表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
守法人〜白でも黒でも好きな様に変えてさしあげますわ! 私に差し出せるものがあるなら……ね?〜  作者: ルシトア


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/13

ヨール

「あらあら。リアちゃんは甘えたね」

「私は、リデル様の前では、ずっと子供です!!」


 リアラスタは、甘えるように、リデル様を抱きしめる力をさらに込めた。

 それに対して、リデル様は、あやすようにリアラスタの頭を何度も撫でた。


「ふふふ。私にとっても、リアちゃんは、大切な子供よ」

「私は、リデル様の1番になりたいです」

「あらあら。今日のリアちゃんは、積極的ね」


 リデル様にとって、リデルフルールにいる住人は、すべて自分の子供のように思っている。

 リデル様は、優先順位をつけるような事は、しない。全てにおいて平等なのだ。

 リデル様は、みんなのリデル様なのだ!!

 リアラスタの言動は、リデル様を困らせるだけなのである。


「お前、いい加減にしろ!!」


 ()は、リアラスタの首根っこを掴み、リデル様から距離を取らせた。


「あらあら、ヨール。いつもリアちゃんの見守りありがとう」

「こんな奴、私に必要ありません!!」


 リデル様は、私に労いの言葉をかけてくださった。

 もう、それだけで天にも昇る気持ちである。

 まぁ、もうすでに天界にいるのだけれど。

 それを、リアラスタが、否定して、水を差すとは万死に値する。が、リアラスタと違い、私は大人気ない事はしない。


「私は、リアラスタが、余計な事をしないか見張っているだけです。人間社会というものは複雑難解なのですよ?

 それなのに、リアラスタは、秩序を乱し、人間社会に波紋を残している。

 リデル様のご意志を尊重しているとはいえ、もう少し軋轢を生まない手順で物事進めるという事が……」


「軋轢よりも、ご意志に反する法律を、1秒でも早く改正しなければ、それに苦しむ民がいる事をお忘れなく」


 私の話を、リアラスタの棘のある声が、さえぎる。

 無礼な奴だと思いながら、そちらに目を向けるとリアラスタの瞳に影が落ちていた。それは、リアラスタの幼少期を思い起こさせる。


 私は、一瞬言葉に詰まった。

 今の内容は、リアラスタが身をもって、感じた事だからだ。

 私もそれを知っているが故に、言い返せずにいた。

 私が、幼い頃のリアラスタを救い出した時、リアラスタは、劣悪な環境にいた。その姿が呼び起こされた。

 リアラスタは、私の反応を見て、ニヤリと笑う。


「フフン。流石の守護精霊であるヨールでも言い返せないなんて、私が天界でリデル様の守護精霊になろうかしら?

 ねぇ? 黒ずくめのおじさん!!」


「なんだと!?

 誰のせいでこんな格好をしていると思っているのだ!!」


 確かに、今の私は、黒づくめの格好をしている。リデルフルールに降りる際は、これが基本だ。

 リデルフルールにいる守護精霊は、人々の目には映らないが念には念をという事でこの格好なのだ。闇夜に紛れ、監視をするには、これが1番だと思っている、

 それに、私は、年長者ではあるが、見た目はそれ程おじさんではない!!

 リデルフルール基準で言えば、二十代後半の優男だ!!

 白に近い黄金の髪も、黄金の目も守護精霊にとっては高い地位を表すのだ!!

 他の精霊からは、「ヨール様、素敵!!」って言われるくらいモテるのだそ!!


「別に頼んでないし。聖気がダダ漏れだがら、私からしたらいつも眩しくて鬱陶しいだけよ」


 私としては精霊の聖気は、極力絞っているが、リアラスタには、見えるらしい。聖気は、一般人には見えない。リデルフルール内で、そんなに敏感なのは、守法人でもリアラスタくらいだ。


「まぁまぁ。2人とも落ち着いて?

 本当に2人は仲がいいのね?」


「「良くありません!!」」


「まぁ! 息ぴったりね?」


 私達が言い争っていると、コロコロと微笑みながら、リデル様が仲裁に入った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ