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守法人〜白でも黒でも好きな様に変えてさしあげますわ! 私に差し出せるものがあるなら……ね?〜  作者: ルシトア


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馬鹿な男達 sideリアラスタ

 全ての言語と理、法律を学ぶのは、血の滲むような努力が必要だったけれど、今はそのお陰で、自分の地位が脅かされる事も無くなった。今では貴族よりも地位は高い。


 守法人になった事で、女神リデルより、リデル呼びを許されたけれど、敬意を込めてリデル様と呼ぶようになった。

 リデル様は、話せば話すほど心根の優しい方だ。

 辛い神殿修行を耐えられたのは、リデル様の励まし(天啓)があったからだ。リデル様からお言葉をいただくだけで頑張ろうと言う活力が湧いてくる。


 話しているだけで自分の醜い部分が洗われる気持ちになる。それは心を軽くする。

 皆がリデル様のそばにいれば、世界から犯罪が無くなるのではと思う反面、独占欲が勝りやっぱり独り占めしたい。

 まぁヨールがいるけど。



 ヨールとは、当初は刺々しかったけれど、人間(ヨールは精霊だけど)は、毎日顔を合わせていれば怒りなんて長くは続かない。私がリデル様を大好きなのもあってか、意外と気が合い、軽口を言えるような仲になってきたと思う。

 ヨールがどう思っているかは知らない。

 時々、鋭い目で見られる事もあるので、まだまだ監視対象ではある気がする。


 最初は慇懃、真面目なヨールも私に毒されていい感じ緩くなった。ヨールがリデル様に冗談まで言えるようになったのはいい傾向だと思う。

 リデル様は、冗談を言うヨールにしっかり罰を与えつつも何処か嬉しそうだ。面白がっているとも言える。

 2人の距離が縮まったのは嬉しいようなムカつくような複雑な気持ちだけれど、リデル様が微笑んでくれているのだから良しとしよう。


 ……あれから10年ほど経ったが、母はまだ治療中だ。

 神殿の治療院にて療養している。

 以前の母に戻るのは難しいだろうと言われた。

 それでも少しでも心穏やかに過ごしてほしいと心から思う。


 ◇◇◇


 リデル様に新たな法律の制定の報告をして、地上にもどる。

 本当は名残惜しいけれど、それは何時間経っても同じだろうから。


 地上に降りて、私の周りにあった眩い光が無くなると、寂しい気持ちになる。あの光は、リデル様に包まれているようで安心するのだ。

 はぁ……。その後に、あの醜いランソワー辺境伯が目に入ると尚更。

 まぁ、どんな人であっても、リデル様との落差が激しいから致し方ない。


「問題なく、法は改正されました」


 私は、ランソワー辺境伯に、改正がつつがなく施行された旨を話す。



 制定された法律の写しを辺境伯に渡す。

 ランソワー辺境伯は、内容を確認し、安堵の笑みを浮かべた後、ベルを鳴らした。


 (祝いの宴でもするのだろうか?

 こんな夜中に? それは無いな)


 自問自答して、結論に至る。

 厄介事の予感がしたが、やはり的中した。


 私達が入ってきのとは別の扉、辺境伯が座っているソファーの後ろから屈強な男達がゾロゾロと現れた。何というか卑下た笑みを浮かべている男達は、どうみてもゴロツキ集団だ。

 服装も薄汚れていて真っ当な職業についているとは思えない。人数はざっと20人以上はいるだろう。


 ランソワー辺境伯の浅はかな考えが、透けて見える。

 私を監禁でもして、自分に有利な法律でも成立させたいのだろう。本当に馬鹿な人。

 私が守法人として、法改正が出来るのを確認した後、と言うのは、辺境伯にしては考えた方なのだろうか?


 守法人という地位が全くわかっていない。

 それに、この世界の理も、わからないのだろうか?

 同じ人間には、危害が加えられないというのに。

 それとも、小娘など、言葉や態度で脅せは、なんでもいう事を聞くと思っているのだろうか?


 浅ましい。


 こんな事に付き合いたくはないが、守法人である以上、暴力行為は見過ごすことはできない。

 無いとは思うが、万に一つでも、法の抜け穴があるかもしれない。それならば改正が必要だ。

 ランソワー辺境伯が、法の抜け穴を見つけ出すなど、天地がひっくり返ってもなさそうであるが、確認はしておかないといけない。


「これは、どういう趣向かしら?」


 怯えもしない私の平坦な声に、ランソワー辺境伯は訝しみながらも、余裕の笑みで答えた。


「見てわかるだろう?

 貴方には、これからも、私に有利な法律を成立させてもらう。

 そのための多少は手荒な事も必要だろう?

 どちらが上か、わかってもらわないとね?」


 案の定、思った通りだ。そしてランソワー辺境伯は、これがうまくいくと思っている。


「まだ少し若いが、いい女だな。なぁ、辺境伯、殺さなきゃぁ多少は()()()もいいよな?」


「まずは、私からだが、まぁ、いいだろう」


 配下のボスのような男から低俗な言葉が出てきた。

 辺境伯もそれに応えるから同類だ。


 男がランソワー辺境伯と配下の男衆達は、嘲笑う。

 その笑い方が、ジョドジー達の記憶を呼び起こせ、嫌悪感が増し、何とも言い難い怒りが湧いてくる。


 こんな奴らは生きている価値は無いと私は思う。

 何なら、不慮の事故で……。と考えるけれど、ヨールの監視があるので難しい。それにリデル様は、殺生を好まない。

 わたしが、そんな事をすればリデル様は、悲しまれる。

 リデル様の憂いになる事は避けたい。


 まぁ、死ぬよりも辛い事はある。

 コイツらにはそれで充分だ。


 私は守法人。

 世界の法律を知っている。

 この男達に、私をどうこうできる手立て(法律)は存在しない。

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