表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
守法人〜白でも黒でも好きな様に変えてさしあげますわ! 私に差し出せるものがあるなら……ね?〜  作者: ルシトア


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/25

リアラスタ過去 リデルフルール編⑨ sideリアラスタ

 寮生活になって以来、母とは疎遠だった。

 高等部は、課題も多くあり多忙を理由にして、手紙すら書いていなかった。

 実際は書こうと思えば、書けただろうが、何を書いて良いかわからなかったのもあるかも知れない。



 そんなある日、ジョドジーから手紙が届く。

 母の具合が悪く、一度見舞いに帰ってきなさいと言う内容だ。

 最後に会った時の母は、幸せに満ち溢れていたため、ジョドジーの手紙の内容は青天の霹靂だった。


 高等部の担当教員と同じグループのメンバーには、事情を説明して、なんとか折り合いをつけ、急いで実家へ帰宅することになった。

 すぐに帰宅することを予想していたのか、ジョドジーの采配により既に迎えの馬車まで用意してくれていて、私はその馬車をありがたく使わせてもらった。

 流石、お貴族様なのだろう。


 馬車から外を見ていると、実家へ向かっている様ではなかった。

 御者に聞けば、ジョドジーの邸宅敷地内にある別邸にて、母は療養しているらしい。

 下町とは違う、広く整備された道を進む。

 風格のある重厚な建物が並ぶ風景を見て、正直にいって落ち着かない。場違いな気がした。


 ジョドジーとの仮契約中は、生家である商会兼住宅に住んでいたので、ジョドジーが暮らす本邸に足を踏み入れたことはない。

 ジョドジーと正妻の住居など、愛人候補の母と私には恐れ多い場所だ。

 療養のためとはいえ、母は居心地悪くないのだろうか?

 そっちの方が療養に良くないのでは?と思わなくもなかったが、きっと優秀な侍医がいるのだろうと思う事にした。


 本邸でないとはいえ、正妻が愛人に敷地内に住まうことを許したのかと思うけれど、ジョドジーが強行したのだろうか? 新たな問題が起こらない事を祈りつつ、早く母の安否を確認したかった。



 養父であるジョドジーの屋敷は、これぞ貴族と言わんばかりの豪華絢爛な邸宅だ。

 敷地内には、庭園も、使用人用の寮も、商談用の施設も備えてある。


 敷地も塀で囲まれているが、邸宅の周りは、さらに重厚な成人の背丈の2倍以上はある石壁で囲われており、鳥籠だなと思った。

 セキュリティー上、仕方のない事なのだろうが、入ることは勿論のこと、出る事も難しそうな閉鎖的な空間だと思う。


 貴族としては当たり前の感覚なのかもしれないが、外と隔絶された屋敷は、私にとっては窮屈で、肩身を狭そうだ。

 仮契約の時は、実家に住まわせてもらってよかったと思う。養女契約は、成立したが、母が良くなれば、また生家で暮らさせてもらう様にジョドジーにお願いしようと思うのだった。


 外壁の前で、送り馬車を降りた。

 御者が、先触れを出していたみたいで、スムーズに外門から通される。そこには、ジョドジーの右腕とも言われているカレルが、私に頭を下げた。


「おかえりなさいませ。リア様」


 初めて訪れた邸宅に、お帰りと言われると何だか違うのかな?と思うけれど、これが貴族様の標準なのかも知れない。

 あえて突っ込むのはやめた。


「ただいま。カレルさん」

「カレルとお呼びくださいませ。お嬢様は、ジョドジー様の大切なご令嬢です」

「……分かったわ。今度からそう呼ぶわ」


(これは珍しい事もあるものね)


 私は心の中で呟く。


 カレルは、これと言うほどの特徴のない人だ。

 いつも、ジョドジーの後ろに影の様に立ち、存在感を薄くしている。

 何となく影の様な存在で、私は近寄り難い存在だった。

 家来としてはかなり優秀で、すぐにジョドジーの意思を汲み取り、采配する、ジョドジーが最も信頼する人物だ。


 彼はいつも、ジョドジーにとって最も重要な命令で動いている事が多い。

 養女である私の迎えなど、取るに足らない仕事なはずなのに、何故カレルが?


 これから何か重要な事が起こる予感がして、それは私の不安を煽った。



 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ