大きな道と道具や武器など売っている店がチラホラと書かれている程度で、初心者が見る分の最低限の情報しか書かれていない。

 不満に思いつつも大通りを南下していき、しばらく歩くと城郭の出入り口に辿り着く、そこから抜け出て目の前に広がる草原を進んでいく。

 周囲には丸々と太ったネズミとスズメを掛け合わせたような不思議な生物が複数徘徊していて、それをプレイヤー達が四苦八苦しながら戦っていた。

 様にならないへっぴり腰で剣を我武者羅に振るい、攻撃を外してモンスターに反撃を食らう有様だ。


(初々しい戦い方、初心者が多い。

 初心者なんて天然記念物だと思ってたのに)


 ミナモがプレイしていたゲームに初心者は居たがその数は少ない、WLMは人気という事もあり、普段ゲームをしない層も取り込み初心者がとてつもなく多かった。

 半年以上経過したゲームで尚且つすでに有名な名作と言われるゲームとなっている。それ故に今始める者はネットゲームにあまり関心が無かった者達殆どで、既存のプレイヤーに誘われたり、噂を聞いて始めた者が多い。


(オート戦闘もあるのに、なぜ活用しないのか?)


 初心者であるからこそ戦闘も真面にできず四苦八苦している有様だ。それを救済や補助するための機能がオート戦闘である。

 誰しもがモンスター、生物を殴れるわけではない、それに戦闘となれば人によっては無理難題である、その者達を為にオート戦闘が存在していた。


(ま、オートも序盤意外じゃ微妙だしな)


 オート戦闘は動きも単調で相手の攻撃もさほど回避してくれるわけではない。相手の動きに対応して動くモンスターなども存在している為、戦闘に慣れ自信が付くまでの繋ぎでしかなかった。

 それでも慣れない人の為に、セミオートというプレイヤーの意志を尊重してサポートする戦闘機能も存在しているが、あくまでサポートだけで自分で考えて戦わなければならない。


(っと、そうだ、シャルから座標の位置で待ち合わせしてるんだった、はよ行こう)


 シャルロッテとは街の外で待ち合わせの約束をしていた。

 マップを開いたときに現れる数値が待ち合わせの場所で、その数値と睨めっこしながら道なりに移動する。向かう先には森があり、ミナモはその森に入り木々をかき分け移動していく。


「めっちゃ土と草木の匂いが濃くなった」


 腐葉土を踏みしめる度に独特な自然の強い匂いが鼻につく、久しぶりの匂いに眉をひそめながら移動すると、森に入った少し先でシャルロッテらしきアバターの人物が木に寄りかかりミナモに視線を向けていた。


「よ」


「おっすおっす」


 軽く手を上げ呼びかけるシャルロッテに答えて近づく。

 シャルロッテの見た目は青色の長い髪のエルフである。競泳水着の様な服の上に鎧を着込み、大きな盾とメイスを背負った麗しい女性だ。鎧も白銀の綺麗な見た目の高級感のある立派な鎧で、街に居たプレイヤー達の見た目とは一線を隔てていた。


「あ、そうそう、ゲーム内じゃボクはフィーネで通ってるから」


「ころころ名前変えるなぁ」


「君もだろ」


 ゲーム毎にニックネームは違っていて、決まった呼び名は無く、互いにゲーム内では内部の名前を使って呼んでいた。


「フィーネ」


「ミナモ、…あれ? 前に使ってなかったっけ?」


「使ってた、名前のネタも切れたからね」


「まあいいか、とりあえずこれを進呈しよう、マップだ。あとフレンド登録」


 フィーネはメニューを操作しアイテム欄から羊皮紙が丸まった物を取り出し癒里に手渡す。ミナモはそれを手に取ると自動的にアイテムがアイテム欄へと消えて無くなる。ついでにメニューを開き表示されたフレンド申請を許諾し、フィーネをフレンド登録する。

 フレンド登録は登録した者と、どんなに離れた場所からでも通話ができる機能で、同時にログインログアウトの状況も確認できる機能であった。


「この地図は?」


「見てみなさい」


 マップを確認すると、先程の質素な2Dマップから、3Dマップが表示される。


「何この高性能な地図」


「街も確認できるよ」


 試しに表示されたマップをスワイプすると動きに合わせて移動していく、最初に降り立った街を確認すると、表示されていなかった店や名前が表示されていた。

 縮小や拡大といったものもお手の物で、とてもいい地図というのがすぐに察せる。


「それ高いこの大陸の地図だぞ、大事に使えよ」


「初心者に高いと言われてもピンとこないが、良い物ってのは分かった、ありがと」


「後で分かるさ。それで他に分からない所は?」


「他? あるとするなら、何故か初心者達が四苦八苦しながら戦ってたところかな。

 何故オート戦闘で戦わなかったんだろ?」


「ああ、それね。自称ベテランがオートに頼らない方が良いって話をしてるからさ。

 有名な実況者らしいけど、その人が公言してるよ」


「自称かぁ、何処にでもいるなぁ」


 人のプレイを参考にするという初心者は多い、初心者から見れば少し上手いだけでとても達者に見え、有名人と言うならば妄信的な信頼感がある。

 その初心者同士が話を広げていき、何時しか初心者はオートに頼らず戦うのが絶対と誇張されてしまっていた。しかもミナモが言う通りに徐々に使えなくなるという理由が歪曲し、オート戦闘が使えないという風潮になっていた。


「ま、どうせ慣れないなら慣れないで、後衛とか戦闘しない様に別な事し始めるんだろうけど」


「戦闘無しでもやれるの?」


「職人系なら行ける、やろうと思えば街から出ずにレベル上げれると思うよ、そんな変なプレイしてる人も居るくらいだし」


「へぇ」


 WLMは十人十色のプレイ方法が存在するゲームと謳っている、だがミナモはそこまで自由なのかと懐疑的である。


「そこまで言うほど自由って事あるの?」


「それを確かめる為にプレイしてみればいいさ。

 ただ君はそこまで自由にやれないと思うよ」


「何故?」


「他のネットゲームの知識に囚われて、常識の枠の外に出れるか分からないから。

 君、絶対にとりあえずレベル上げしておこって考えでここに来たでしょ」


「……いや、まあ、そうだけど。

 非常識ならやれると?」


「例を上げるなら、このファンタジー世界でコンピューターなんか作れる、らしい」


「……はあ?」


 何を言っているのか理解できず、首を傾げるしかなかった。

 ゲームの中でコンピューターを作る、アイテムとして作るなら理解できるのだが、プレイヤー達が行っているのはアイテムとしではなく実際の『物』としてだ。


「理論上は現実と同じに製作する事が可能だとかなんとか、今の所チャレンジは失敗してるけど」


「単純にできないだけじゃ」


「だからルールに縛られてる今の君には無理じゃないかって話さ。

 なんでも金属の耐性と魔力が云々とかなんとか?」


 実際に研究されて、今も試行錯誤でチャレンジを行っている最中であった。

 詳しいことはフィーネにも分からず、噂話程度の話とミナモは思った。


「常識の枠の外って、そういう意味かい……」


「一言でこの世界を言うなら、現実に近いファンタジー世界って所かな」


「現実に近い?

 ないない」


 まだ全てを見て回っていないミナモであるが、現実に近いという事だけは絶対に否定できる。

 何故自信をもって否定するのか疑問に思ったフィーネは、少しだけむっとなりながらも尋ねる。


「あまりやってないんだから否定から入られてなぁ。

 どういう意味なんだい?」


「本当のファンタジー世界を再現とか、絶対にクソゲーだし、実際プレイしてクソゲーだった」


「え? そういうのあったの?」


「あった。

 少し前だけど、クソゲーって紹介が合って実際プレイしたことあったんだけど」


「ファンタジーを自発的にプレイしたの?」


 ファンタジー系のゲームをプレイしないはずだったミナモが、自発的にプレイしにいったという事実にフィーネは驚きを隠せなかった。

 のだが。


「クソゲーって紹介ならプレイせずにはいられないだろ? 怖いもの見たさというのもあったけど、その魅力、いや、魔力に惹かれてしまったんだよ」


 ミナモはファンタジーと知ってプレイしたが、その根本的物としてみた時、ファンタジーゲームではなく駄目なゲームという認識があったからこそプレイしたのだ。

 アングラな掲示板で紹介され、ひっそりと小さく悪い意味で流行したのだ。

 そんな小さな流行は退屈していたミナモには恰好の餌であった。


「ヤバイくらいにリアルでさ、痛みもあるし、薬草とかポーションで傷を癒すにも時間がかかる。

 魔法の発動も魔法陣とか呪文を丁寧に描いたり唱えなくちゃいけない、戦闘も泥臭い地道な戦い、食事や栄養面の摂取、肉体の状態、排泄、何もかも徹底しないといけない。おまけに死んだらアバターが削除、アイテムも全ロスト、モンスターだって洒落にならないくらい強い、現実で熊とか相手にするもんだぞ。ドロップ品なんてないし、モンスターを解体して、残骸も適度に処理しないと色々問題あるし、解体した血肉も―――」


 話を聞いているだけで、フィーネはミナモの語るゲームをプレイしたいという気が起きなかった。

 このゲームにもミナモの語る一部要素はあるが、あくまでゲームとしてのファンシーな要素が強い。


「WLMがそこまでリアル路線でないって事を訂正させてもらうよ……。

 け、けど、一応そう言われてるんだよ、…言われてるんだけどなぁ」


 好きなゲームだからこそ否定されると憤りを感じるが、ミナモの言うリアルなゲームというものを聞いてしまうと言い返せなかった。

 それでもなんとかフォローを入れようとして、ミナモはそんなフィーネの気持ちを汲み取り、ミナモからのフォローを入れる。


「別にこのゲームのリアル寄りっていうのを全否定してるわけじゃないよ。

 なんだかんだで、この空気感も肌触りもリアルと変わりない」


 WLMはリアリティーが無いゲームではない。

 触れた触感も、大地を蹴る感覚も、紛れもなく現実のそれと同じだ。


「要は折り合いが完璧なゲームって事だよね?」


「折り合い?」


「ゲームに寄せすぎると現実感が無くなって、リアルに寄せすぎるとストレスの塊になる。

 妥協して折り合いって、程よいストレスとそれを発散した時の感覚とか、そういう許容範囲内を責めていって、ゲームでありつつも現実感を強調してるゲームに仕上がってる」


「…うん」


 フォローは上手くいき、少しばかり落ち込んだフィーネに自信が戻って来る。

 それを見て少しだけ話を変えるべく、フィーネからこのWLMというゲームがどういったものかと尋ねる。


「それで、このゲームはどういった奥深い要素があるんだ?」


「えっと、…奥が深いっていうなら、一先ず惑星の大きさも地球の4倍とかなんとかって話」


「想像もつかないっての、というかそんな広いのかよ」


「その広さが問題なんだけどね」


「問題?」


「プレイヤーからしてみたら何処も未開拓の地、じゃあ冒険に出ようってなるでしょ」


「なるね」


「そこにあるのがアイテムの重量問題」


「重量? ああ、確かにあるね」


 アイテム欄を確認すると、現在持っている重量の総数と、どれくらい物が持てるかと言う個数の表示がされていた。これ以上を越えた際にペナルティが課せられ、さらに超過するとアイテムを持てなくなり、尚且つ行動不能になる。


「アイテムの重量制限があるから、長距離移動の為に使う野営装備や食料などの荷物、そういうのが必要なんだよ」


「適当じゃ駄目?」


「空腹度もあるから食料か必須、道中で採取だってするし、武器の予備とか他便利アイテムとか、重量が一番ネックで頭を抱える事になるよ」


「狩場に長時間籠るようなもんか、そうなるとソロが割と理に適ってる?」


 1人で気儘に行動、今回のミナモのプレイはそのソロプレイをメインに行動予定であったのだが。それに対してフィーネは首を横に振った。


「むしろ複数人じゃないと駄目よ。

 複数人で行動する理由の最大のメリットは長く冒険に出れるという事、ソロ向けじゃないモンスターが多いからね」


「ボスモンスターとか通常モンスターもパーティー前提のバランス?」


 パーティーとは他の者と組み連携を取るためのゲームのシステムである。他者と組み連携し、敵を倒した時に得られる経験値を公平に分配したり、アイテムの一部を共有化したりできる仕様などがある。

 ただしパーティー前提のバランスの場合、ソロで行動する人間にとっては苦痛を強いられることになり、ゲームを辞めてしまう事もある。


「モンスターもそうだけど、一番は未開の地とか手付かずの場所を冒険するならって話ね」


 プレイヤーの大半は未開の地に足を踏み入れるわけではなく、出された情報を参考にしてその中で冒険するというのが主流である。見落とした物の発見をする為か、もしくはその場所にあるアイテムを入手したり、モンスターを倒す為に向かったり。目的はその人によって変わってくる。

 そして齎せる情報の中で、ソロで行動可能な場所を移動する者もいて、必ずしもソロを否定するゲームバランスではなかった。


「う~ん、色々行くならパーティーか」


「いや、パーティーもデメリットがあって絶対にお勧めってわけじゃないかな」


「ひょっとして拘束時間と人間関係?」


「そう、未開の地に行くとなると長期だし、人間関係次第じゃ苦痛なんてもんじゃないからね」


 人数の関係上、相性が悪ければ長期的に活動するとなると、苦痛を長期的に味わう事になる。

 人間関係が問題となり、さらに人数が増えれば現実の事情次第で行動が不可能になり、相当相性が良く無ければ活動できない。


「何処もかしこもそういう問題あるよね。

 このゲームは聞く限り、相当長期的に拘束されそうだしなぁ。

 やっぱりソロがナンバーワン」


「もう一つデメリットあるよ」


「…今度は何?」


「スキルスロットの問題、あれって街とか安全圏でのみ付け替え可能だから、1人で何でもできるというわけじゃないよ。

 戦闘系スキルで全てを固めても、物の採取系スキルとか調理してバフの恩恵受けたりとか、野宿するのに必要なスキルとかも必要だし」


 スキルスロットは二つのみ、ジョブ固有スキル以外は補助するスキルを入れるのがベターであるが、あくまで補助の為一人で何でもこなせるわけではない。

 聞いているだけで、本当にソロで行動できるのか不安になって来る。


「まあ、無くても大丈夫だけどね。

 スキルが無きゃ料理できないわけでもないし、物が取れないわけでもない」


「え? そうなの?」


「アイテムに品質っていうのがあるんだけど、その質が落ちるだけ。

 一応詠唱とか魔法陣とか書いたり、やり方覚えればスキルなしでも攻撃系アーツは使用可能だよ。

 プロフェッショナル以外が手を出せば品質が下がる、……そういう意味でリアルだなぁ、…って思ったんだけど」


 再び落ち込みそうになったところを、話を進めさせるために尋ねた。


「威力とか落ちるんでしょ? しかもかなり」


「う、うん、MPの消費も高くなる」


 スキルはあった事に越したことはない、しかしそれに囚われず様々な事が出来る様であった。


「後、スキルとかアーツが自作可能」


「自分オリジナルって事?」


「そう、人に伝授も出来る、気が向いたら色々調べて自分でやってみなよ」


 ジョブ以外にもアーツが自作可能となっていて、それが売りとなっている。

 ただ自作したからといってそのアーツが使い物になるというわけではない、当人がどう思うか別として失敗した技がアーツ化される事もある。


「ま、自由だね」


 自由を売りにしているゲームという謳い文句は間違いない。

 その自由の中で不便を強いられるのも確かであるが、融通の利く範囲である。


「奥が深いというよりは、だだっ広いもんだね」


「一つに突き詰めて行けば奥が深くなるよ」

 

「一日じゃこのゲームの評価が出来そうにないね。

 いい暇つぶしにはなりそうだ」


「きっと長く続けてくれると信じてるよ」


「なるといいね」


 しばらくは退屈しなさそうであった。


感想などお待ちしております

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ