リアラスタの過去、前世編 前半 sideリアラスタ
リアラスタの過去の話が、前世、今世の幼少期と何話が続きます。
鬱展開が苦手な方は、過去話を全て投稿し終わってから読む事をお勧めします。
目が覚めると、そこは異世界だった。
目に入る物全て、前世には無かった物ばかり、両親の目も髪もありえない色をしていたのですぐにそう思った。
いわゆる、異世界転生というヤツだろう。
私は手足も碌に動かない赤ん坊だった。
ただ、それだけ。
特にそれ以上の感情は何もわかなかった。無気力だった。
…………。
前世、私は日本に生まれたミレニアムベイビー(2000年生まれ)だった。
だからと言って特別でもなんでもなく、物心ついた時には、両親は事故と病気で亡くなっていた。
祖父母も高齢だった為、私は、叔母に育てられた。
叔母には、「お前のせいで、結婚出来ない。人生台無しにされた」と、事あるごとに言われ、将来、叔母を養っていくのは、私の義務だと常々言われていた。
逆らうと、癇癪を起こし、暴力もふるわれた。
叔母は私のせいでお金が無いといい、習い事もさせてもらえなかった。
その割には、キラキラしたピアスやネックレス、時計をつけていたが、当時の私は、叔母が全てだったので、何も言えないでいた。
学校の勉強は真面目に受けていたけれど、流行りの物も買ってもらえない、話についていけない、サイズの合わないボロボロの服や靴を見て、徐々に私の周りには人が離れていった。
そうなると、私は孤立して、ますます勉強に逃げた。と言うか、それしかする事がなかった。勿論、小学生から、家事は全て私だったけど。
高校受験の際、担任からは公立で1番偏差値の良い高校を薦められたが、校則でバイトが出来ないことを理由に別の高校へ進学した。
担任には相談出来なかったが、叔母から、授業料も、必要な用具も、定期代も全て自分で賄えと言われていたから。
叔母よりも偏差値の良い高校へ行けば、癇癪が酷くなるのも分かっていた。
担任も、お金が無い、家庭環境がわかっていたからか、それとも、他にも思う事はあったのか、私の意思を尊重してくれた。
高校は、かなり忙しかった。
家事と勉強とバイト三昧。睡眠時間を削ることも多かった。
けれど、バイトのお陰で、必要最低限の日用品はリサイクルショップで、買えるようになり、ボロボロの服よりかは、マッシになったと思う。
私に余裕が出てくると、叔母は私のバイト代を勝手に引き出すようになった。そうすると更にバイトを増やす……。
悪循環だった。
同級生で、ここまでバイトを詰め込む人もいなかった。
付き合いの悪い私は、やはり高校でも私は孤立していった。
高校の担任より、大学進学をすすめられたが、就職を選んだ。
その頃には、叔母の性格は完全に把握していた。
叔母が自分より学歴が良いなんて許さないだろう。
大学進学する為には、親権者の手続きも多い。
当時、20歳が成人だった。私に権利など何も無かった。
小さな会社の事務職員として働き始めた。
就職しても、私に自由はなかった。
今まで育ててやった分を返せ、就職保証人は誰だと思っている!と、給与の殆どを取られていった。
それはどんどんエスカレートし、本職の給与では足りなくなり、私は困窮していった。
仕方なく私は夜のバイトをする事になる。




